誕生日
お母さんが寝ている部屋から、台所へ戻るとおばあちゃんは椅子に座り、お茶を飲んでいた。
私に気が付くと
「今日持ってきたおかずは、全部冷蔵庫に入れたからな。由真もお茶飲むか?お菓子も持ってきたから、あるで」
そう言いながら、お茶とお菓子を用意してくれる。
私は食べることにした。
「いただきます」
「はい。どうぞ」
椅子に座りお菓子を食べ始めると
「お母さんが入院して2週間か、由真よく頑張ったな。でもお母さんがもう入院しなくていいように、まだ頑張らないとあかんな」
おばあちゃんが話し始めた。
「うん。もう入院して欲しくないから、前よりも頑張んねん。お母さんの様子見に行ったけど『しんどい』言って寝ていた」
「そうやろな、病院から一緒に帰ってきて、すぐに布団に入ったんや。顔色も悪かったな」
お茶を飲みながら、おばあちゃんにも胎動のことを言ったんだ。
「お母さんから今日、聞いたわ。おばあちゃんもお腹に触らせてもらったけど、動かんかった」
残念そうにため息を吐きながら、教えてくれた。
「でもな、妊娠5ヶ月目に入ったって聞いたし、とりあえずはほっとしたわ」
今度は嬉しそうに、おばあちゃんが言う。
「妊娠5ヶ月になると、なんかあるん?」
不思議に思って、おばあちゃんに聞いてみた。
おばあちゃんが言うには
赤ちゃんが流れやすい時期は、過ぎたということ。だと説明してくれた。
「それからな今、おばあちゃんが楽しみにしているのは赤ちゃんの性別や。いつ頃分かるんかな?由真はどっちやと思う?」
笑顔で聞かれた。
「ほんま、早く性別知りたいな。でも、きっと妹が生まれると思うで」
私も笑顔で答える。
「由真は妹が欲しいんか。おばあちゃんも一緒や、女の子がいいな。でも、おばあちゃんが言っていたのはお母さんには内緒やで、由真のお母さんにどっちがいいか聞いたら『無事に生まれてくれれば、どっちでもかまわない』って言っていたからな」
「うん、分かった。2人だけの秘密や」
おばあちゃんと2人で、内緒話をして楽しい。
「でもな。お父さんは男の子が欲しいって言っていたで」
「まぁ、あの子はそう言うやろうな」
「でも、女の子の名前を考えとくねん」
「そうか、それは楽しみやな」
「それからな、予定日は10月22日なんやけど『私と同じ日に生んで』ってお母さんに頼んであんねん」
「え、赤ちゃんと同じ日がいいんかいな?」
「そうやで」
「誕生日ケーキ食べれるの、1日だけになるんやで」
「いいやん、別に」
私が言ったのが不思議みたいで、おばあちゃんは首を傾げた。




