表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/60

早い帰宅

胎動というのがどんなのか分かったし、あーちゃんがちゃんと返事してくれて嬉しい。


お母さんが入院している病院から自宅に帰り、お父さんが帰ってくるまで、いつも通り過ごしていると、玄関の開く音が聞こえてきた。

それからすぐにお父さんの声がする


「ただいま」


もうそんな時間かと思って、思わず時計を見たけど遅い時間じゃない。

ビングの扉が開きお父さんが顔を覗かせた。


「ただいま」

「・・・お帰りなさい」

「今日から早く帰れるようになったからな。由真、風呂沸いているか?」

「そうなんや、お風呂入れるよ」

「じゃ、先に風呂入ってくるから、弁当温めておいてくれ」

「分かった」


私が返事をするなり、さっさとお風呂に向かったお父さん。


今日から早く帰れるようになったんや。


そんなことを思いつつ、言われた通りにお弁当を温めて、お茶とお箸もテーブルの上に置く。

暫くしたらお父さんがお風呂から上がってきた。


早速、お弁当を食べ始めるお父さんに、今日あった出来事を話す。


「あーちゃんに声掛けたら蹴られて、ビックリしたわ」

「由真がお母さんのお腹におった時は、お父さんがお母さんのお腹に手を当てて話し掛けると、さっきまで動いていたのに、突然動かんようになってしまってたな。『そんなに、お父さんのことが嫌いなんか』って聞いたらポコンと蹴んねん。『お父さんのこと、好きやろ』と聞くと動かん」


お弁当を食べながら、お父さんが話してくれる。

私は、思わず笑ってしまった。


「そんなことがあったんや」

「お父さん、結構へこんだで、ショックやったな」

「へ~」


私がまだ、お母さんのお腹に入っている時の話を聞くのが楽しい。


「由真が、お母さんのお腹におった時が懐かしいな。お父さん、しょっちゅうお母さんのお腹に手を当てて話掛けていたんやで」


お父さんの目が笑っている。


「そんな由真がもう小学6年か、月日が経つのは早いな。」


今度はしみじみと言う。


「由真は両家にとって初孫やったから、皆が楽しみに待っていたんやで。田舎のおじいちゃんも由真を抱っこしている時の顔は、デレデレ顔やったし」

「あーちゃんが生まれたら、両家にとって久し振りの赤ちゃんになると違うん?」

「そーやな。今度も皆に可愛がられるやろうな」


お父さんの実家にとって孫は私1人だけで、お母さんの実家にとっては、5人目で7年振りの赤ちゃんとなる。


「お母さん明日、退院できるといいな」


私が言うとお父さんは、黙って頷いただけだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ