妹を希望
私がお母さんの妊娠を喜ばなかった理由がある。
それは昨年、同級生の男子に弟が産まれていて、その子から愚痴を聞いているから。その子が言うには
赤ちゃんはいつもよく泣くから、家族も夜眠れなくて、オムツも臭い、そして俺の事を家族はほったらかし
・・・らしい
私もほっからかしになるのかな。嫌だな歳が離れた弟か妹が産まれるとしてもやっぱり、私にも関心を持って欲しいのが本音。
でも素直にその事をお母さんには言えないし・・・
お母さんが妊娠した事を一緒に遊んでいる友達の万理に言った。
「へ~由真はお姉ちゃんになるんや。私にはお姉ちゃんがいてるからね」
そうやった。
万理には5歳離れたお姉ちゃんがいる事を思い出した。万理とそのお姉さんはとても仲がいい。
そうか・・・妹なら可愛いかも。
妹と同じ服着て大きくなったら買い物や、甘いものでも一緒に食べに行って・・・
「で、いつ産まれる予定なん?」
「あ。聞いていない」
「おい」
「帰ったら聞くわ」
万理と笑いながら<妹が産まれたら>について喋り。
それから暫くして万理と別れて家に帰った。
「ただいま~」
「お帰り」
お母さんは晩御飯を作っていた。
「ねえ、今日の晩御飯何?」
「今日はカレー。今日はお母さんがカレーを食べたくなったからね。お腹の赤ちゃんが欲しがってんねん」
「なんやそれ」
「由真の時は魚ばっかり食べたくなってね。だからお母さんは魚ばっかり食べていたんよ。でも、今お腹にいる子は由真と逆でお肉を欲しがる子ね。だから男の子かも」
「弟は嫌やで、妹なら産んでもいいけど。そう言えばいつ産まれる予定なん?」
「やっと聞いてきたな。十月二十二日よ、でちなみに今は妊娠二ヶ月。しかも由真は気がついてないみたいだけど、由真とお腹の赤ちゃんとお母さんは同じ干支だからね。お父さんがそれを知って『ただでさえ肩身が狭い思いしてんのに、同じ干支でしかも女の子だったらますます肩身が狭くなるから男の子が欲しい』だってさ」
思い出したようにお母さんは、笑いながら言った。
「いいやん。妹を産んで、ますますお父さんの肩身を狭くすれば。だから絶対に妹を生んでや!・・・でもさ、昨日私に内緒で、こそこそしていたのはその話だったんやろ?なんでそん時に言ってくれなかったん?」
「昨日は<妊娠検査薬で反応でたから、妊娠しているかもしれない>という状態だったのよ。由真には病院へ行って、はっきり分かってから話したかったからね」
お母さんはそう説明してくれた。
産まれてくる私と一回り違いの<妹>が楽しみで仕方がない。
妹が欲しかったんですって。でもコレばっかりはね・・・




