怒り
おばあちゃんと一緒に、お母さんが入院している病室に入ると、お母さんは驚いた顔をした。
「あれ?義母さんも来てくれたんですか」
「由真が通っている学校の先生から、電話があってな。それで心配になってきたんや。入院したなんて聞いていなかったし、びっくりしたで」
「学校から義母さんに、電話するなんて思ってもみませんでした」
お母さんと、おばあちゃんが会話している横で
私はさっきから気になっていることを、お母さんに聞いてみることにした。
「なあ。お母さんが今している点滴なんやけど、前に入院した時にした点滴と違うん?」
「そうやねん。前ん時は1日に1本30分で終わる点滴やったんやけど・・・今回は24時間点滴し続けなあかんねんて・・・」
由真ん時は何にも問題なかったのに、嫌やわ・・・
お母さんはそう呟いた。
「退院してから安静生活していたのにな・・・」
おばあちゃんが言ったとたんに、お母さんも私も、お互いの顔を見て無言になった。
それを見たおばあちゃんは、不思議そうな顔をする。
「なんやねん。どうしたんや?」
それから暫くして、お母さんは退院してから、お父さんが言ったことや、家事を手伝わなかったことを、全部おばあちゃんに話をした。
全て聞いたおばあちゃんは、お父さんに対してものすごく怒った。
「なんやねん。あの子そんなこと言ったりしたん?!で、今回の入院したこと連絡したんかいな?」
「しましたよ。でも『そんな言われても、そう何回も会社を早退できないし無理や』言われましてね・・・だから私も『分かっているわ。今回は一度帰ってから入院準備して又、病院へ来るように言われたし、お父さんに何かしてもらおうと思って電話した訳でもない。ただ連絡しただけや』って言い返しました」
「ほんまあの子は・・・」
おばあちゃんはそれっきり黙ってしまった。
会話が途切れたところで、私は話しかける。
「お母さん、私お父さんが夜遅くに帰ってくるまで、留守番することに決めたから」
「そうか、今回は学校もあるしな・・・仕方がないか・・・ でも火は使わんといてな。火事になったら大変やから。お母さんが入院している間は、お父さんにお金貰って、スーパーの弁当買って食べてくれる?」
「火の使い方、分かっているから大丈夫やで?」
「それでも心配なんや。近くにおらへんからな・・・1人の時は、ほんまに使わんといて。お父さんがいる時やったらいいけど・・・」
そこまで言われたら仕方がないか・・・簡単な料理も、作れないようになってしまった。
義母さんは自分の息子に厭きれて、何も言えないようです。




