不安
「あれ?おばあちゃん」
「由真、お帰り」
「え?なんでここにおるん?」
「由真、家の鍵持っている?持っているんなら家の中で話そう」
それもそうだと思い、玄関の鍵を開け、おばあちゃんに家の中へ入ってもらった。
「学校の先生から、おばあちゃん家に電話があってな、由真のお母さんが入院したことで『家に1人になりましたけど、大丈夫ですか?』って言われて、お母さんが今回も入院したことも知らなかったし、最初学校の先生とその人は名乗ったけど、疑ってもたわ」
台所に置いてある椅子に座り、私が出したお茶を飲みながら、おばあちゃんは苦笑いしながら話してくれた。
「なんで、おばあちゃん家の電話番号が分かったのか不思議やったけど・・・『緊急連絡先として書いてある』と言われて信用したんや」
それから、急におばあちゃんは真顔になって
「お母さん入院して大変やろう。どうする?お父さん帰りが遅いし、1人でそれまで留守番できるか?おばあちゃん家から学校へ通っていいけど・・・おばあちゃん家から駅までの時間と、電車に乗ったり、駅から学校まで歩いた時間を考えると、片道1時間ぐらい掛かるしな・・・」
そう言って、おばあちゃんはため息をついた。
「もう6年生になったし、お父さん帰りが遅くても1人で留守番できるから大丈夫や」
私が言っても、おばあちゃんはまだ、不安そうな顔をしている。
「ほんまに大丈夫やって!」
「由真がそう言うんなら・・・でも何かあったらおばあちゃん家に電話するんやで!」
「うん、電話するから」
やっと、おばあちゃんは笑顔に戻ってくれた。
「じゃあ、今からお母さんが入院している病院へ行こうか?」
「うん、行くわ。着替えてくるから待っててな。」
自分の部屋に入るとため息がでた。本音を言うと、今夜から1人になることに対して不安なんだ。
でも大丈夫。留守番ぐらいできるよ。
自分にそう言い聞かせる。




