アウトオブあーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 91話 落ち着くとこ
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。
池図女学院部室棟、あーかい部部室。
……ではなくあさぎのお隣さん、モーラの部屋。
爽やか……というには人工的な除湿されたほんのりひんやりな空気の中、甘ったるい香りとお手頃価格なパーティー飾り塗れの部屋で、あさぎとモーラが並んで深く腰を下ろしていた。
「……モーラ姉、ほんとに良いの?」
「何が?」
「お母さんはともかく、雪さんや牡丹さんも入れちゃって。」
今日はあさぎの母、瑠璃の誕生日。
ひょんなことから瑠璃が雪と教頭先生、改め牡丹の大昔の知り合いであったことが判明したため、モーラの部屋を使ってサプライズパーティーをしよう、という運びである。
「クソババアを部屋に入れるのは癪だけど……、瑠璃さんが喜ぶなら良いよ。」
モーラは教頭先生のことをクソババアと呼び煙たがっている。
「っていうか、準備した時にも確認したじゃん。」
「揺らいでたらどうしようかと思って。」
「ま、そんときゃふらっと姿を消してるよ。」
「もう風来坊はやめたんじゃなかったの?」
「おっと、そうだった♪」
2人が談笑していると、インターホンが来客を知らせた。
「……どっちが出る?」
「あ〜、アレだね。あたしドア開けて出迎えるやつやりたい……っ!」
「団地妻仕草?」
「そうそう、お玉置いてけよってなるヤツ。」
「りょーかいっ、じゃあ私行ってくる。」
「いってらっしゃーい。」
あさぎが一階に降りると、ヒラヒラと手を振る雪と教頭先生の姿があった。
「あさぎちゃ〜ん!」
「あれ?雪さん、制服じゃなくて良いんですか?」
「流石に外では着られません……っ///」
「持ってきてるから着替える場所さえあればいつでも召喚できるわよ♪」
「持ってきたんですね……。」
「私は、要らないと言ったんですけど……っ。」
「とりあえず上がってください。」
あさぎは2人を連れてエレベーターで自宅のフロアに上がり、廊下を先導した。
「……あ!『青野』、あさぎちゃんの家ここ?」
「テンション高いわねー。」
「えっと……はい、ここです。」
「それじゃあ早速
「でも今はこっちじゃなくて……、」
雪が一つ結びにした髪を犬のしっぽのように揺らしながらドアノブに手をかけると、あさぎがその手を掴んで制止した。
「その『おとなり』です♪」
「『おとなり』……?」
「……空室みたいだけど。」
「ああ、そっちじゃなくて反対の『おとなり』です。」
あさぎが隣の部屋のドアの前に立つと、海の向こうの画家が描いたように見えるアーティスティックな表札を指差した。
「……なんて書いてあるのかしら?」
「……あ、お……の?」
「んなわけないでしょ。」
「ひどぉい!?」
雪も教頭先生も表札の文字を読むことができなかった。
「そもそもこの表札、表札の機能果たしてるの?」
「ま、まあ……うちの郵送物は下の集合ポストに届きますし。」
「ねえねえあさぎちゃん、これなんて書いてあるの?」
「私にも読めませんけど、本人曰く……『モーラ・コロル』と。」
「マジか……。」
「牡丹ちゃんの知り合い?」
「……あんたもよく知る人物よ。でしょ?あさぎちゃん。」
「流石に察しがいいですね……。」
「え?誰?誰なの?ねえ
「そんなに確かめたかったらあんたが1番に入ったら?」
あさぎが鍵を開けると、我先にと雪がドアを開け放った。
「やっほー、みんな元気?」
ドアの向こうでずっと待ち伏せていたのか、モーラが食い気味に出迎えた。
「 」
「……。」
「…………、あれれ〜?驚きすぎちゃって声も出ない?ねえねえどうなの母さん、クソババア〜?」
「っし、邪魔するわ。」
教頭先生が手のひらでモーラの視界を塞ぎそのままこめかみに指を食い込ませた。
「ぐえええ……!?」
「へ〜、良い部屋じゃない。……生意気な。」
とそのままモーラを引きずってズンズンと奥の部屋へ歩いていった。
「……雪さん?」
「…………、はっ!?あさぎちゃん、今、琥珀ちゃんの幻覚が
「琥珀ちゃんなら牡丹さんが奥に引きずって行きましたよ。」
「ど、どういう……こと?表札には『モーラさん』って……。」
「それは…………、本人の口から聞いてみるのが良いんじゃないですか♪」
「そ、そうね……っ。」
あさぎと雪も2人を追いかけて奥へと進んだ。
「まずはお招きありがとう、とでも言っておこうかしら……『モーラ・コロル』さん?」
「くっっそやっぱ呼ぶんじゃなかったこのクソババア……!」
「あはは……。」
「えっと……あなたはどこからどう見ても琥珀ちゃんだけど…………、『モーラサン』?」
「ほ〜ら、雪ちゃん混乱しちゃってるじゃない。……早よ説明。」
「くっっっそ、このクソババア風情もクソもねえ……!」
「ま、まあまあモーラ姉。お母さんの誕生日パーティーが控えてるし……。」
「お、おう……。」
「『モーラサン』じゃなくて、『モーラネエ』……さん?」
「雪ちゃんはいっぺん黙っときなさい。」
「ひどぉい!?」
「あ〜もうはいはい、わかりました。話しますよ……!」
モーラは椅子の背もたれに全体重を預けて天井を見つめクソデカため息を溢した。
「そこのクソババアはもう全部わかってんだろーけど……、あたしさ?高校卒業した翌朝に家出してから、海の向こうでは『モーラ・コロル』って名前で通してたんだよね。」
「いててててwww」
「こぉんのクソババア!///」
「……ま、それでパスポートなんかも向こうで作ったりして、今じゃ正真正銘の外国人ってわけ。」
「琥珀ちゃんが外国人……ってことは私も外国人だった……?」
「あんたは純国産でしょうが。」
「はいはいご静粛に。……んで、今年こっちに戻ってきたらお隣にこの子がいて色々知り合ったってわけよ。」
「どうも、『この子』ことあさぎです。」
「いやマジか……。」
「いや〜、引っ越してきたお隣さんが白ちゃん先生と瓜二つだったもんで驚きましたね。」
「……なるほど?つまりあーかい部のみんなは今日まで結託してそれを黙り通してきた、と。」
「あ!いやこれはあたしがみんなに頼んだことだから!?」
「別に私は怒ってないわよ?怒る権利があるとすれば……、」
教頭先生は雪に目配せした。
「……………………。」
雪はテーブルの上で絡めた両手の指を、見つめられたら身体の芯まで凍てつきそうな絶対零度の目で見下ろしていた。
「あ"……、その、ええっと…………、雪……さん?」
「なんでしょう……っ。」
あさぎが声をかけると、初めて出会ったときに雪がほんの一瞬だけ見せた絶対零度の面がみるみる崩れ、顔を上げた雪のほっぺが程よく寝かせたパン生地のように膨らんでいた。
「その、なんというか……すみません。」
「いえ。あさぎちゃんが謝ることではありません。」
雪は表情を変えないまま、おもむろにあさぎの襟足を指で掬い取るとそのままクルクルと指に巻きつけては解いて……を繰り返した。
「琥珀ちゃんに頼まれていたなら仕方ありません。別に私に黙って琥珀ちゃんと一緒にご飯食べたりお風呂入ったり映画見たりおんなじお布団で寝たりしたところで私が怒るのは筋違いです、から……っ。」
「あはは
「動かないで。」
「はい……。」
あさぎはされるがまま、雪に襟足で遊ばれ続けた。
「なんなんこれ?」
「雪ちゃんはあさぎちゃんの襟足が大好きなのよ♪」
「実母の嫉妬ほど見ていてキツイものはないんだけど。」
「それはどうかしら?」
「うん……?」
教頭先生は隅っこに置かれていた雪の荷物を弄り出した。
「はいはい、雪ちゃんそろそろお着替えの時か
「……ッ!!!」
教頭先生が雪の昔の制服を取り出したかと思う頃には手から衣服の感触が消えていた。
「ダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメです……っ!!」
雪は制服を背中に隠して、バグったポリゴンカックカクの3Dモデルの様に小刻みに震えた。
「いや、なんなん……?」
「雪さん着ないんですか?」
「そうよ、せっかく持ってきたのに
「無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理です無理ですっ。」
「え、なに母さんコスプレでもするん?」
「しませんしませんしませんしませんしませんしませんしませんしませんしませんしませんしませんしませんしませんしませんしませんしませんっ。」
「まあ、流石に実の娘の前では無理かあ……。」
「あさぎも知ってるん?」
「ええ、この場で雪ちゃんのヤン
教頭先生の身体が美しい円弧の軌跡を描いて床に叩きつけられた。
「ダボラっ!?」
「おおぉ……なんて美しい一本背負い……。」
「いや、だからなんなん……。」
「実母の嫉妬より数倍キツいもの……かな。」
「…………よし、聞かなかったことにしよう!」
「それが良いと思う。」
メンコのようにひっくり返っていた教頭先生が背中をさすりながら起き上がってきた。
「……ところで、瑠璃ちゃんは今あさぎちゃんの家にいるのかしら?」
「ああ、えっと……はい。」
「騒がしくしてたら気づかれる……?」
「一本背負いした誰かさんのせいでね。」
「それは牡丹ちゃんが昔の制服なんか出すからでしょう!?」
「昔の制服……?」
「ッッ!!!???/////////」
雪は自ら墓穴を掘ってしまったことを認識して顔から湯気を噴き出すと、糸が切れたマリオネットの様に椅子にもたれた。
「『お着替え』に『昔の制服』って…………、」
モーラはどっかりとソファーに持たれ、手のひらで顔を覆うと細いため息を吐いて天井を仰いだ。
「ごめん…………やっぱつれえわ。」
「実母の嫉妬より?」
「……軽く数倍は。」
真っ白な燃えかすの様になってしまったモーラの側で鋭い一本背負いの音がまた轟いた。
「いたた……雪ちゃん、瑠璃ちゃんに感づかれるって言ってたじゃない。」
「だってだってだってだってだってだってだってだって……っ!?//////」
「あ〜……とりあえず、私が行くまではたぶん大丈夫かと。」
「あらそうなの?」
「おか……瑠璃さんならバッチリ足止めしておきましたので。」
「そういえば足止めって、あさぎ何したん?」
「わ……、私のケータイ小説の感想文書いてもらってる///」
「捨て身過ぎんだろ……。」
「で、でもサプライズを絶対成功させるため……だから、だだだだ、だい……じょう……ぶ……。」
「ほんとは?」
「ごめん…………やっぱつらいわ。」
あさぎもソファーの上で燃えかすになった。
「なんであんたら揃いも揃って満身創痍なのよ……。」
教頭先生がため息をつくと、仄かに室内に甘い香りが漂っていることに気づいた。
「……この匂いは?」
「カップケーキです。」
「え!?まさかあさぎちゃんの手作り……!?」
「『思い出の味』って言ってたやつね。」
「なんでクソババアが知ってんだよ。」
「あら、知らなかった?私も雪ちゃんもあさぎちゃんのPINE友だちなんだけど……♪」
そう言うと教頭先生は得意げにPINEのトークルーム『襟足を愛でる会』の画面をモーラに見せつけた。
「ほーん?それで色々知ってたわけね……。」
「妬けた?妬けちゃった??」
「職権濫用ってやつ?」
「あら、言ってくれる。」
「悪いけど、あたしは母さんみたいに直情的じゃないんでね……♪」
モーラは余裕たっぷりに返すと、あさぎとキッチンに向かい、出来上がったカップケーキを回収した。
「じゃあ私たちはヤングスタイルの準備を……、」
「え、待って牡丹ちゃんほんとにやるの……!?」
「琥珀ちゃんにもバレたし、もう隠す相手もいないでしょーが。」
「それは、そうだけど……///」
「はいはい、じゃあ着替える……!」
教頭先生に押し切られて雪は昔の池図女学院の制服姿に着替えた。
「よし♪じゃあ……あさぎちゃーん!」
教頭先生がパンパンと高い位置で手を鳴らしあさぎを呼ぶと、キッチンから2人が戻ってきた。
「ぅえ"……ッ!?」
「ああ、ヘアセットですね。」
制服姿の雪を見て硬直するモーラを他所に、あさぎは雪の背後に回り、長い無機質な白髪に櫛を通しだした。
「いや、待ってなにそれまさかあさぎの……いや、ちょっと違う……?」
「そう、雪ちゃんの現役時代の池図女学院の制服よ。似合うでしょ〜?」
「……なんの拷問なん?っていうかあさぎはなんでそんな手慣れてんの……。」
「え?ああ、雪さん凝り性でしょ?自分でやらせるといつまでも納得しないから……もう自分がやった方が早いかなって。」
「ふっふ〜ん♪♪どうやら私たちの方があさぎちゃんと仲良しみたいねぇ……♪」
「いや、だから嫉妬せんって。」
モーラが見守る前で、雪の片目が髪で隠され、残った髪がクルンクルンでフワンフワンのサイドテールにセットされた。
「……よし、できましたよ雪さん。」
「ありがとうございます……っ♪」
雪は立ち上がると、姿見の前でクルクルと回って自分のヤングスタイルにはしゃいでいた。
「こりゃ、すみ姉が見たら発狂もんだな。」
「瑠璃ちゃんのお祝いなんだし、今日くらいは言いっこ無しにしましょう?」
「あ〜そっか、瑠璃さんにすみ姉のこと言ってなかったなそういえば。」
「じゃあ私おか……瑠璃さん呼んで来ますね。」
あさぎはそそくさと部屋を出て自室へと瑠璃を呼びに行った。
「……で?母さんはこの後どうしたい?」
「どうって、お祝いでは……っ?」
「それもそうだけど……昔の知り合いなんでしょ?積もる話もあるし、なにより娘の前だとはしゃぎにくいんじゃない?」
「あら、琥珀ちゃんにデリカシーなんてあったのねえ……。」
「クソババアは黙っとけ。」
「はーい。」
「でも、琥珀ちゃんだって瑠璃ちゃんにはお世話になっているんでしょう?こうしてわざわざ自室を飾り付けして迎え入れる位には……、」
「よ〜し、おっけー。あたしも瑠璃さん呼んで来るわ。」
「え?それはもうあさぎちゃんが
「雪ちゃん、あんまり野暮なこと言うもんじゃないわよ?」
「へ……?」
「チッ。……あんがとよクソババア。」
そう吐き捨てるとモーラもドアの外へと出て行った。
「野暮……、どう言うことでしょう……っ?」
「アンタはそのままでいなさい。」
「???」
一方、あさぎの家。
「おか
「ごめん、まだ20000字ちょっとしか感想書けてなくて……。」
ドアを開けると玄関に瑠璃が立っていた。
「部屋に居てくれて良かったし書きすぎだよ……。」
「あさぎの気配がしたのに待ち伏せないとか、あり得る?」
「……ブレないねえ。」
「そうそう、それと……、」
「『それと』?」
「あとで誤記を修正しといた『カラフルラバーズ』のデータをあさぎのパソコンに送っておくよ♪」
「ちょ……ッ!?」
『カラフルラバーズ』はあさぎがあーかい部に加入する以前から持っている個人用アカウントで投稿しているケータイ小説である。
……もちろん、瑠璃には秘密で。
「な、なんでそのタイトルを……!?」
「なんでって、感想様に貰った小説から特定したんだけど……。ま、5000字もあれば容易いよね♪」
「う、うそ……だ……。」
あさぎは力無く壁にもたれた。
「こんちゃー……って、どうしたあさぎ。」
モーラ、入室。
「ああモーラちゃん。あさぎったら、私が個人用アカウントを特定したから投稿済作品の誤記修正データを送るって言ったら消し炭になっちゃって……。」
「ハハ、瑠璃さんらしいや……。」
「私にかかればこのくらい朝飯前だよ♪」
瑠璃は消し炭になったあさぎの頭をポンポンと軽く叩いた。
「それはそうと、モーラちゃんが来たってことは……、」
「うちに来てくれたら面白いもん見れますよ?」
「そう?じゃあお邪魔しちゃおうかな♪」
モーラは浮き足だって靴を履く瑠璃の後ろに回り込むと、瑠璃の背中を外へと押し出した。
「そんじゃ、楽しんできてください。」
「2人は来ないの?」
「ちょっとしたサプライズってヤツです。……あさぎが消し炭になってまで隠し通したんですから、汲んでやってください。」
「…………、了解♪」
そう言うと瑠璃は2人を残してモーラの部屋へと向かった。
「さ〜てと?」
ドアを閉めると、モーラは玄関に座り込んで消し炭になっているあさぎに目線を合わせた。
「とりあえず運ぶか……。」
「オワッタ…オシマイダァ…。」
「……はあ。ほんと、よくやったよ。」
モーラがあさぎに肩を貸して短い廊下をリビングへと進んでいくと、壁の向こうから何かドタバタと派手な宴会でもやっているかの様な賑やかな音がした。
「……ひとまず、あたしたちの親孝行は成功ってことで良さそうだね。」
「ハハ…ソリャヨカッタ…。」
リビングまで移動すると、あさぎはKOを取られたボクサーの様に、フラフラと身体をソファーに投げ下ろした。
「……にしても捨て身過ぎるっしょ。」
「こうでもしないと、お母さん……私のことなんでも嗅ぎつけちゃうから……。」
「あ〜……確かに。」
「『確かに』って、なんかあったの?」
「あ"……っ、いや、なんでも
「モーラ姉、なんか隠してる……?」
あさぎの疑いの視線を受け、モーラの身体は土下座の形を成していた。
「ごめんッッ!!手作りケーキのこと、瑠璃さんにバレた……ッ!」
「……やっぱり?」
「え?」
「いや、さ?最近お母さんに抱きしめられるたび、思わせぶりに『なんだか懐かしい香りがする』って言われてたもんだから……。」
あさぎは気恥ずかしそうにモーラから目を逸らした。
「たぶんそれでモーラ姉のとこにカマかけに行ったってとこかな……。」
「なんだ、それでかぁ……。」
モーラは土下座をやめて胡座をかいた。
「……牡丹さんと雪さんのことはバレてないよね?」
「バッチリ!それだけは死守したよ♪」
モーラは満面の笑みとサムズアップで答えた。
「私のケータイ小説のアカウントと引き換えだけどね……。」
「別アカ作れば?」
「それは……なんか、お母さんが悲しみそうだから……。」
「良い子かよ……!?」
「海の向こうに単身家出した誰かさんよかね。」
「う"……、こやつ言いよる!?」
「ごめん、今は垢バレした腹いせに誰かを道連れにしたい気分なもんで。」
「荒んでるなあ。」
「「……。」」
2人が壁に耳をくっつけると、向こうからはまだドッタンバッタンと賑やかな音がし続いていた。
「浸ってるなあ。」
「浸ってるね。」
「……長くなりそうだし、映画でも観ちゃう?」
「良いね……♪」
2人は立ち上がると、あさぎがディスクを漁り、モーラは部屋の電気を消して再びソファーに並んで腰を下ろした。
「何にしたの?」
「『マザー・アント』。」
あさぎが誇らしげに見せびらかしたディスクケースには、中央にデカデカと悍ましいアリの化け物と、周りには人間よりもちょっと大きなアリが逃げ惑う人々を襲う様子が描かれていた。
「クソ映画やないかいっ!?」
2人が『マザー・アント』を観終えた頃、不意に部屋の電気が点いてスイッチの方を振り向くと、瑠璃と教頭先生と、いつの間にかヤングスタイルから元の格好に戻った雪の姿があった。
「お、面白かった……ですか……っ?」
「いつの間に……。」
「なんだか魅入っちゃったわね♪」
「来てたんなら声かけてくれれば最初まで巻き戻したのに。」
あさぎがディスクをしまうと、誰が言うでもなく5人はモーラの部屋へと移動した。
「え?あさぎのケーキまだ食べてなかったん?」
「先に食べてくれてて良かったのに……。」
「お祝いの席はみんなで囲みましょう……っ。」
「ま、そういうこと♪」
「それに、1番頑張った人を蔑ろにするのは違うでしょう?」
「クソババアにまともな倫理観が……!?」
「しばくぞ。」
「まあまあ、揃ったんなら早く食べましょうよ。」
「あさぎちゃんがそう言うなら……。」
「一応ここ貸してんのあたしだからな?」
5人はテーブルを囲んで手を合わせると、ほんのり黒くて懐かしい香りのするカップケーキに手をつけた。
「これがあさぎちゃんの……っ。」
「あの、あんまりマジマジと見ないでください……///」
「ではいただきます……はむっ。」
雪は小さい口で豪快にカップケーキに齧り付いた。
「雪ちゃん?わかっているわね……?」
「……なるほど、これは……。」
「こ、『これは』……!?」
「ケーキの食感を損なわない様に間にねっとりとした黒糖ベースの層が入っていることで、味、食感ともに飽きさせない様に工夫されています……っ。」
「雪ちゃん?ここは品評会じゃないからね……?」
「クリームからもほんのり黒糖の優しい甘み……。洋菓子とは相性の悪い食材をここまで……。」
「あ、あの!?不味かったら素直に不味いって言ってくれて良いですからッ!?///」
「不味いだなんて、決してそんなことはありません。確かに焼き加減にはムラがあるし、ときどきダマにはあたりますし、底の方は若干焦げていたりしますけど……、」
「う"……っ!?」
「おい。」
教頭先生のチョップが雪の脳天に直撃した。
「ひどぉい!?」
「少しは空気を読みなさい。」
「まだ最後まで言ってないもん……っ!」
「はいはい、じゃあ続きどうぞ?」
「……コホン。とにかく、菓子作りの腕はお世辞にも褒められたものではありませんが……、随所に試行錯誤が感じられて、食べた人に喜んで欲しいという思いがこれでもかと込められていて、本当に、本当に…………よく、頑張りましたね♪」
「そ、そう……ですか///」
「私が言うこと全部持ってかれたんだけど……。」
「は……っ!?///す、すみません瑠璃ちゃんのお誕生会なのに……っ。」
「ゆき姉って昔っからそーゆーとこあるよね。」
「右に同じ。」
「ええっ!?」
「あさぎちゃんと琥珀ちゃんは食べないの?」
「ああ、いや……、」
「ええっと……、」
「2人ともここ最近ずぅ〜〜っとこれ作っては食べてたもんね。」
「あ〜、ほんとにバレてたんだ……。」
「じゃあそんな2人にはこ、れ、を……♪」
教頭先生が部屋の隅っこに置いてあった紙袋を持ち出してテーブルの上で弄ると、あさぎが作ったものより一回り小さいカップケーキを取り出して並べた。
「あさぎちゃんの後だと、その……恥ずかしいんだけど……っ///」
「ど〜の口が言ってんのよ、対抗心丸出しだろうが。」
並べられたカップケーキ達は1つとして同じものがなく、どれも色彩から飾り付けまで細やかに気を配られていることが一目でわかる芸術品の様な出来栄えであった。
「ま……まけ、た……。」
都会の一等地の高級デパート並べられても見劣りしないケーキ達のオーラを前に、あさぎは再び消し炭になった。
「あさぎちゃん……っ!?」
「空気読めっつったよな……?」
「いやっ、これは不可抗力というか……っ、瑠璃ちゃんのお祝いだ〜って、気合いが入っちゃったっていうか……、ねっ!?」
「母さんってそーゆーとこあるよね。」
「モーラちゃんに同じ。」
この後、あさぎは雪の手作りカップケーキを口にして三度消し炭になった。
テーブルが片付けられた昼下がり。
「あさぎ、モーラちゃん。今日は本当に、本当に…………ありがとうね。」
「うん、まあ……垢バレした甲斐はあった……かな。」
「えっへっへ♪」
「私は
「ちょっと黙ってなさい。」
「そういえば2人とも、だいぶ2人と親しげだったけど……。」
「ま!一緒に温泉旅行に行った仲だしね♪」
「私言ってないんだけど……。」
「温泉?」
「行ったわねえ、そういえば。」
「3人で?」
「いんや?あたしと、母さんと、教頭先生と…………、
「澄河ちゃんとみどりちゃんとひいちゃんの6人でね♪」
「み〜んな学校休んで平日に温泉決め込んでたんだよ?ずるいよねえ……。」
「へ〜?あさぎ、羨ましかったんだぁ?」
「あ!いや、別にそういうわけじゃ……///」
「みんなでお揃いのTシャツ着てた写真、私は羨ましかったです……っ。」
「なるほどなるほど、」
瑠璃は不意をついてあさぎのポッケからスマホを奪い取った。
「お母さん?」
「じゃあそのお友達とやらに、ささやかな仕返しといこっか……♪」
瑠璃は手慣れた様子であさぎのスマホのカメラアプリを起動した。
「いやいや、お母さん主役なんだから映ろうよ……。」
「何言ってるの、知らないおばさんが映り込んでたら羨ましさ半減でしょ?」
「お母さんまだおばさんっていう程老けてないって。」
「え……。やだ、抱きしめて良い?」
「今はダメ。」
「……琥珀ちゃんっ。」
「なんで良いと思った?」
「ひどぉい!?」
「はいはい、じゃあまずは報復用の写真を撮って、そのあとみんなで映りましょう。」
「報復用って……。まあ良いけどさ。」
あさぎのスマホを構えた瑠璃の前で4人が並ぶと、賑やかな声に混じってシャッターの音が一つ、壁に吸い込まれていった。
「はい♪これでもうあさぎも羨ましくないね♪」
「ありが
「捕縛っ!」
瑠璃があさぎの隙をついて抱き寄せるとそのままみんなの前に回り込んででスマホを自撮りモードにした。
「えぇぇ……。」
「ダメ?」
「いいけど……。」
あさぎのスマホのフォルダが5人の集合写真で埋め尽くされた。
「うへえ……。」
「うん、あさぎは頑張ったよ。」
「…………。」
「雪ちゃん?」
「確か……、」
「ゆき姉?」
雪が突然何かを思い出したかの様に部屋を飛び出して行った。
「あれ?雪さんは……?」
「さあ?突然どっか行っちゃったわ。」
「母さんの荷物はあるから戻ってくると思うけどね。」
「ゆき姉って昔っからそーゆーとこあるわよねえ。」
「右に同じ。」
数分程待つと、雪が息を切らして戻ってきた。
「あ、おかえり雪さ
「私、行くとこができましたので……っ!!」
「行くとこ?」
「一刻を荒そうので、また……っ!!」
雪は自分の荷物を回収すると、風の様に走り去って行った。
「えぇぇ……。」
「変なの。」
「まったくね。……雪ちゃん帰っちゃったし、私もそろそろお暇するわね。」
「ぼた姉、もう帰っちゃうの?」
「連絡先は交換したでしょ?会いたきゃまたいつでも会えば良いわ。……じゃあね♪」
教頭先生は自分の荷物を回収して短い廊下を歩いていくと、静かにドアを閉めて去った。
「帰っちゃった……。」
「は〜〜、疲れた。」
「2人ともお疲れ様、それと……ありがとうね♪」
「いやあ、まあ……、
「それ程でも……、
「「あるかな♪」」
モーラの部屋には、もう少しだけ賑やかな時が流れた。
あーかい部!(偽)(6)
モーラ:はいちゅーもーーく!
あさぎ:ちゅーもーく
みどり:いえっさー!
きはだ:久しぶりだねぇ
ひいろ:もはや懐かしいな
白ちゃん:なんなのよここ
モーラ:フッフッフ……歓迎するよ子猫ちゃん
きはだ:その流れまたやるんだねぇ
白ちゃん:なんなのよ(偽)って
みどり:私を交えてあーかい部っぽいことをする場所です
白ちゃん:へ、へえ……
モーラ:よーし、そんじゃみんな集まったとこで
あさぎ:聞いて驚け
きはだ:見て笑え
みどり:我らお姉様の一の子分!
あさぎ:[画像を送信しました]
ひいろ:現代アートか?
モーラ:うちのおニューの表札だよん♪
白ちゃん:表札なんてつけて大丈夫なの?あんた一応逃げ隠れしてる身でしょう
白ちゃん:まあ読めないけど
モーラ:チッチッチ
みどり:チッチッチッチ
あさぎ:チッチッチ
きはだ:川柳で草ァ!
ひいろ:なんて中身のない句なんだ……
白ちゃん:はいはい、それでどうしたの?
モーラ:コイツを見よぉ!!
みどり:見よっ!
あさぎ:[画像を送信しました]
ひいろ:おばさん達と会ってたのか
みどり:は?
きはだ:お誕生会呼んだんだねぇ
みどり:え?あの??
白ちゃん:今日だったのね
みどり:私何も聞いてないんですけど
白ちゃん:何も知らなくてチッチッチッチとか言ってたの……?
みどり:すみません、脊髄が……
きはだ:よしよし反応しちゃったんだよねぇ?
きはだ:あさぎちゃんのお母さんの誕生日だよぉ
みどり:あ!そうなんですね
みどり:確かに私は面識ありませんでした///
ひいろ:ん?まてよ?
きはだ:あれぇ?じゃあなんで教頭先生と……もう1人はどちら様?
きはだ:モーラ姉……とは別人?
白ちゃん:白久雪、私の母よ
きはだ:母だと……!?
みどり:私のマブダチです!
モーラ:お〜お〜、盛り上がってんねえ
あさぎ:もう少し泳がせる?
白ちゃん:いやさっさと話しなさいよ
あさぎ:私の母が子供のころ2人と知り合いだったみたいでして
ひいろ:世界狭すぎないか?
きはだ:知り合いだらけで草ァ!
きはだ:(蚊帳の外からお送りします)
ひいろ:なるほど、おばさんがあさぎに目をかけている理由はそれか
あさぎ:私が知り合いの娘って知ったのは最近だけどね
白ちゃん:で、それと表札がなんか関係あんの?
モーラ:え!?もしかして私の姉、鈍すぎ……?
白ちゃん:おい
みどり:写真のお部屋がお姉様のお家という
みどり:え?
きはだ:いやいやまさか、とは思うけど
ひいろ:まさか、家に招いたのか……?
白ちゃん:招いちゃったの!?
モーラ:いえーす!もうぜ〜んぶ洗いざらい話してただいま絶賛、白久琥珀でありモーラ・コロルでもあるッ!
白ちゃん:うそぉ!?
きはだ:マジか
ひいろ:うそだろ
みどり:とうとう仲直りできたんですねお姉様……!
モーラ:だからもう、風来坊はおしまい!
モーラ:あーかい部の投稿であたしのことボカさなくても良いよん♪
白ちゃん:つまりやっと私の気苦労が終わったってことね
モーラ:そうそう、あとはすみ姉だけってわけ
白ちゃん:うっせ
モーラ:大人になりなよ〜、
白ちゃん:そういえばあさぎちゃんの姿が見えないけど
モーラ:なんかお隣がざわついてたから見てくるって
みどり:あさぎさんばっかりずるいずるいずるいずるい……!
モーラ:いやみどりちゃんどうした!?
白ちゃん:あさぎちゃんのお隣が空室になったって話してからこうなのよ
きはだ:猫カフェだからかぁ
ひいろ:モーラさんと反対のお隣は空室じゃなかったのか?
きはだ:ざわついてたってことは次の入居者が引っ越してきたのかねぇ?
モーラ:あさぎ帰ってきたから聞いてみる
モーラ:悲報:実家消滅
白ちゃん:は?
ひいろ:唐突だな
あさぎ:白ちゃん先生のとこには連絡行ってませんか?
白ちゃん:え、待ってなに怖いんだけど
白ちゃん:悲報:実家消滅
きはだ:感染ってて草ァ!
みどり:あの、一体何が?
あさぎ:次の入居者は雪さん……みたいです
きはだ:ファッ!?
ひいろ:嘘だろ……!?
みどり:あさぎさん今すぐそこを代わりなさい
あさぎ:流石に無理ですって
モーラ:みどりちゃんのお部屋にも遊びに行きやすくなりました!
モーラ:これからお休みの日はいっぱい遊びましょう
ひいろ:ん?
白ちゃん:まさか
きはだ:誰か成りすましておるな?
モーラ:そんなことありません、いつもの琥珀ちゃんですよ〜?
あさぎ:それ自爆してません?
みどり:そこに雪さんもいるんですか?
モーラ:ここにはあさぎちゃんと琥珀ちゃんしかいませんが?
ひいろ:もう隠さなくても良いんじゃ
白ちゃん:お母さん、流石にイタい……
モーラ:ひどぉい!?
あさぎ:雪さん、この辺にしとかないとモーラ姉が笑い死んじゃいます
白ちゃん:んなもん転がしときなさい
モーラ:というわけで、
モーラ:みんなのお母さんこと、白久雪です
モーラ:引っかかりました?
モーラ:引っかかりました?
きはだ:ええっと、初めまして……?
モーラ:初めまして♪
ひいろ:そういえばきはだは面識なかったな
モーラ:くそださTシャツの方ですよね♪
みどり:うちで撮った写真、覚えててくれたんですね!
モーラ:忘れない様にA3サイズの額縁に飾ってます
白ちゃん:そんなのあったっけ?
モーラ:私の寝室に
きはだ:白ちゃんのお母さんってこんな面白い感じの人だったのぉ?
モーラ:面白いだなんて、そんな
モーラ:キャー///
白ちゃん:活字限定でね
みどり:生でも面白い方ですよ
あさぎ:この中の誰よりも
きはだ:うへぇ
モーラ:きはだちゃんも私の娘になってくれてもいいんですよ?
きはだ:た〜すけてくれぇ〜
ひいろ:なんか、変わったなあ
モーラ:みどりちゃんのお陰ですっ!
みどり:いやあそんな……
みどりこともありますね!
白ちゃん:娘ならもう2人いるでしょうが
みどり:2.5人です
あさぎ:じゃあ3人ってことで……
白ちゃん:ハーフアンドハーフかっ!
ひいろ:ワタシはおばさん一筋なんだ、済まない
きはだ:白ちゃん家の人って家族に飢えてるのぉ……?
白ちゃん:一緒にしないで
白ちゃん:っていうかあさぎちゃんも、なに懐柔されてんのよ
あさぎ:いや、そのまあ、お世話になってますし……
モーラ:[画像を送信しました]
モーラ:見てくださいこのお好み焼き!
モーラ:あさぎちゃんが焼いてくれたんですよ!?
モーラ:教えたことなんでもすぐ覚えちゃって、もうなんでもしてあげたくなっちゃう……!
白ちゃん:1日でどんだけ小麦粉食べるつもりなの
あさぎ:すみません、練習用のが余りまくってたもので
白ちゃん:あっそ
白ちゃん:じゃあせいぜい楽しくやってれば
「……はぁ。」
白ちゃんはトークアプリPINEを終了するとベッドに味を投げ出し、さっき送られた4人の写真のことを思い出した。
「なんで、あそこに私だけいないんだろ……。」
締め切ったカーテンの隙間からさす西陽に顔を射られ、ベッドの上で伸びをする。
「ん……5時半。」
まだまだ眩しい日差しに耐えかねて、反動をつけて身体を起こし立ち上がる。
特に当てもなく、財布だけ持つと壁掛けのカレンダーが視界に入った。
「……、よし♪」
傾いていた壁掛けのカレンダーを直すと、横に置いてあった写真立てが目に入り、手に取った。
1つは、今よりちょっと若い私と……高校の制服に身を包み、黒くて長い筒を持った、私と瓜二つの少女が桜をバックに写っているもの。
もう1つは、どこぞの水族館で買ったクソダサTシャツでお揃いにした……今でも若い私と、私に瓜二つの美女と、高校生どもがひしめきあったもの。
「……まあでも、あの子が元気ならそれでいっか♪」
感傷は程々に、出来合いの朝ごはんでお腹を満たすべくコンビニへと繰り出す。
自炊なんて碌にできない女子力最底辺、大金稼ぎとは程遠いお財布事情だけど、それでもやっぱり自由と平穏には替え難い。
「さて……と、いきますか。」
お財布よし!……他は知らんっ!
「写真立て、多めに買っとかないとな……♪」
養護教諭2年目はまだまだ騒がしくなりそうです♪
これにて『あーかい部!』は一旦、一区切りとなります。
まだまだ後のお話も書いてはいますがキリのいい所ということで、今後はこれまでの過去作品を1タイトルに集約、再編……ちょこちょこ間にオリジナルエピソードを挿入していく所存です。
ご興味があれば過去作品ともどもよろしくお願い致します……ペコリ。




