表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/25

第二話 学校に呼び出されたら、なぜか父兄席に案内された件



 その日の昼。

 俺のスマホが鳴った。

「……学校?」

 表示されているのは、

 ○○小学校。

 嫌な予感しかしない。

「こちら、ルナさんの担任の者ですが……

 少しお話がありまして」

「え、あ、はい……?」

「本日、保護者の方に一度お越しいただけますか?」

 保護者。

 ……俺?

「ち、ちなみにですが……

 ルナさんのお父さま……?」

「違います!!!」

 即答した。

そして、放課後。

 俺は、なぜか小学校の廊下を歩いていた。

「……完全アウェー」

 周囲は、

 スーツ姿のお父さん、

 落ち着いた雰囲気のお母さん。

 その中で、

 私服の独身男(20代)。

 浮いてる。

 めちゃくちゃ浮いてる。

「おにーさーん!!」

 元気な声。

 ルナが、全力で走ってきて——

 俺に抱きついた。

「ちょ、ルナ!?」

「きてくれたー!」

 その瞬間。

 視線。

 視線。

 視線。

 完全に誤解の空気。

 担任の先生が、

 咳払いをした。

「……えー、

 ルナさんは最近、

 授業中に“ある話”をよくしていまして」

「……ある話?」

 嫌な予感が、

 確信に変わる。

「『おにーさんが、

 なんでもしってる』

 『こまったら、

 おにーさんにきく』と……」

 周囲の保護者が、

 チラチラ見る。

「……あはは」

 笑うしかない。

「あと……」

 先生は、真剣な顔になった。

「図工の時間に描いた絵が、

 こちらです」

 差し出された紙。

 そこには——

 俺とルナが手をつないでいる絵。

 背景は、

 ハート。

 なぜかキラキラ。

「……説明、

 できますか?」

「できます!!!」

 俺が答える前に、

 ルナが手を挙げた。

「おにーさんはね!」

 胸を張る。

「ルナをまもるひと!」

「おべんきょうも、

 ごはんも、

 こまったらぜんぶ!」

 ……完全にヒーロー枠。

 先生が、少し困った笑顔で言う。

「ええと……

 とても素敵な存在ですが……」

 距離感の指導が必要ですね。

 でしょうね。

 帰り道。

 ルナは、満足そうに言った。

「せんせい、

 おにーさんほめてた!」

「……褒めてたかな?」

「うん!」

 ニコニコ。

「ルナね、

 うれしかった」

 その言葉で、

 全部どうでもよくなった。

「……それなら、

 まあいいか」

 その夜。

 インターホンが鳴る。

「はーい……?」

 ドアを開けると、

 隣の部屋の女性。

 ルナの母親だった。

「今日は……

 本当にありがとうございました」

「いえ……

 俺、何もしてませんけど……」

 彼女は、少し照れたように言う。

「ルナが、

 あんなに安心してるの、

 久しぶりで……」

 ……あ。

 重い。

 これは、

 軽いラブコメじゃない。

 保護者目線の信頼だ。

 責任、

 地味に重い。

 その後。

 部屋に戻ると、

 頭の中で音。

 《イベント達成》

 《信頼度:近隣大人+10》

「誰の信頼度だよ……」

 さらに。

 《次回イベント予告》

 ・お弁当トラブル

 ・お兄さん争奪戦(※誤解)

 ・ルナ、謎の魔法でクラスを騒がせる

「……平穏とは?」

 ベッドに倒れ込みながら、

 俺は思った。

 でも。

 悪くない。

 少なくとも、

 誰かの安心になれてるなら。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ