表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界サルーン  作者: LA軍@呪具師(250万部)アニメ化決定ッ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/35

第32話「商人の憂鬱」

「銀鉱山やてぇぇぇええ?!」


 ビリビリビリっ。


 ベッキーの声が大きく響く。


「しー! しー! 声がデカいよ!」


 誰かに聞かれたらどーすんだよ!


「アホ! 誰も何も、客もおらんわ!」

「──なんだとぉ! 誰の店が閑古鳥鳴きまくりだー!」

「そこまでは言うとらんちゅうに。お前さんもだんだん、レベッカに似てきよったなー」


 誰が似るか!

 って、そうじゃなくて、


「とにかく黙れ! あまり大っぴらにしたくはないんだよ」

「そらそうやろな──……ウチも大声で言うようなことちゃうな」


 おや?

 ベッキーにしては殊勝だな。


「あほ。ウチをなんや思うとんねん──商人やぞ。山師とちゃうわ」

「だけど、銀だぞ」

「銀やからや。……それに銀がでて温泉があるちゅうたな?」


 え?

 まぁ……。


「ほならおそらく金もでるな」

「え?!」


 そ、そうなん?!……と思わずゴードンを振り返ると、重々しく頷いていた。

 どうやらそういうのは常識らしい。


 そして、なぜかメルシーちゃんが渋い顔をしていた。


(……んん?)


 一瞬、その表情に気を取られかけたが、それよりも重要なことが今はある。


「……その話、本当かよ」

「多分やで──そんで、そういう話になったらウチの出る幕やないわ」


「え?」


 面白くなさそうに言うベッキーに思わず拍子抜けする田中。

 もっと食い気味に来るかと思ったら、どうやら込み入った事情があるようだ。


「なんだよ。もっと喜ぶかと思ったけど、急にどうした?」

「どうしたもこうしたも、そう大した事情でもないぞ。まぁ、簡単に言えば利益がデカすぎて個人では扱いきらんでな──おそらく国か領主が動く」


 うげ!


 ゴードンの面白くもなさそうな顔に、思わずカエルを潰したような声が出ちゃう田中。


「……ま、まじかよ」

「マジもマジ、大マジや。せやからウマ味はないねん──黙っとくほうがええやろな」

「だ、だな」


 ホント、それは困る。

 下手すりゃ追い出されるし、隠したら隠したらで面倒くさそう。


「ってことは、知らないふりするほうがいいか?」

「おそらくのー。試掘しとった奴もそう考えとったんじゃろ。幸いサハギンがいたおかげでよい隠れ蓑になっとる」


 あぁ、確かに。


 ゴードン曰く数十年は放置されていたわけだからな。今更、領主も国も気づくはずもないか。


「じゃあ温泉も細々としたほうがいいかな」

「じゃな~。……まぁ、温泉だけなら国も動かんじゃろ──それよりも、ここにいる者が口を滑らさんほうが心配じゃ」


 とくに関西弁な。


「ドアホ! 商人は口堅いでぇ。むしろお前やろ」

「う。確かに……」


 さっき失敗したのも田中だったしな。

 そして、さっきから黙ってるメルシーちゃん。……メルシーちゃん?


「あ、わ、私そろそろ帰るね」

「え? おい──」


 そういうなり、わき目もふらず帰っていくメルシー。

 ……大丈夫か、あれ。


「ふむ」

「ふむー」


 ん?


 なにやらわかっている様子のゴードンとベッキー。


 そして、

「あれは知っとったな」

「せやな。知ってて黙っとった顔やで」


 え?

 (きん)がでることを?


 マジ…………??





 なにやら面倒ごとの予感がするのであった──。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ