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サンタと回し蹴りとエトセトラ

あらすじ 強くなるために道場を訪れた【直岡 修里】。そこでは酔拳と呼ばれる技法を使った道場だった。直岡はそこから技を習得していく…


師走。冬本番と言ったような寒さ。夏と比べると驚く程に寒い。僕は今道場にいる。放課後にいつも通っている。道場の床はまるでスケートリンクのように凍てついているように感じられる。


4時間後

直岡「疲れた〜…」

酒井田「お疲れさん。水分補給もしとけよ?冬だからといって怠るとえらい目にあう。」

直岡「薬湯飲んでるんで水分補給は間に合ってます。」

酒井田「それもそうだな。うし、それじゃあ直岡。僕と手合わせと行こうではないか。」

直岡「わかりました。」

酒井田師匠との手合わせは週末に行われる。大抵フルボッコにされるのだが、今回は違う。この1週間練りにねった新しい技がある。

酒井田「そんじゃ、いくぞ!」グビ

師匠は酒を一杯飲むとまるで踊っているかなようなステップで間合いを詰めてきた。

直岡「こちらもいかせていただきますよ!」グビ

薬湯を一杯飲み、体の無駄な力が抜けてゆく。

シュシュシュシュ。師匠に目掛けてラッシュパンチを繰り出す。しかし当たらない。

酒井田「おらよっと!」グイン!スパン!

腕を捕まれ投げられた後に裏拳を喰らった。鼻から血がポタポタと垂れるが、まだいける。狙いを定めて。ここだ!

直岡「よっと!」僕は姿勢を低くし、回し蹴りを決めた。師匠は転倒した。が、しかしそのまま立ち上がらずに転倒状態から起き上がる際のキックが僕の顔にクリーンヒット。そのままダウンしてしまった。

直岡「手、手合わせ…ありがとうございました…」

酒井田「おう!成長がひしひしと感じられる動きだったぞ。」

手合わせを終え、帰路に着いた。


翌日

鋼「よう。って鼻どうしたんだ。絆創膏なんか付けて。」

直岡「あはは…いやね。昨日道場で手合わせした時に師匠に1発貰っちゃって。」

鋼「なるほどな。まあ、相当頑張ってるってことだな。」

直岡「まあそんな感じ。」


4時間目終わり

鋼「ふぅ。終わった〜。飯だ飯!」

直岡「たまには屋上行ってみる?」

鋼「お!アリだな。」

ピーンポーンパーンポーン

???「1-B組の鋼 鉄織くん。直岡 修里くん。至急、体育館までに来てください。」

ピンポンパンポン

一気に教室中がガヤガヤしはじめた。そしてみんなこちらを見てくる。そりゃそうか。

鋼「俺たちなんかやったか?」ボソボソ

直岡「いや、見に覚えがあることが多すぎてどれかわからん。」ボソボソ

鋼「一旦行ってみるか。」ボソボソ

直岡「了解。」ボソボソ

体育館に向かう途中、後ろをチラリと見ると明らかに野次馬というかギャラリーみたいな人達が後ろを着いてきていた。

体育館に着くと1人の男が真ん中で待っていた。

???「やぁやぁ。待っていたよ。鋼くん。そして直岡くん。」

全身を赤っぽいスーツで身にまとい、緑のネクタイ、そして白髪の短髪。おそらく男だろう。

鋼「俺たちを呼び出しておいて何の用だ。」

???「君たちにひとつ特大の”プレゼント”を渡そうと思ってね。」

直岡「プレゼント?」

???「ああそうさ。こいつを渡そうと思ってね。」目の前にプレゼントボックスがスライディングしてきた。箱の中を確認すると残り3秒の時限爆弾が入って…え?爆弾?まずい!

???「アディオス…」

僕は咄嗟にプレゼントボックスを蹴り飛ばし何とか爆発を喰らわずにすんだ。その代わりに体育館の床の一部が削れ、丸焦げになったが。

鋼「すまねえ。助かった。」

この爆発音を聞きつけてか体育館に人がなだれ込んできた。

???「おお!ギャラリーがこんなにも来るとは!やはり、呼び出した甲斐があった!」

ギャラリーからは黄色い歓声が上がった。

???「そういえば自己紹介がまだだったね。私は2-A組所属。【三田 十 さんた くろす】という。」

鋼「三田さんよぉ。俺たちを呼び出したホントの目的はなんだ。」

三田「ズバリ言うならば手合わせですな。」

直岡「手合わせ?」

三田「はい。貴方達、コンビの強さは私よ耳にもよく入ってくるので是非とも手合わせを願いたいと思いまして。」

鋼「なるほどな。例え先輩だろうと容赦しないけどいいか。」

三田「もちろんです。では始めましょう。」フン!

目の前に色とりどりのオーナメントが投げられたと思っているのも束の間、爆発し煙を残していった。

鋼「ゴホゴホ!初っ端から煙幕かよ!」

直岡「気をつけて!奇襲が来るかも!」

鋼「ああ、わかった!」

三田「後ろですよ」

しまっ…!後ろを振り向くとクリスマスツリーが目の前に来ていた。それは顔に直撃し吹っ飛ばされてしまった。

鋼「直岡!」

三田「直岡くんの心配をしている場合じゃありませんよ。」

ポポポポポンと音が聞こえ同じように鋼くんも吹っ飛ばされてしまった。

鋼「ちっ!痛てぇな。何に喰らったのかもよく分からなかったし。」

三田「トドメです。」

そう聞こえ、煙幕が晴れると目の前にはドデカいケーキが僕たちの前にきていた。

三田「ショーエンドです!」

四方八方から黄色の歓声が聞こえる。こんなところで終わって溜まるか!モガモガと生クリームの中からはい出てきた。

三田「あらあらまだ生きてらしたのね。ですが、既にチェックメイトにかかってらして?」

三田の周りを見るとチキンの骨数十本がこちらを向いていた。

何がここから勝てる見込みのあるものは…見つけた!

三田「さようなら。案外呆気なかったですね。」

手を振り下ろした瞬間。骨がこちらへいっせいにまるで投げナイフのように降ってきた。

しかしこちらにも策がある。”こいつ”にかけるしかない!グビ!

三田「それでは。」スタスタ

直岡「ちょいと待ちな!」

三田「な…!なぜ生きているんです…!」

直岡「目の前にこいつがあったんでな。」

三田「それは、シャンパン…!」

直岡「さっき鋼くんが喰らった謎の攻撃。それはこのシャンパンのコルク栓を使った攻撃だったんだな。おかげで開ける手間が無くなったぜ。」

三田「貴方とシャンパンになんの関係性があると言うんですか!」

直岡「僕はねぇ。酔拳を今習得中でな。シャンパンを一口グビっと飲んで、あとは骨をスウェイで躱させて貰ったよ。」

三田「そんな!馬鹿な!」

鋼「すまねぇ!ケーキから出るのに随分時間食っちまった。」

直岡「いや、ちょうどいいタイミングだ!」

鋼「いくぞ!」

三田「くっ、来るな!」

そんな無情な声は聞こえず、僕は回し蹴りをきめ、体制を崩させた隙に、鋼くんが弾丸を蜂の巣のように浴びせた。

三田「グハッ!」

鋼「直岡!トドメだ!」ヒュン

鋼くんから渡されたのはさっきのチキンの骨だった。

直岡「うおおおおぉ!」シュ!シュ!

僕は三田のスーツにクロスの切れ込みを入れた。そして三田ははだけてしまった。

そこにはブラをつけた三田が…え?ブ、ブラ?

三田「その、恥ずかしいからあまり見ないで欲しいのだが…。」モジモジ

一気に酔いが覚めた。男じゃないのか?

直岡「あの、三田…さんって男じゃないんですか…? 」

三田「何を言っているんです。私は女ですよ。」

この発言と同時にギャラリーの女性陣は黙り、男性陣が歓声をあげた。

直岡「す、す、すみません!」

三田「いや、いいのですが、その、男の人に裸を見られるのが、その、初めてで。」

後ろを振り返ると鋼くんは恥ずかしさのあまりにオーバーヒートしていた。

顔が赤面どころではなくなり、僕はオーバーヒートした鋼くんを担いで体育館を素早く後にした。


放課後

桜「ねぇ〜?修里?」

直岡「どしたの?」

桜「この女の人。だぁーれ〜?」

桜が突きつけてきたのは学校の新聞部が発行している記事で今日の三田とのバトル後の写真が貼られており、タイトルは‹1年のN君。2年のSさんと淫らな関係か?›というもの。

直岡「いやいやいやいや、偏向報道だって! 鋼くんもなんとか言ってよ!」

鋼「いや、すまん。記憶が曖昧でな。」

桜「後でみっちり聞くから覚悟しといてよね。」

こんなことにはもう巻き込まれたくないな…



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