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薬湯と酔拳

あらすじ 【直岡 修里 なおおか しゅうり】の幼なじみ兼初恋相手の【山野 桜 やまの さくら】と再び出会う。そしてまた波乱万丈な学校生活が始まるのである…


うぅ…寒い…。外では木枯らしが吹き荒れ、秋だと思っていたらすっかり冬になってしまった。エアコンがついていても教室内には小刻みに震えるクラスメイトが大勢いた。明日からカイロ持ってこよっと…

放課後になり僕は鋼くんの家にプリントを届けに行った。どうやら風邪で寝込んでいるらしい。


桜「この子修里の友達だよね?ロボットの」

直岡「ロボットって…一応生身のところがあるから違うと思うよ…」

桜「じゃあなんて言うの?」

直岡「サイボーグとか。」

桜「なるほどね〜!」

桜と他愛のない会話をしているとふとある施設が目に止まった。

直岡「あんなところに道場あったんだ。」

桜「ああ、あそこね!あそこ、私の従兄弟がやってるところなんだよ!」

直岡「へぇ〜…今からちょっと行ってみてもいい?」

桜「え?うん、いいけど…」

僕には今悩んでいることがある。それは戦闘になった際に鋼くんの足を引っ張っているのではないかということ。僕と同じ能力を持っていない人ならタイマンで勝てるが、能力持ちになると話が違ってくる。そういう異次元的な強さの奴らと戦うためにもこういう道場でスキルを磨きたい。と思い、僕は桜の腕を引っ張って道場に向かった。

直岡「しっ、失礼します…!」ガラガラガラ

僕はゆっくりと道場の引き戸を開けた。

桜「喧兄ちゃん!久しぶり!」

???「おっ!桜!久しぶりだなぁ!向こうのツレはもしかしてカレシかぁ〜?」

桜「ちっ、違うよぉ〜!」

直岡「あの、この道場に入門したいんですけど…」

???「おっ!入門者だったか!これは失敬失敬。ゔぅん。改めまして、初めまして。僕はこの道場を経営…でいいのかな?まあそんな感じのことをしている【酒井田 喧 さかいだ けん】だ。よろしく!」

直岡「あれ従兄弟って聞いてるんですけど、苗字が違うんですね。」

酒井田「ああ、僕は山野家直族の人間ではなくて、ちょっと離れた血筋なんだ。いわゆる分家みたいなもんさ。」

直岡「なるほど。あ、そういえばここはどんなことを学べる道場なんですか?」

酒井田「あれ?ここどういうところか知らずに来たの?」

直岡「まあ、はい…道場で力を鍛えたくて、目に入ったのですぐに来た状態と言いますか…」

酒井田「なるほどねぇ。じゃあそんな君の為にも説明しよう!」

酒井田「ここは酔拳を習得できる道場だ。」

直岡「酔拳?」

酒井田「カンフー映画とかであるだろう?お酒を飲んで酔っ払った状態で戦うやつ。ここはその戦い方をできる。」

直岡「でも、僕未成年ですよ。」

酒井田「ふっふっふっ。そう来ると思っていてね。うちはね基本酒を使ったやつなんだけど、未成年や下戸の人でも学べるようにこんなものを用意してあるんだ。」ガサゴソ

直岡「それは…ひょうたんですか?」

酒井田「そう!そしてその中には薬湯が入っているんだ。こいつは薬草などを調合すると作れる。これを飲めば体に脱力感が生まれるっていう優れもんさ。」

直岡「脱力しちゃダメじゃないですか?!」

酒井田「いいや、酔拳には脱力感が必要なんだ。脱力して、無駄な力を抜いて相手にラッシュパンチを浴びせるんだ。」

直岡「なるほど…!」

酒井田「じゃあ早速実戦だ。あそこにあるサンドバッグにパンチを浴びせてこい!」

直岡「は、はい!」グヒグビ

薬湯を飲んだ瞬間からふわふわとした感じになり、全身の骨が抜けたような気がした。これが脱力感…!

サンドバッグの元まで歩き、ラッシュパンチを繰り出してみる。ダダダダダダダダダバコン!

強烈な打撃音が道場に響き渡る。さっきの衝撃でサンドバッグのチェーンが1本取れてしまった。

酒井田「まじかぁ…。それこないだ買ったばっかなんだけどなぁ…。」

直岡「す、す、す、すみません!!」

酒井田「いや、大丈夫だ。いやはやまさかそんな力があったなんてねぇ。度肝を抜いたよ。」

桜「修里にそんなパワーがあったなんて初めて知ったよ!」

酒井田「僕からお願いしたい。是非ともこの道場に入って欲しい。」

直岡「まあ、僕もその気できてますからね。これからよろしくお願い致しますね。」

酒井田「ああ、よろしく。」

直岡「ちなみに入会金のほうって…」

酒井田「君は無償でいいよ。その才能に免じてね!」

直岡「ありがとうございます!」


こうして僕は酒井田師匠のもとで酔拳を学ぶことになった…

色々と遅くなってしまい申し訳ございません!

主の精神的不調があり、更新にだいぶ遅れてしまいました。

今後も不定期になるとは思いますがよろしくお願いします。

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