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君に、炎を捧ぐⅡ〜偽りの剣と、真実の愛〜  作者: みらい


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七十九話、君たちを守るために

*バリストン視点


「ああ、やっぱりね。ここにいたか、ラザリ君」


 謁見の間。

 兵士たちと、後ろにはアルヴァイン。

 ラザリは、獣のようなモノを従えて、王と睨み合っていた。

 一度だけ、こちらを振り返る。

 が、特に反応は見せず、再び王に視線を戻す。

 どうやらお取り込み中だったらしい。


「帝王。その場を去るだけでいいのです」

「フォルシュトナー……何を言っても無駄か。白い竜……あの者はどうした。これらは、何のためだ?」

「イグニスのような竜さえいれば、兵士など必要ありませんよ。何もしなくとも、圧がかけられる

争いのない世界……理想でしょう?」

「……」


 平和……、ね。

 たくさん生物兵器を作っていてよくいえる。

 帝王も絶句して無言で話を聞いていた。


「イグニスもそうです。あれほど辺境の、小さな国でありながら、誰も侵略しようとしない。

竜が一柱いるだけで、すべてが変わる。素晴らしいではありませんか」


 御託を並べているその間に、背中から降りて五人の子らを宥める。

 抜け殻と相対した時と同じ。彼らも、ラザリにはいい感情を持っていないらしい。

 黒蝶を一匹ずつ飛ばしていく。

 共闘できる。

 ――しかし、あいつが一人で出てきたのが逆に不穏だ。


 竜にあそこまで執着するやつが、竜にならない道を選ぶとも思えない。

 “何か”は用意してる。

 三人には王と兵士の避難を任せよう。


「いいか? おまえたちも危ないからな。危ないと思ったらちゃんも逃げなさい」


 背丈が同じだから、こそこそ話もやりやすい。

 ちょっと口を尖らせる子もいたが……ちゃんと頷いてくれた。


「よしよし」


 頭を撫でてやる。

 ラザリの言っていた、白い竜。

 姉さんのことか?

 胸の奥に小さな鉛を落としたような感覚だけが残る。

 それを打ち消すように、口元だけが笑った


 ……まあ、いいさ。

 どうせ、止められるのは俺しかいない。だったら、やるだけだ。


 あの子達の未来のために。


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