21話 競技場3
トシは、最終日の競技場を出ることにした。
「ごちゃごちゃ言ってられねえ。幹部が出ようが、その時はその時だ。だって行かなかったら成長できないし」
さつき達はトシを説得することをあきらめ、ホテルにその日は泊まった。
次の日、トシは早めに競技場へ向かった。ガーベラがみんなに聞いた。
「なんでトシは早めに行ったの?まだ始まらないよね。トシともっと喋りたかったのに」
カタクリが答える
「緊張してるんだろ。あいつ昨日かっこつけたけど負けたら恥ずかしいからな」
オダマキも
「今回はトシと同じレベルのやつと戦うんだ。負けられねえだろ」
トシは競技場で筋トレをして、始まるのを待った。すると後ろから声がした。
「お前が早く来る奴だとは。てっきり遅刻するタイプだと思ってたわ」
振り返ってみると、何もいないように見えた。どこだと探していると
「おいここだ!わざとやってるだろ」
声の正体はワビスケだった。トシは気づいて
「お前も遅れてくる奴だと。そもそも小さくて誰も気づかれないか」
ワビスケと小喧嘩しているうちに、今回戦うみんなが集まってきた。
「そろそろ本番か~絶対勝つ」
「いやこのワビスケが勝つ」
「お前らみたいな柔らかい奴が勝てるか」
「ちょっと本気出しちゃお」
トシ、ワビスケ、杉尾、イトスギが試合に意気込んだ。
トシたちが競技場に入ると声援が上がった。トシたち、そして観客は早く始まってほしいと思っていた。審判が
「よーい始め」
言った瞬間イトスギは魔法、ワビスケは高く飛んで落下し、杉尾は拳、トシは刀で攻撃した。
観客達は試合が始まり、盛大に盛り上がっているのが分かった。その理由は観客達が裏で賭博をしていたからだ。
「今回だれが勝つと思う?」
「そりゃイトスギだろ。魔法が使えるし」
と競技場関係者にばれないようにこそこそと話していた。だがオダマキの耳に入っていた。
「今回はトシが勝つでしょ。昨日の試合見なかったのかよ」
と言い、トシのチケットを握りしめていた。
トシは自分自身と相性が悪いイトスギを早めに狙った。だがトシとのイトスギの間に、杉尾が割り込んできた。トシは
「そこをどけ。後々めんどくさくなると思うからな」
トシは刀を振るった。しかし刀が杉尾に当たった瞬間、トシの刀は折れてしまった。杉尾が嘲笑うように
「力いっぱいにやっちゃいけないよ。魔力で防がれちゃうよ」
トシと杉尾が話している間に、イトスギが
「集団に電気を出す魔法」
と言いながら電気が全身に通った。杉尾やワビスケも感電した。トシは
「刀もおれたし…この魔法、魔力で防げなかった。カタクリとはなんか違うな」
イトスギは答える
「あたりまえでしょ?一般攻撃魔法なんだもん」
一般攻撃魔法は大きく分かれて4種類ある。自然に近い攻撃。基本的に魔力による防御は貫通する。耐性がないと…
カタクリはごくまれで、一般攻撃魔法は使えない。彼は一から作ったのである。
イトスギ以外は全員立ち上がった。ワビスケは魔力を隠してイトスギの頭の上に行った。
「さっきの仕返しだ」
ワビスケは魔力を使って体重を増やした。ワビスケの能力は「自重」で使う魔力量によって、体重が変化する。ついでに、杉尾は「硬い物」である魔力を込めると、体が硬くなるのだ。
トシはここにいる全員に勝つ方法を考えた。この爆発刀、一本で。
しかしトシが考えている時、競技場の上から女性とおじいさんが降りてきた。トシたちの魔力を合わせても、届かない魔力量である。その女性が口を開ける。
「今から一次試験を始めます」
トシと戦っていたものは「は?」と感じた。一方で「バストリー」に住んでいる国民の観客は、歓喜している。さつき達はあわあわしている。そう「バストリー」の女王「ジェンヌ」だった。
トシはいきなり始まった一次試験に、文句を言った。
「なんも聞いてないぞ!一次試験なら昨日の奴じゃないのか?」
ジェンヌは文句にこたえる。
「だって言ってないもん。でも一次試験は簡単。私に傷をつけるだけ。どう簡単でしょ」
トシ達は罠があるのかと思いつつも、参加することにした。
まず真っ先に攻撃したのは、ワビスケだった。魔力を捜査して体重を減らした。自分の体重が軽くなったことで、ワビスケは速く動きジェンヌに攻撃を仕掛けた。しかし、ジェンヌはワビスケに
「魔力操作がへくそね…速く動けるのはいいんだけど…体の硬さはね…」
と言い、剣を異空間から出しそれをぶつけた。ワビスケは戦闘不能になった。そして続けていった。
「私の能力はね、触れたものをコピーできる『コピーアンドペースト』ともう一個あるけど秘密。執事もいろいろ実験して、私より弱い出力だけど同じ能力使えるわ」
トシはちょっと文句気味に
「能力二つあるなんてずるいじゃん」
ジェンヌはトシを無視し、次は杉尾に目をかけた。
杉尾はジェンヌの剣を何とか受け止めた。




