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第8話 友達だろ?

 最近忙しくて久々の投稿です……。待っていた方、もしいたら申し訳ナスです。

 ……そうか、中ノ崎は身体は動かせなくても意識はあり、僕との会話を聞いていたのか……。そして、誘導してたのが地味にバレてるな。



「それは……」



「『中ノ崎が素敵な人だと思ったから』みたいな綺麗事は要らないわ。私に話しかける物好きなんて、よほどいないからね」



 綺麗事は通用しない──と。



 まあ、最初から綺麗事なんて言うつもりはない。僕は正直に中ノ崎に話しかけようとした経緯を話すつもりだ。



「僕がお前に話しかけた理由、それは単にたまたま隣の席だったからだ。正直なところ最初の動機はそれだ」



「ふうん。私なんて頭のおかしそうな人なんかより、もっと話しやすい人、面白い人、優しい人とか、クラスに沢山いるでしょ?雪宮君を見ている感じ、雪宮君が友達作るのとか苦手そうなのは分かるけど」



 そんなところ分からなくていいから!僕って、そんな感じに見えるんだ……。少しショックかもしれない。



「いくら隣の席とはいえ、私にそこまでこだわる必要なんてあるかしら?」



 中ノ崎は強い口調で言ってくる。



「そうだな。昼間のお前は正直言って、話しかけずらい。なんで友達作るの下手くそな僕がお前みたいな攻略レベルの高そうな奴をたまたま隣の席だったからって選んだのか僕でも分からん」



 自分でもよく分からない。中ノ崎にここまでこだわる理由ってのは。


 中ノ崎の容姿がいいから?中ノ崎の容姿は正直、かなり良い、美人と言えよう。まあ、中二病ファッションが先に目に行くが……。



「でも、僕だって馬鹿じゃないから、お前と仲良くなれなかったら、他の奴をあたるつもりだった」


 

 中ノ崎の顔は、先程の苛立ちに加え『全て分かってた』って顔をしている。



「そうよね、雪宮君は、私みたいな変な奴にただ変に仲良くなっちゃって、切り捨て方も分かんなくて、たまたま、『想霊』で困ってるから、助ける方法を自分が知ってるから助けてくれてるってだけよね。それを私は友達だって言ってるだけ……」



「中ノ崎──」


 僕は──そんなふうに思ってはない。僕はお前を──せっかく仲良くなった、いや、僕も、もしかしたら仲良くなったって勘違いしてるだけかもしれないが、そんな奴を切り捨てるなんて考えてない。



「私って……気持ち悪いよね。学校の時も──今も。学校の時は──中二病になってる時はさ、正直、私、なんで、こうなってるかなんてさ、分かんないけどさ、だとしても、気持ち悪いよね……」


「中ノ崎……」



 中ノ崎は──目が潤んで涙が溢れそうだった。中ノ崎は今、自分に対して涙しているのだろうか。



「それで今もさ、雪宮君に話しててさ、勝手になんか、泣いてるしさ、さっきからの、会話だって、私、昼間の私は、ダメみたいに言ってるけどさ……もっとダメなの、今の私。本当の、私だよね」



「………」



 僕は黙った。中ノ崎が吐き出してるのををここで遮っちゃいけない気がする。



「雪宮君と──というか、昔から人と話してて、つい変なこととか、相手が嫌がるようなこと、言っちゃってさ。そりゃ人なんて寄って来ないし、友達なんてできないよね。私って、性格悪いし、趣味だって悪いし、見た目だって気持ち悪いし、オタクだし、メンヘラだし、他人とうまくやれないし──」



 もうなんか、論点っていうか、なんていうか、色々、中ノ崎の話してることは滅茶苦茶だった。


 ただ、関連のない、自分の悪い所をひたすら挙げているだけだ。もういいかな。



「中ノ崎」



「雪宮君、私ともう仲良くしなくても──



「中ノ崎。もういい。一回、黙ってくれないか?」



 僕は中ノ崎を落ち着けるため、なるべく感情が乗らないよう、あえて冷たく中ノ崎に言葉をかける。



 中ノ崎は泣きながらこちらを見る。今の僕の言葉に少し、怖気付いてるようにも見える。まったく、さっきまでの威勢はどこにいったのやら。



「あのな、中ノ崎、そんな自分を貶したって、きっといいことなんてないぞ。分かるよ?たまに自分って全然ダメだなって思うのはさ」



 中ノ崎は黙って僕の話を聞いている。



「僕にはなんでお前がそんなに自分を悪く思うのか分かんないよ」



「……え?」



「お前にはいいとこ、沢山あるだろ。例えばさ、さっきお前、自分が変なこと言うって言ってただろ?まあ、確かにお前は変なこと言ってるけど、でも僕はそれが話してて面白いと思うよ。まずそれが一つ」



 僕は今まで──まあ、僕は人付き合いが多い方ではないにしろ、中ノ崎のような、強烈な一言を人に浴びせられる人物に会ったことはない。



「んで、二つ目。お前、頭いいじゃねえか。中学の頃はテスト、学年トップレベルだったんだろ?あとさっきの会話、なんか、戦闘機の速さとか知っててさ、博識だなって思ったよ」



「それは──



「『それは両親のお陰──』か?」



「!?」


 中ノ崎は僕に言うことを当てられて困惑しているようだ。まあ、正直、こいつならそう言うと思ってた。こいつは自分を下に見ている。だけど、



「お前のご両親が凄いのは分かってる。それで、そのご両親の力もあって、お前が凄い奴になったのはあると思う」



「でも、結局、一番努力してるのはお前じゃないか?いくらご両親が努力したって、お前が全く勉強しなきゃ、テストの点がよくなるわけじゃないだろ?つまりだな、お前が頭良いのとか、結局、一番頑張ってるの、お前なんだよ」



 そうだ。例えば、テストなんか、解く本人がちゃんと勉強して、身につけなきゃ、周りがいくら頑張っても意味はない。



「………」



 中ノ崎は僕の話を黙って聞いている。こいつがこんな黙ったの、初めて見たかも。



「まあ、三つ目は性格だな。僕はお前の性格はハッキリしてて良いと思うぞ。お前はハッキリものを言うから──まあ、それが時には裏目に出ることってのは当然あるが、別に変だって思うことはないぞ」


 僕は中ノ崎のそんな性格が羨ましく思う。僕は人に何か言う時、他人のことを気にしてなのか、なんとなく曖昧な回答ばかりしてしまう。



「僕が今言えるのはこんなところかな。僕、まだお前と出会って数日だし、本来のお前とは、数時間前に出会ったばっかだしな、お前のことはまだ正直よく分からん」



「でも、僕が今言ったことは別にお世辞でも、綺麗事でもない。僕がお前と過ごして素直に感じたことだ」



「それでな、お前に話しかけて、仲良くしようとした理由ってのはさっき言った通り、隣の席だったからだ」

 

 それは紛れもない、事実。



「でも、今はお前って奴が、単純に面白くて良い奴だなって思うから、僕はお前と一緒にいたい」



「……雪宮君は良いの?」



 中ノ崎は久々に口を開く。その声は先程までの中ノ崎とは違い、弱々しかった。



「どういうことだ?」



「私なんかといたら、きっとクラスでは変な目で見られるし、私ってほら、メンヘラだし、性格とか、口も悪いし……」


 まあ、多分メンヘラなのは認めざるを得ないが……。



「中ノ崎。実は、僕という奴には妹が二人いてな。下の妹はゲームばっかやってて、口が悪いメンヘラでな。上の妹は僕のことが好きすぎるサイコパスとブラコンが合わさった、なんともクレイジーな野郎でな」



「う、うん」



「二人ともやばい奴でなぁ。それで僕の親戚とか、僕の周りってのはわりかしやばい奴が多くてな」



「……正直、雪宮君が何を言おうとしてるのか分からないわ」



 中ノ崎の声は相変わらず弱々しく、そして僕という人間に疑問を抱いてるようだ。


 うーん、言おうとしていることは結構単純だったりするんだけどなあ。



「えっと、つまりだな、僕はやばい奴に慣れてるんだよ。んで、僕はお前ぐらい刺激のある奴だと逆に嬉しいんだよ。メンヘラで、毒舌で、中二病でも」



 中ノ崎を励ます文言とはいえ、僕も刺激不足のやべえ奴みたいだな。



「だから、僕はお前と仲良くできて嬉しいってことだ。その、『想霊』から助けるってのもさ、別に僕は迷惑じゃないし、枯井だって、多分仕事だから別に迷惑って思わないだろうし、助けるのは当然じゃないか。だって僕とお前は──」




「友達だろ?いや、『盟友』かな?まあ、そんな感じだろ?だから助けるのは当然だ。お前が助けて欲しいって言うなら、僕は可能な限り、お前に力を貸すよ」




 僕が中ノ崎に言った言葉は以前、僕が辛かった期間に、僕の親友3人に助けられて、言われた言葉だ。


 以来、僕はいつか、自分もこの言葉を使おうと思ってたが、まさか本当に使うとはな。



 これこそ、綺麗事かもしれない。でも、実際過去の僕はこの言葉に本当に救われた。



「こんなんじゃ、理由には不十分か?」



 僕は中ノ崎に訊く。中ノ崎は少し笑いながら、



「フフッ……雪宮君って、やっぱり変な人」



 中ノ崎は涙をまだ浮かべてるものの、先程までの中ノ崎にだいたい戻った。



「そうか?」



「理由には十分すぎるけど、ちょっと『盟友』は恥ずかしいわね」



「僕もそうさ。言っててすげえ恥ずかった」



「ハハハ──

「あはは──



 そのあと、何故か二人で爆笑してた。こんな時間に──滅茶苦茶に近所迷惑なほどに。


♢♢♢♢♢


「うーん、不思議なのよねぇ」



 中ノ崎との会話をひと段落終え、僕らはまた夜の道を歩き始めた。そしたら急にこんなこと言い出した。



「何がだ?」



「なんで雪宮君には全部話しちゃうのかなあって」



「なんでって、そりゃあ……なんでだろうな」



 確かに、出会って少ししか経っていない僕にそこまで話すのは不思議かもしれないな。



「ま、僕みたいな奴にも話しちまう程、お前が限界だったんじゃないのか?だって、誰とも話してないんだろ?」



 こいつは誰とも話せていない。誰にも本当と自分の悩みとかを打ち明けられないのは辛いだろう。


 かといって、家族も無理──友達は?こいつには僕以外の友達はいないのだろうか。



「んん、そうかも。私って、限界だったのかしら」



「ま、そうなんじゃないか?」



「ふふ、でも雪宮君に話して、なんだか楽になったわ。ありがとう」



 なんだか中ノ崎は嬉しそうだ。心なしか、声が弾んでる気がする。



「それならよかった」



 だが、ここで僕はまだ一つ、僕の中に謎が残っていることに気づく。



「なあ、中ノ崎。一つ訊きたいんだが、いいか?」


「もちろん。なんでもござれよ。私の黒歴史とかかしら?」

 


 どういう転換をしたら黒歴史の話になるんだ。



「いや、そんなことを訊きたいわけじゃないんだがな、お前さ、僕のことを手紙で呼び出したじゃないか」



「そうね。私は『上位存在』として、『魔王』の私を仲介して雪宮君に手紙を渡した。それで合ってるわ」



「んじゃあ、なんでお前は僕を呼び出したんだ?肝心のそこをまだ聞いていなかったなあって」



 同級生の女子に呼び出された理由なんて全男子が気になることじゃないか?


 少なくとも、僕は気になってた。まあ、実際の用件はそんなロマンチックな話じゃないけど。



「私が雪宮君を呼び出した理由はね、まあ、いろんな思惑があるのだけれど、第一に雪宮君が私に話しかけてくれて、私と仲良くしようとしてくれたことね」



「ん?どういうことだ?」



「あの状態の私に話しかける人なんて相当肝が据わってるだろうなって思うし、雪宮君なら、なんとなく受け入れてくれるっていうか、なんというか──」



「うーん、私も実際そんな深い理由があったわけじゃないわ。雪宮君だって、私に話しかけた理由、単純だったじゃない?それと同じようなものよ。ごめんなさいね、何も特別な理由とかなくて」



「いや、いいよ」



 心の底では、少しぐらいそういう特別な理由とかあっても良かったんじゃね?って思ってるが、言えるもんじゃない。



「でも、今は雪宮君で良かったかなって思うわ。雪宮君、『想霊』のこと知ってたし、『想霊』とはそこまで関係ない私の話も聞いてくれたから。普通の人ならこんな感じにならなかったと思うわ」



「そりゃ嬉しいな」



「というわけでこれからもよろしくね雪宮君」



「ああ、こちらこそよろしくな」



 どういうわけなのかはよく分からなかったが、まあ良しとしよう。中ノ崎が僕のことを親しく思ってくれるなら僕も嬉しいしな。



「あら、雪宮君、気付けばもうこんな時間ね」



 僕は自分の左腕につけられた腕時計を見る。わお。もうこんな時間になっていたとは。



「そうだな。全然気づかなかったよ」



「じゃあ今日のところは解散しとこうかしらね」



「ああ……だが中ノ崎。家までまだ距離あるだろ?送ってくよ」



「いいの?雪宮君、こんな時間だけど、ご家族に心配されない?」



「んまあ……大丈夫だ。今更って感じだよ」



 僕を心配する奴なんて夏世と数人以外いないだろうな。


 それは、雪宮家の人間は基本的に僕に無関心だし、僕もみんなに無関心だから、勝手に僕がなにかしようが──雪宮家の不利益にならなければ基本的に無視だ。



 それに、女子をこんな時間に一人で帰すわけにはいかない。中ノ崎(こいつ)はドス持ってるし、こいつなら多少の困難は乗り越えるだろうが……だとしても、紳士として──的な?



「なら、送ってくれたついでに少し私の部屋入る?」



「え?」



「いや、だから私の部屋に行かない?って言ってるのよ雪宮君。雪宮君、その程度のことも理解できないわけ?これだから雪宮君は困るわ」



 おい、こいつ毒舌減ったなあって思ったら急に貶してきたんだが?



「わ、分かってるが、その、お前の家にお邪魔していいのか……?」



「いいわよ。さっきも言ったけど私、一人暮らしだし」


 じょ、女子の──部屋……。妹とかじゃなく、同級生の……女子の部屋──。



「どうするの?行くの?行かないの?」



「い、行きます!行かせていただきます!」



「随分食い気味ね……。ま、その態度、気に入ったわ。いいわよ来て」



 友達の女子の部屋……。今まで行ったことは……僕が今ぱっと思いつく限りでは、行ったことない筈だ……。



 今から……一人暮らしのJKの部屋!?


 僕はなんというか、未知の世界を今まさに、体験しようとしている冒険家のような気分を味わっていた。


「それじゃ、行きましょうか。私の家」

 えっと、わたくしですね、これから投稿ペースが落ちるかもしれません。


 とりあえず考えた目標が1週間に3話って感じです。もっと時間ない時はもっと落ちるかもしれません。


 わたくしは新生活が始まる身ですので、どれぐらい小説に向き合える時間があるのか未知なんですよね……。

 まあ、できるだけ!投稿していきたいなって感じなので応援していただけたら嬉しいです。


「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!


 次回は中ノ崎の部屋に行きます。お楽しみに。

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