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第7話 「ねえ、雪宮君、なんでなの?」

 一応、自分の中では1日1話投稿を目指していますが、今回少し遅れたかもです。次回はいい感じに書けたら明日あげれると思います。


 あと、誤字脱字とか、一応確認してますが、見落としてしまう部分とかあるので、まあ、許してください……。それか良ければ報告よろしくお願いします!

「さあ、雪宮君!走るのよ!沈む太陽より速く!」



「僕はメロスじゃないし、そもそも太陽もう沈んでるよ!」



 というわけで、現在の状況は、中ノ崎に僕のお気に入りのクロスバイクを取られて、僕らは現在、中ノ崎はクロスバイク──僕はランニングで、道路を走り、枯井の家へ向かっている。



「確か、太陽の沈む速さより速く走ろうとすると、マッハ10以上の速さがいるみたいね。以前、本か何かで読んだわ」


「なんだよそれ!戦闘機じゃないか!」



「にわかね。戦闘機は確か、最高速度はマッハ3ぐらいよ。私の調べた時点ではね。今は違うかも」



 こいつ!自分が博識なのをアピールしてくるようだ!なんかムカつく!どっちにしろ、僕が出せる速度じゃねえ!


 っていうか、もし僕がそんな速度で走ったら衝撃波的なのが出て、中ノ崎はどうにかなっちまうだろうし、そもそも、僕のナビゲーションについて来れなくなるじゃないか……。



「なあ、お前は楽かもしれないが、必死に走ってる僕の気持ちも考えてくれても良いんだぞ!?」



 状況としては僕が中ノ崎を少し先行してナビゲーションしてるという感じだ。クロスバイクに先行するってキツイ……。


「いやいや、雪宮君に合わせて速度を調節する私も楽じゃないわ」



「それそんな難しくないだろ!しかも疲労だって少ないはずだろ!?走ってる僕に比べたら!」


「いや、私自転車乗るの久々なのよね。しかも久々に乗るのがクロスバイクなんて、難易度高いわ。だからその分楽じゃないし、なんなら事故っちゃうかもね」



「マジで事故るのだけはやめてくれよ!僕それ気に入ってるんだよ!」


「うわうわ、雪宮君がそんな大声で私に罵声を浴びせるからハンドル操作が……」


「わかったわかった!僕が悪かったから運転に集中してくれ!」



 僕も走りながら話すの疲れるんだよ……。



 そんなこんなで、途中でこんなやりとりを挟みつつ、枯井の家についた。


♢♢♢♢♢


「ハァ……ハァ……」



 死ぬぞ!いくら走るの割と得意とはいえ、きついぞ!数キロの道のりをずっとそこそこのスピードでナビしながら走るの!あと中ノ崎と話しながらな。



「お疲れ雪宮君。何か飲み物いる?奢ってあげましょうか?」



「おお……気が利くじゃないか……じゃあ、水をくれよ」



「分かったわ。ところで雪宮君、自販機はどこかしら?」


「知らないのかよ……」


「私、ここら辺に初めて来たもの。仕方ないわ」



 まあ、それなら当然、そうだな……。


 ていうか、僕もここには何度も来たことはあるが、自販機がどこにあるかよく分かんないな……。人のこと言えねー。



「多分、そこら辺に自販機ぐらいあるだろ?探してくれないか?僕、水分なくてやばいよ……」



「分かったわ。少し待ってて」



 中ノ崎は歩いて自販機を探しに行った。そして現在地は枯井の家、まあ、家と言ってもアパートだがな。その前の道路で僕は疲れて座り込んでしまっている。



 『かすみ荘』──それがこのアパートの名前。『カスミソウ』からとっているのかよく分からないが、そういう名前。結構年季が入って、ボロいと言っては失礼だが、そんな感じのアパートを想像してくれれば良い。



 枯井はこのアパートの103号室に住んでいる。


 あいつの部屋には少し入ったことあるが、そこそこの、広いとも狭いとも言えない普通の広さの部屋に、よく分からんグッズが散らかってて、結構汚い印象。枯井曰く、想霊を退治とかするのに使うんだとか。



 汚いのは枯井自身が忙しいから掃除をする暇があんまりないらしい。想霊を扱う、いわゆる『プロ』は年々減ってきてるらしく、多忙なんだとか。

 まあ、単にあいつが片付けたくないだけって説を僕は推してるけどな。



「お待たせ、雪宮君。水、買ってきたわ」



「ああ、ありがとう」



 正直、こいつがこんな気遣いみたいなものをできるとは思わなかったな。



 別に中ノ崎を下に下に見てるわけではなく、今までのこいつの態度っていうか、人間性からそんなことはしなさそうだなって思っただけである。



 僕はペットボトルの蓋を開けてペットボトルを手で潰して水が勢いよく出るように押し出しつつ、一気に水を体に流し込む。



「はー、美味い!」



「良かったわ自販機があって。無かったらどうしようかと。無かったら私の唾液でも雪宮君にあげようとしてたわ」



「……それガチ?」



「割とガチよ」


 マジか。ちょっと良いなって思ってしまう自分がどこかにいた。



「うわ、なんかちょっと良いかもみたいな顔してる!キモいわ雪宮君。さっきの発言は取り消させていただくわ!失望しました」


「ご、ごめん……そんなつもりじゃ……」



 そんなつもりは……あったな……。少し。



「ねぇ、そんなことはいいから、キモ男。早く枯井さんのお部屋に行きましょう?」



「キモ男!?酷いじゃないか!」



「実際にキモい雪宮君をキモ男と呼んで何が悪いの?雪宮君が変態なのは前からだけど、ここまで具体的にキモさを感じたのは初めてだわ!」


「だから、僕が変態なのを前提にするな!」



 ったく。隙があれば変態呼ばわりじゃないか。あ、そうだ。



「ていうか、お前が唾液をあげるとかいう、それこそ変態のそれみたいな発言をしてるじゃないか。人のこと言えないな」



 反論してやったぜ。まあ、実際あいつから始めたんだしな。



「え、私は変態だけど」


「……え?」


「いやだから、私は変態ですって言ってるのよ雪宮君」


「……中ノ崎さん?なんか中二病とは違う『想霊』に取り憑かれてたりするんじゃ……」



 まじか。変態は見たことあっても、自分からカミングアウトする奴は初めて──いや、夏世がいたわ。夏世と並ぶやばい奴ってことか?中ノ崎は。



「私は元々変態よ?それを否定する気はないわ」



「ちなみにどんなエピソードがおありで……?」



「うーん、エピソードって言われると難しいけど……いつかやってみたい事としては好きな人を拘束する事ね」



「こ、拘束……?」



「そうよ。好きな人を椅子かベッドとかに拘束して、ずっと動けない状態にして、何から何まで私がお世話してあげるの。それでね、他の女に興味持たせないように外部との接触を一切させなくする。そうね、一回心を折って、私だけその人の全てを肯定してあげて、私のものにするってのもいいわね。そんなのが私の夢よ」



「……素敵な夢をお持ちで……」



 ただのヤンデレじゃねぇか。夏世も『兄貴をいつか監禁でもしてみたいなあ』みたいなこと言ってたし……。

 もしや、僕の周りの奴はヤバい奴らしかいないのか?そんなことはないと信じたい。



「そんなことより!早く行きましょうよ枯井さんの部屋。案内してちょうだい」



「……分かった」


 この女には勝てない。そう思った。そしてこの女はガチのヤバい奴っていうのが分かった。


♢♢♢♢♢


 『かすみ荘』103号室のインターホンを押す。



ピーンポーン──



 インターホンの音はなる。だが、インターホンに応答はないし、部屋の中から物音はしない。コンコンとノックをしてやっても反応はない。


 枯井は居留守とかを使う奴じゃないし、寝てても多分インターホンが鳴れば起きるはず。



「……返事がないわね」



「そうだな。枯井はたまに仕事とかで家を空けてることがあってな、今回もそんな感じだろう。こんな時間でもあいつは忙しいらしい。ここまで来てなんだが、今は枯井には会えなさそうだな。ごめん」



「雪宮君が謝る必要はないわ。枯井さんもお仕事ならしょうがないわ。事前にメールとかで連絡しておくとかは出来ないの?」



「いや、あいつ、携帯持ってないんだ。だから連絡取れない」



 ()()()()使()()()()()携帯は持ってない。

 あいつは想霊のプロだけが使う、特殊な携帯を使っていて、普通の世に回っている携帯では連絡が取れなくなっている。



「今の時代にねぇ……小学生でも持ってたりするのよ?」



「本人曰く『携帯代って高いしさ、そんな連絡するような事もないし、携帯から何か『想霊』に悪さされるかもしれないだろ?』らしい。難しい奴だろ?」



「そうね……ま、とりあえずここにいてもしょうがないし、今日のところは帰りましょうか」



「そうだな」



 というわけで、枯井には会えず、とりあえず、この場を後にすることにした。



「さて、帰りも……」


「走れとは言わないよな!?」


「いえ、言わないわよ。そんなに雪宮君を走らせるつもりはないから」



 一安心だ……。マジでキツかったんださっきの……。



「ま、ゆっくりお話しでもしながら帰りましょうか」



「ああ、そうだな」



 僕は止めてあるクロスバイクを取りに行き、押しながら歩く。



「あ、枯井さんで思い出したわ。雪宮君、メール、交換しましょう」



 え?メール?


「え、でも前、中ノ崎 (魔王の姿)に訊いたらメールは交換できないって言われたんだが……」



「ああ、それは彼女を私が制限したからよ」



「制限?そんなことできるのか?お前は完全に意識を乗っ取られてるんじゃないのか?」


 僕の想像だと、想霊に乗っ取られたらもう体の自由は効かないもんだと思ってるんだが……。



「そうね、その認識で間違ってないわ。ただ、雪宮君も知ってるでしょ?私が彼女を動かす方法」



「『上位存在』か?」



「そうよ。私が上位存在として命令すれば彼女はある程度のことは聞いてくれるわ」


「へぇ、それでメールを制限しているのか?なぜなんだ?」



「変に他人と繋がらないでほしいからよ」



「どういうことだ?」



「私って、1日の大半は中二病じゃない?変にメールを繋いで、意味もなく変なメールとか送っちゃったら相手の人に迷惑よね?だから『魔王』状態の私にはメールを使わせないし、当然、メールを繋がせもしない」



「なるほどな」



 簡単に人とメールもできないとは。辛いし、今の時代だと不便さを感じてしまうな。



「でも雪宮君は私の事情を知ってるし、まあ、変なメール送っても雪宮君だし大丈夫でしょ」


「それどういう意味だ……?僕がそういう変なメールでも怒ったりしない心の広い人物だと言っているのか、それとも、僕なら、変なメール送って僕の気分が悪くなったりしても別にいいってことか?」



「そうね、後者よ。雪宮君なら迷惑かけてもいいでしょ」



「お前、僕のことすごく下に見てない?」



「そうね。ま、とりあえず交換しましょ?携帯貸してちょうだい」



 無視かよ!しかし、女子と個人的にメールを繋ぐのはあまりない機会だしな……。結構嬉しい。たとえ相手が中ノ崎でも。


 中ノ崎に携帯を渡し、メールの交換をしてもらう。



「はい、これでオッケー。これからよろしくね。まあ、さっきあんなこと言ったけど、昼間の私には極力メールさせないから安心してちょうだい」



 中ノ崎から携帯を返してもらう。



「おう、ありがと」



 何か忘れてるような……メール──クラスのグループメール──食事会──



「あ、思い出した!」



「何?どうしたの雪宮君。自分の前世がカタツムリなことでもついに思い出したの?」



「いや、違うし。ってか、僕の前世ってカタツムリなのか!?」



「そうよ。ちなみに私の前世はかの、相対性理論で有名なアインシュタインよ」



「嘘つけ!」



 こいつ!さっきからだが、相当な虚言癖じゃないか?中二病も虚言癖と捉えたら相当な虚言癖ではないか!



「嘘よ。ちなみに雪宮君の前世の話は本当よ」



「そこも嘘であってくれよ……」



 まあ、カタツムリは別に嫌いじゃないし。虫じゃないならいいや。僕、虫は苦手だから……。



「んで、カタツムリ、何を思い出したの?」


「僕の前世はもういいよ!僕の前世がカタツムリなのか知らないけど!」



 ったく、こいつといると話が進まないよ……。



「あのだな、1年5組のみんなで早速仲を深めようってことで、食事会に明日──日曜日に行くらしい。僕は参加するって言ったんだが、中ノ崎も来──


「行かないわ」


 『来るか?』と誘おうとしたのをキャンセルされた。


 なんとなく、今のメールの流れから断られてしまうのではと思っていたが……。



「い、行かないのか?」



「絶対行かないわね」



 中ノ崎は強めに否定する。



「なんか予定でもあるのか……?」


 一応、そんなことも聞いてみる。



「はあ……。雪宮君は今の流れで私が行かないだろうなあっていう予想はつかなかったのかしら?」



 中ノ崎から怒ってるオーラのようなものを感じる。言動の感じからも怒ってるっぽい……。さっきの駐輪場での冗談のソレじゃない……。



「いや、誘うよ。お前だって、クラスの一員じゃないか」



 中ノ崎が足を止め──僕の方を冷たく睨む。ちょうど街灯の下なので顔が見えるが……苛立ちを感じる顔をしている。



「ハッ、私がクラスの一員?何言ってるの雪宮君。私はクラスで今、完全に浮いてるのよ?だって、その証拠に雪宮君を仲介して私に伝えてるんだもの。雪宮君はきっと、クラスの誰かに誘われて、それで、私もついでに誘っといてとでも言われたんでしょ?」



「そ、その通りだが、そんなの、よくある話じゃないか……?僕が誘われた時、朝だったから中ノ崎まだ教室にいなかったしさ。だから僕から伝達したら効率いいしさ」



「雪宮君、変なフォローは要らないわ。私がそういう経験したことないからそう思うのか分かんないけど、私に直接だと話しかけづらいから雪宮君を仲介しないと誘えないんでしょ?だってクラスで私に話しかけれるの、雪宮君だけだものね。しかも、こんな時間に食事会なんてやらないから行くのは中二病状態の私。場が冷めるに決まってるし、場違いよ。本当はクラスの人達だって、私を()()()()()()()()()仕方なく誘うだけでしょ?」



「………」

 

 まあ、その通り……だな。



 僕は花瀬川から確か、『私じゃ中ノ崎さんに話しかけずらいから誘っといてくれない?』的なことを言われたな。


 中ノ崎がクラスから──言い方はあまり好きじゃないが、『浮いている』のは確かにそうだろうな。きっと誰にでも話しかけれるリーダータイプの花瀬川ですら会話を拒否するのだ。



「まあ、私に話しかけるのなんて、ハードル高いものね。クラスの誰も話しかけないのも納得だわ」



 それは……そうだな。いくら個性を尊重する学校だとしても、入学してまだ数日……中ノ崎の中二病を受け入れられないのも分かる。



「だからこそ、雪宮君のことが不思議でしょうがないわ」



「えっ?」



 急に僕?なぜ急に僕に話が向けられるんだ?


「なぜ雪宮君は私に話しかけて、仲良くしようとしたの?あの会話の運び方──聞いていたけど、明らかに中二病の私の特徴を活かして、仲良くなろうとしていた」


 中ノ崎がこちらを見ている。その目は──なんだか暗い気がした。


「ねえ、雪宮君、なんでなの?」

 メロスの速さは色々調べたら違うの出てきて、よく分かんなかったんですが、まあ、とにかく速いってことです。化け物やな。


 今回のタイトルもなんか本編から切り抜いたみたいなタイトルになってますが、この後の8話に繋がってくるので、こんなタイトルとさせていただきました。今回は中ノ崎の少しネガティブな部分が出てきてるので、これはこれで書きごたえがあります。


「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!


(なんか今回はあんまり自分の文にキレがなかったように感じますが、次回はいい感じにするのでお楽しみに。ちなみに枯井はしばらく出てきません。枯井がどんな人物か気になっている方、もしいたら申し訳ありません!しばらくしたらちゃんと活躍させますので……)

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