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第4話 さて、そろそろ行くよ

この話はブラコン注意です。覚悟のある人だけゆっくりしていってね。

 あと、まだ公園にこの話では行きません。ご注意を。

 封筒の中身を読んだ後はなんだか落ち着かなかった。あの封筒の文章に隠されたメッセージをなんとか探ろうとした。


 まずあの文調。どうも僕の知ってる中ノ崎の文調とは違うような気がする。


 なんというか、封筒の文章も少し中二病臭いが、普通のまともな文章である。僕の知ってる中ノ崎の文章では、共感生羞恥で、読めたもんじゃないとは思うが、封筒の文章は普通に読める。



 くそ、早く真実が知りたい。だが、そもそも、赤華坂公園に行ったとして、僕の知りたい真実を手に入れることはできるのか?



 あの文章に一語もそのような事は書いていない。『少し話がしたいだけ』とだけ。決して『真実を教える』とかそう言う事は書いてない。


 中ノ崎の罠かもしれないな。中二病的な儀式が何かに付き合わされるのではないだろうか?



 ……休憩時間中に少し中ノ崎を調べてみるか。


♢♢♢♢♢


 眠気と闘いながらなんとか授業を耐え切る。くそ、なんで3日目にして授業なんてあるんだ。



 しかし、中ノ崎のやつ、授業中は普通に静かなんだな。てっきり騒ぎ散らかすのかと思っていたが……。根は優等生だったりするのか……?



 そして休憩時間になった──よし、調査開始だ。



「なあ、中ノ崎、あの封筒の中身をお前は見たか?」



「いや、見ていないが。上位存在から読むなとのお達しだ」



()()()()()()()()?」



「書く?なんのことだ?あの封筒の中身は何か書き物だったりするのか?悪いな。生憎、あの封筒の中身は私の右目──『魔神眼・極』でも透視できなくてな……。封筒を開けてもいけないから確認できなかったんだが……」


「あー、まあ、そんなとこだ」

 

 なんだ?魔神眼・極って。何を極めたんだ?フラッシュ暗算とかか?


 どうせ特殊能力なんてありゃしないんだから、今度機会があれば、箱の中身を当てるゲームでもしよう。きっと当たらないだろうなあ……。



「ん?我は中身が書き物だと今初めて知ったのだが……。なぜ我が書いたと思うんだ?盟友は」


 中ノ崎は不思議そうにこちらを見る。『なんで我疑われてんの?』って顔だ。

 


「いや、気のせいだった。ごめん」



 ふむ、軽く仕掛けたが、掛からなかったな。



 ここで、『えっ、書いたの我じゃないが?』みたいに言ってくれれば、『あれ?書き物って言ったっけ?』みたいに返せて、穴が見えると思ったんだがな。


 しかし今の反応から、こいつは本気で知らないのか、知らないふりをしているだけなのか、まだ分からないな。



 僕は確かに中ノ崎とは友達──いや、盟友だが、そういう中二病的な何かに付き合わされるのはごめんだ。それとこれとでは話が違う。


 もし、中二病的な何かに参加させられそうなら全力で阻止させていただく。めんどいからな!



 さて……もう少しいくか。



「なあ、中ノ崎」



「どうした盟友?世界が『組織』に支配されぬか心配なのか?ハハハ、大丈夫さ。目の前にいるこの我が世界を混沌から救ってやるさ」


 いや、どんな心配だよ。というか、実在しないモノに世界は支配されないしその脅威から守る必要もないんだが。


「いや、そこは心配していないんだがな」


「おお、盟友はやはり私のことを信頼してくれてるんだな」


 いや、『組織』とかいうお前の妄想で作られた虚実の塊をお前が危機だなんだあ言ってるからお前の信頼はゼロに等しいよ。



「って、それはよくて、聞きたいんだが、お前、赤華坂公園って知ってるか?」


「ああ、知っているぞ。というか拠点から近場だからよく行くぞ」



 『拠点』とは、おそらく家のことだろう……。



「何しに?」



「フッ、我はそこに魔術の実験に行っているのだよ」


「それ、危なくないのか?」



「まあ、盟友は我の実力を知っているから、そう思うのも無理はないが」



 いや、僕、お前の実力とか知らないんだけど。まだ出会って3日目だろうが。



「我はこの世界線では力が制限されていてな。自由に魔術が使えぬが、自由に使えぬと言っても使おうとしなければ当然、腕が鈍ってしまうではないか?だからトレーニング的なことをしているのだよ」



「じゃあ、()()()()()()()()()()?」



「ん?なんのことだ?」


 中ノ崎は相変わらずキョトンとしている。うーん、2度目の仕掛けをしたつもりだが幼稚すぎたか……。それとも中ノ崎は本当に心当たりがないのか?それとも嘘をつくのがとても上手なのか?



「いや、なんでもない、忘れてくれ」



 ふーむ、てっきりこんな感じに誘導的なことをすればうまいことボロを出すかと思ったが無理か。

 流石に中ノ崎が中二病とはいえ、高校生だし、馬鹿ではないだろうしな。


 やっぱりあの文章のことを本当に知らないのか……?いや、そんなことあるのか?もしかしてあいつ、()()の影響か何かか?


 中ノ崎から、これ以上情報を得ることは出来なさそうだ。



「盟友、何か悩みでもあるのか?盟友さえ良ければこの頼れる我に相談しても良いのだぞ?」



 僕はお前のことで頭を抱えんだよ!──とは言えないしな……。


「いや、なんでもない。大丈夫だ」



 とりあえず、大人しく夜を待とうか。今の僕にできるのはそれだけだ。



♢♢♢♢♢



 帰宅して、食事、風呂などを済まして後は午前0時に近づくのをゴロゴロしながら待つだけだ──



「あっ!!」



 中ノ崎にクラスの食事会とやらがあるのを言うの忘れてたな……。


 うーん。明日、赤華坂公園に中ノ崎が来るのであればついでに伝えたいのだが、あの文章には中ノ崎が来るとは一言も書いてない。



 まあ、よっぽど中ノ崎は来ると予想しているが、来なかったら厄介だな。僕、あいつのメール持ってないし……。



 しかし、誘わねばならないな。いくら中ノ崎とはいえ、食事会があるのを伝えられず、強制的に不参加になってしまうのは可哀想すぎる。自分がその立場になってみろ、枕を濡らして、水没させてしまうだろうな。


 それに一応僕は花瀬川から中ノ崎を誘っておいてくれという、お願いをされている為、ちゃんと伝えなくてはな。伝えなければ中ノ崎からの評価はもちろん、クラス中からの評価が下がりかねない。


 なんとかしなきゃなあ──



コンコン──



 そんなことを考えていると部屋の襖がノックされた音がした。



「どうぞー」


 まあ、どうせ夏世とかそこら辺だろ。


「入るよ〜兄貴」



 夏世の声がした。やっぱりな。カラカラ──と部屋の襖を開け僕の部屋に入ってきた。


 入るなり早速僕のベットに近づいてくる。



「来ちゃった……♡」


 うぜぇ。部屋に来て秒で近づいてくるところとか特に。もはや怖いよ。



「……何の用だ?」



「えへへ〜兄貴の顔を見たくなっちゃってさぁ」


 そんなことを言いながら僕の隣に座るって、近いんだが?もうこれガチ恋距離じゃん。さりげなく僕の手繋いでるし(恋人繋ぎである)。


「僕の写真でも見てれば良いだろうが」


「ダメなの!さっきまでずっっっっと写真凝視してたけどもう写真じゃ満足できない……♡」


「お前相当キモいこと言ってるって自覚ある?」



 ハートマークが特にそれを強調しているよ。狂気すら感じる。目も心なしかハートーマークのようなものが見えるような……。



「だって、アイドルとかだってさ、やっぱ画面越しに見るのと、握手会とかで近くで見るっていうのはさ、やっぱり違うでしょ?」


「そうなのか?僕はアイドルにあんまり興味ないからな、分からん」


「え〜、兄貴にはあたし、雪宮夏世っていうスーパーアイドルがいつも近くにいるでしょ?」


「僕はお前のことをアイドルと思った事はない」


「え〜辛辣ぅ」



 お前の相手は辛辣ぐらいじゃないとできないんだよ。



「でも兄貴はいつでも私のスーパーアイドルだよ!」


「僕、歌もダンスも下手くそだよ……」


「それが良いんだよなあ……。うへへ、創一ちゃん、可愛いよ創一ちゃあん……じゅるり……」



「通報して良いか?」



 こいつがまだブラコンとして生まれてよかったよ。こいつが一般人にこんなこと言ってたら怖すぎる。



「きゃー!えっ、創一様!?えっ、どうしよ昇天しそうなんですけど!?」


 限界オタクみたいになってるな。少し合わせて遊んでやるとするか。



「えっと、握手でもしますか?」



「ええええ!!??創一様と握手……!?!?ええええ、ちょっと心の準備がぁ〜」



「えっ、僕と握手するの嫌だったりするんですか……?いつも応援してくれてるからてっきり握手したいかなって思ったんだけど……。ちょっと僕、調子乗っちゃったかな……?」



「そそそそそんなことないです!創一様に気を使わせてしまうなんて……ファン失格だ、あたし……死のうかな……」



 情緒不安定すぎるだろこいつ。



「じゃあ、握手しますか……?」


「は、はい!」


「えっと、なんて呼べば……良いかな?」



「は、はい!えっと、『メス豚』とか、『ゴミ』とか、『死にかけのセミ(メス)」とか、えっと、なんでも良いです!」



 候補がキモすぎるだろ。こんなファンいたら怖えよ。一番最初のやつとか自分の欲満たすためだけだろ。



「えっと、じゃあ、普通に……『夏世ちゃん』でどうかな?大事なファンをそんな『メス豚』みたいな呼び方なんてできないよ……」


「い、いえ!それがご褒美と言いますか……そのぉ……」



 正体現したね。隠す気もうねぇじゃねえか。



「え、僕の言うことに楯突くの?」


「めめめめ、滅相もございません!」


「そうだよね」



 うわあ、僕も僕で良い性格してるなあ……。



「じゃあ改めて、夏世ちゃん!いつも応援ありがとう!」


 僕は両手を差し出す。



「あわわわわわわ、あたし、今日死んでも良いかも……」



 握手した。こいつ、めっちゃ手汗かいてんだけど。そこまで再現しなくても良いだろ。それとも、普通に手汗かいただけか?再現だとしたらプロ技だな……。



 うえぇ……べっちょりしてる……。アイドルの方って大変なんだなぁ……。2回目だが、限界オタクすぎるだろこいつ。



「ああ、実家のような安心感……」



 ええ……キモぉ……。こいつ、僕の手の平が実家だったらやばいぞ。比喩とはいえ……なぁ?



 もうこいつも満足しただろ。僕としてはお腹いっぱいすぎて、腹八分超えて腹二十四分って感じだ。



「はい、もう終わりでいいだろ?アイドルとオタクごっこ」


「え〜もっとやりたーい!」


「めっ!兄貴は忙しいの!」


「え〜忙しいってないさ。検索エンジンの検索履歴消すとか?」


「ん?何言ってんだ?夏世さん?」


 嫌な予感だ……。



「だってさ、昨日兄貴二次元ロリでさ……

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」



 なんなんだよ!こいつも僕も!こいつはなんでそんなこと知ってんだよ!そして僕はこいつと話すたび発狂する呪いでもかけられているのか!



「兄貴ぃ〜そんな画像とか見なくてもさあたしっていう今、最高に旬の女がいるわけじゃん?兄貴──今夜、ベッドでね……」



「お前とベッドなんざ行くか!馬鹿野郎!僕は今日予定があるんだよ!」



「えっ、予定?なんのさ?兄貴が0時に赤華坂公園に行くのは知ってるけど、それじゃないよね?」



「…………」



 なんで知ってんだよこいつ。怖すぎだろ!てか、それ以外なんの予定があるってんだよ。


「いや、その、公園に行くのが予定なんだけどさ……」



「え?予定っていったらあたしと()()()で、()()()()やり合うんじゃないの?ベッドだけに──あははははは」


「いや、ど下ネタだし面白くねぇよ!!あとそんな予定はねぇ!」



 ああ、どうしてこんな子に育ってしまったのやら……。父さん母さん……僕はこいつをどうすればいいですか……?


♢♢♢♢♢


 そんなこんなで夏世との格闘を終え、その後もしばらく夏世と話して時間を潰して、いつのまにか23時過ぎである。



「さて、そろそろ行くよ」



「えっと、なんか呼び出されたんだよね?果たし状で」


 いや、アレは果たし状ではないだろ……。一応夏世にも僕の置かれてる状況を説明しておいた。



「果たし状ではないだろう……」



「いや、現代の果たし状はああやって、一見普通の手紙と思わせておいて実は──っていうタイプが多いんだぜ?」



 『いや違えだろ』と、言おうと思ったのだが、言われてみれば、その可能性だって捨てきれない。


 そう、果たし状とまでは行かずとも、何か危険な目に遭わされるかもしれないという可能性は排除しきれない。



「……確かに、危険な目に遭わされる可能性は捨てきれないかもな……」


「だから兄貴にはあたしのお気に入りのチェーンソー貸したげるよ!」


「お気に入りのチェーンソーがあってたまるか!なあ、夏世ちゃん、それは木を切ったりするんだよな?チェーンソーってそういう用途だもんな!」



「えっ?切るのは人肉と人骨だけど」



「………」



 ジョークでも言っていいことと悪いことがあると思うんだが……。



「あはははは。夏世は面白いジョークを言うようになったじゃないか!だけど面白すぎて腹よじれすぎて生命の危機になるから僕以外の前で言うなよ?そのジョーク。ちなみに僕は訓練してるから腹はあんまりよじれないからな!」



「おお!兄貴がそこまで褒めてくれるとは……。よし!わかった!あたしは兄貴だけの夏世ちゃんだからこのジョークは兄貴の前でしか使わねぇぜ!」



 あはは。ぜひ僕の前でも使わないでいただきたいな……。


「とにかく!チェーンソーなんかいらないから!」


「ええ……じゃあ、せめてドスぐらいは……」


「中学生女子がドスとか言うんじゃありません!めっ!」


「え〜、そんなんじゃ危なくない?兄貴」



 お前の方が一億倍危ないよ。



「大丈夫だ。お前、いつも僕の武勇伝語ってるだろ?その中で、僕が負けたことってあるか?」


「はっ……!?確かに……ない!」


「だろ?だから安心しろ必ず無事に帰ってくるさ」


「うん!でも、いざとなったら私が軍隊でも持ってって助けてあげるね!」



「お、おう……」


 こいつ、中ノ崎より中二病してないか──いや、こいつの場合、ガチで軍隊とか持ってきそうだ。


 自分で言うのもなんだが、こいつ、僕のためならなんでもしやがるからな。



「しかし、相手が中二病の頭のおかしい輩だと兄貴とはいえ、やられちゃうかも……?」


 頭のおかしい輩ってお前、どの口が言ってんだよ。



「ま、お前の心配することじゃねえさ。じゃ、時間もそろそろいい頃合いだから行ってくるよ」


 『行ってくる』って言ったの2回目なんだけどなあ……。



「うん!気をつけてね!あたしはベッドで待ってるからね!」


「待ってても行かねぇぞ」

 本当はもうこの話で1話の冒頭へ繋がるはずだったんですが、夏世ちゃんが出てきてしまったので……。彼女、出るとほんとに文字を食う。まあ、書いてて一番楽しいのは夏世かもしれません。


「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!


次こそ伏線回収します。あと、地味に文と文の間の間隔変えたんですが気づきました?まあ、たいして変わんないと思いますが、少しでも読みやすくなってれば幸いです。

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