第15話 二人きりで夜の公園
ふと、考えました。僕の投稿頻度が低いの、ちゃんと明確にこの日に出す!って決めてないからなのでは?と。
はい、とても今更ですね。では早速16話の投稿日を決めようと思います。よし、7月14日にします!
もし、投稿できそうにないとかになったらちゃんと活動報告いたしますので……。では本編どうぞ。
さて、UFOだなんだと騒いでいたらもうすぐ24時になってしまう。このままでは中ノ崎(本来)に怒られてしまう前に公園に急ぐのだが……
「ひゃっほう盟友!あのUFOは本物だ!」
僕は公園の場所が分からないので、ナビ係は必然的に昔この辺りに住んでいた中ノ崎(中二病)になるのだが、今のこいつは上位存在に会うという本来の目的を忘れ、5分ほど喜び狂っているのだ。僕はもう一旦冷静になれてしまってるというのに!
もし遅れてしまったら中ノ崎に、『雪宮君には失望したわ。あんな本物かも分からない謎の光に踊らされてさ、馬鹿なの?死ぬの?』と、言われてしまうに違いない……。
だから何としても中ノ崎を急がせなければならない!
「中ノ崎よ、嬉しいのは分かったから今は上位存在が来るとかいう公園に急ごう。感動ならそこですればいいし。何よりだな、地球外生命体がいると分かったら、必然的に上位存在もいるっていうか、今の僕らなら視認できるんじゃないか!?」
テンションをコイツに合わせて誘導を仕掛ける──さあ、どうだ?
「おお!確かにその通りだな!やっぱ盟友は賢いなァ」
お前が馬鹿なだけだ。ったく、本来の中ノ崎の頭の良さがこいつもあって欲しいものだ。……毒舌はいらないけど。
「そうとなったら盟友よ!グズグズしてないで行くぞ!この我について来るがよい!ハーっハっハッハッハ」
グズグズしてたのはお前だ……。
♢♢♢♢♢
その後、中ノ崎と共に走ったのだが……
「め、盟友よぉ、わ、我を置いていくでない……」
「いや、僕そんなに急いでないし……」
実際、中ノ崎に僕のクロスバイクを乗り回された時よりはずっと速度を落としているのだが……
「いやいや、早いって、マジ厳しいって……」
中二病語忘れてるぞ。マジで厳しそうな声を上げるな。
そう、コイツ足が遅かった。ジャージの癖に。
中ノ崎は成績優秀で、両親にスポーツをやらされていたという話もあるので、ここまで遅いのは想定していなかった。
僕の考察では、『想霊』に体の自由を奪われて以来、あんまり自由に運動とか、できていなかったんじゃないかと思う。
だから中ノ崎二那という人間の肉体は衰えてしまったのではないかと考察する。
「こ、これは間違いないッ!『組織』による深淵の蝕だな……。ククク『組織』の仕業だなあ、やはり我が上位存在と接触するのを警戒しているに違いない……」
久々に聞いたな『組織』……。
「馬鹿なことばっか言ってると置いてくぞー」
「あ、っちょま、待ってよ盟友~。我がいないと指定された公園内の結界を……って、無言で逃げるなあ!」
と──いった具合でなんだかんだで公園に着いた。公園の名前は分からないが、分かることは公園内には人っ子一人いないことと、普通のそこそこな大きさの公園であること。
風で少し揺れるブランコ、正式名称の分からないジャングルジム的なやつ、誰が作ったのか分からない砂山のある砂場、錆びついた鉄棒、照明があることが外からも分かる光る公衆トイレ──と、普通である。
公園内にヤンキーとか、熱々なカップルなどいるのではないかと密かに警戒していたが大丈夫そうだ。
「ぜえ、ぜえ……ふ、ははは『組織』の妨害を受けたが……ぶ、無事公園に着いたぞ……」
それはただお前の体力がないだけだ。それを空想上の集団に押し付けるな。まあ、現実逃避の手段としては上等か。
「無事ではなさそうだが……なんか飲むか?そこに自販機あるから奢ってやるよ」
僕は公園の外にある自販機を指しながら言う。自販機は暗い夜の中でも光っている。
「いいのか……?じゃあ、その厚意に甘えさせてもらおう……」
中ノ崎は両手を地面につき、座り込んでいる。よほど疲れているのだろう。
今日の夜明け前とは逆の立場になったな。今度は僕が奢る番となり、中ノ崎は地面に手をついて座り込んでいる。
自販機で僕がチョイスしたのは──水。変に炭酸とか買ってもなぁって思っての判断だ。スポーツドリンクは高いからやめた。だから無難な水というものを選択した。
「ほらよ。水買ってきたから」
僕は水滴で濡れたままの飲料水のペットボトルを地面に両手をついてくたばってる中ノ崎に手渡す。
「う、うむ、感謝するよ盟友……」
地面に座り込み、ごくごくと美味しそうに水を飲む中ノ崎。そりゃ頑張って走ったようだから美味いはずだ。
実は僕も喉が乾いているのだが……。
「ぷはーっ!盟友、水ってこんな美味かったか?」
まだペットボトルには水があるようだ。中ノ崎にもらうか?──いや、間接キスはまずいよな……?
どうしようか、自分でもう一つ買おうかな……。と、財布の中身を見る──109円……買えないな。
自販機の商品って無駄にとか言っちゃいけないけど、高いんだよな。水ってだけで130円だ……。今の僕の所持金では買えない。
というか、これは僕の所持金が少なすぎるのがだめだとは思うのだが……。何が原因かと考えると、中ノ崎と切符を現金で買ったのが原因の一つなのでは?と思ってる。
いや、中ノ崎のせいにはしてはいけないな、僕の元の所持金が少なすぎるのが原因だ……。お金、もう少し持ち歩こう。
「おや?盟友よ気づけばもう24時に、つまり、審判の刻がくるという訳だな!?」
中ノ崎は公園内にある時計(支柱にくっついているタイプのやつ)を指差しながら言う。
公園内の時計というのは僕の中でいつも時間がずれているというちょっとした偏見があるのだが、僕の腕時計と比べても誤差がないため、その心配は要らなそうだ。
「ふははは!我の真の力を見せる時が来た様だな……」
「真の力?」
また変なことほざき出したぞこいつ。まあ、いつものことか。若干興味ありげに聞いてみるか。
「な、なんだ中ノ崎、お前の真の力ってのは……?」
「盟友よ!我が今まで上位存在を視認出来なかったのはだな、様々な原因があるとは思うのだが、一つは我が準備不足だったということだ」
「ほお、その準備とは?」
「我自身に結界を張るんだよ」
なんとも中ノ崎らしいやり方だ。まあお前のその結界は上位存在(中ノ崎本来の姿)に対してはなんの意味もないのだがな。
「盟友少し近くに寄れ」
「な、なんでだ?」
「盟友も結界に入れて守ることにする」
なんだよ、胸熱展開かと思ったのによ。いやしかしだな、女子に結界(笑)に二人っきりで入るのはなかなかない経験なのではないか?ていうか、普通に生きてたらそんなことないだろ。
「ん、中ノ崎?何やってるんだ?地面に手なんてついちゃってさ」
中ノ崎は急に左膝を地面につき、立膝になり、右手を地面に、左手は左の太ももに添えて、ついでに眼帯もとっている。ああ、確かこいつは眼帯をとると本来の力の一部が解放されるんだっけか?
「今から詠唱するから、これはその準備のようなものだ。盟友はそこにただ立っていてくれれば良い」
あぁ、そういう感じのね?あれだよな、うん。漫画とかアニメとかでよくある感じのな、誰もが一度はやってみたい感じのやつだな。
正直、僕も少しやってみたい──ほんとに魔法とかが出せるならっていう話だが。出せなければただの深夜の公園で変な動きをしている変人だ。まあ、魔法が仮に使えたとしてもそれは変わらないのだが。
「──深淵に住人にして、光をも飲み込む漆黒の闇を司る暗黒竜ナリカリオンよ!
その身に宿す漆黒の闇をこの魔王に我に貸し与えよ!
そして、我と、我の盟友を未知のモノから守護することを魔王の名と、我の『魔神眼・極』の下に命ずる!!」
おお!本格的な詠唱だな。なんとも中二病らしくて安心するな。僕も昔やったことあるなこういうの。
しかし、何度も言うが、外で、しかもこんな時間にやることではないのはもう皆さんお分かりだろう。僕も、現在進行形で身をもって体験しております。
「発動せよ!『暗黒龍の・守護』!!」
ピピッ──ピピッ──ピピッ──
♢♢♢♢♢
中ノ崎が呪文をちょうど言い終わった時に、ちょうど24時がきたようだ。結界(笑)が本当に成功していたら中ノ崎(本来)は体の権限を得られないだろうな。
「おーい、中ノ崎?」
中ノ崎は先程の姿勢から動かない。僕は今どっちの中ノ崎に話しかけているのかというと、まあ、どっちにも声をかけている感じだ。
「大丈夫かぁー?」
「……はぁ」
ん?今ため息のようなものが中ノ崎から聞こえた気がするのだが。
しかも、聞こえてきたため息というやつがまた性格の悪そうなため息だ。まるで1日の4分の3溜めていたような溜め息である。
ってことは、中ノ崎の中身はたった今入れ替わったって解釈でいいんだな。ため息で判断するのはどうかとも思うがまあいい。
「雪宮君。深夜の公園でさ、あんな長ったらしい詠唱(笑)したことあるかしら?」
「ないけど」
詠唱は正直したことはあるものの、家の中である。まあ、両方の妹に見られたっていうかなりの黒歴史だったが。
「一度やってみなさい。恥ずかしいというか、一周回って清々しさが出てくるから」
そう言い終わると中ノ崎は立ち上がり、ジャージの膝についた砂を払い、僕の方を少し睨むような感じで見てくる。イライラしているのだろうか?
「丁重にお断りしておくよ」
黒歴史なんざ増やしたくないんだよ僕。
「はぁ、おっと、あいさつ忘れてたわ。雪宮君こんばんは」
「こんばんは中ノ崎」
ちゃんと挨拶するんだなこいつ。育ちはいいってわけか。
「早速で悪いけどもう私の家に向かってもいいかしら?本当は私も体の権限を取り戻したばっかだからもう少しゆっくりしたいのだけど、仕方ないわ」
「ああ、ただでさえ遅い時間だから急がなきゃだしな」
もう日付が変わってるからな。中ノ崎のご家族にあんまり遅いと失礼だ。いや、もう失礼なのだが、中ノ崎がこの状態だから仕方がない。
「でも走るのは勘弁ね」
やっぱこいつも運動ができない自覚はあるんだな。
「でも中ノ崎、お前スポーツも習ってたって言ってなかったか?」
「ええ、色々やってたけど、最近は『想霊』のせいで全然運動する機会がないのよ。運動どころじゃないの」
「じゃあ、お前は本当は運動音痴じゃないってことでいいんだな?」
「ええ、今一時的に運動神経が悪いってだけよ。必ずこの体の異常が治ったらブランクを取り戻すわ」
かなり意気込んでるな。だから今からの帰宅も気合いを入れているのだろう。僕もそれに応えなければ。
大事な部分──根本的な解決の部分は枯井に任せることになってしまうだろうが、僕もできることはするぞ。枯井へのヒントを持って帰る。それが僕の目的だ。
「ブランクを取り戻した私はメロスにも引けを取らないわ」
「そりゃ、とんでもないな。マッハ10以上なんだったっけ?メロスの速さって」
「そうよ。よく覚えてたわね雪宮君。少し嬉しいわ」
こいつが僕を素直に褒める……?昨日僕に涙を見せてからテンションがおかしくなったのだろうか?まあ、素直な方が可愛げがあっていいけどな。
「じゃ、行くわよ雪宮君。今は体力がないから歩いて……ね?」
「分かってるよ。お前をおいて走るわけないだろ」
ふと思ったのだが、僕、こいつに昨日クロスバイク乗り回されて僕は無理やり走らさせたが、こいつは走らないんだな。
まあ、いいか。僕はそんなとこをいちいち指摘するほど小さい人間じゃないってことで。心の中にでも留めておこう。
「でも雪宮君さっき私のこと置いてったわよね?」
そういやそうだったわ。いいこと言ったつもりだったのに、過去の僕に否定されてしまった!
「い、いやな、あればだなお前が早く公園に着かないと怒るかなーって思ってさ、なるべく中二病状態のお前を急がせようとしたんだよ」
「ふむ、私がその程度で怒るって思ってるわけ?」
やべぇ、どう答えてもキレられそうで怖い。
「ほら、集合時間守るって大事……だろ?」
「かといって運動ができない私を無理やり急がせるのはどうかと思うわ」
やっべぇ、めっちゃクロスバイクのこと出して言い返してやりたいが、さっき僕は無駄に『小さい人間じゃない』と堂々と宣言してしまったので言えない!
「ご、ごめんな、中ノ崎。もう少し配慮をすればよかったなととても反省しています」
「まあ、あのUFOのせいでもあるわね」
やべ!こいつ、さっき僕が危惧していた『雪宮君には失望したわ。あんな本物かも分からない謎の光に踊らされてさ、馬鹿なの?死ぬの?』というセリフを言うつもりなのではないか?
「あのUFO本物よね?いやぁ、あれは本物だよ雪宮君」
「へあっ?そ、そうだな」
予想外の答えが返ってきた。中ノ崎はふざけている感じではなく、UFOを見たことを振り返るように話している。
中ノ崎(本来)も中ノ崎(中二病)の目を介してあのUFOを見ていたのだろう。
「いやぁ、私もあれには感動したわ雪宮君。あんなの初めて見たわよ。私もUFOとかそうオカルトチックな話かなり好きなの」
「へぇ、意外だな。お前てっきりこういうことには興味なしかと思ったぜ」
「ふん、私はそんな勉強ばっかしてるだけの優等生じゃないのよ?そういう自分の本当に知りたいことに興味を持っているタイプの優等生なの。だからアニメも漫画も好きなのよ」
優等生ってタイプがあるんだ。
「というわけで喋ってないで行くわよ!雪宮君」
「あ、はーい」
というわけでさっきいた名前のわからない公園を後にし、僕と中ノ崎は中ノ崎の家に歩き始めたのだ。
次回は中ノ崎の家に行きます。やっと一章の終わりが見えてきました。二章は結構長くなる想定でいます。
てか、一章で20話ぐらい使うと思ってなかったです笑。1話1話がグダグダすぎるんだよなぁ。
あと一つ、Xについてですが、『ラベ理科p』と、検索してくれた人、あるかもしれませんが、検索すると……『ラベ理科』と打ったところでアカウントが二つ出てきます!
これはですね、炊飯器におこげがついた米があるアカウントがこの小説の作者としてのアカウントです。
ではもう一つは?というと、私が2年ほど前にプライベートように作ったアカウントと思われますが、なんかパスワードとか、登録したメアドとか分かんなくて消せないんですよね笑。なので、無視するかフォローしといてください。
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