第14話 星空の夜──地球外生命体を添えて。
はい、今回も遅くなってしまい申し訳ございませんラベ理科pです……。今回はなんだか哲学的(?)な話が出てきます。書いてて結構楽しかったです。
突然ですが、嬉しいご報告です。ここからは本編とはあまり関係がないので読まなくても大丈夫です。(読んでくださいお願いします。なんでもはしませんので)
数日前、今作『人の『想い』が具現化してしまう世界で僕は生きる』の閲覧数が、1000を超えました!私の作品を沢山読んで頂き誠に感謝しております……!
いやはや、ありがたいことです。前作なんて、10ヶ月ほど放置してあって(これに関しては私が悪いですが……笑)閲覧数が300ほどですからね。今作が前作に比べていい感じなのは数字が証明してくれてるわけですな。
この1000という数字の中には、もしかしたら、最初の数行だけ読まれた方もいると思いますが、1000は1000ですからね!
まあ、この私の無駄にテンションが高い(深夜テンション)文章を今読んでいる方はおそらくここまで今作をを読んでくださったのでしょう。誠にありがとうございます。
さて、この1000という数字、どう捉えるべきなんでしょうか。多いのか、はたまた少ないのか、どう捉えたらいいのか分かりませんが、目指すところはもっと上!というのが一応今の考えです。(そのためにはもっと書かなくちゃな……)
次はとりあえず次の大台、閲覧数2000を突破できるよう、努めてまいります。
ぜひ閲覧するだけでなく、この作品が『いいな』と、思っていただけたらぜひ、いいねもよろしくお願いします!感想などもいただけるととても嬉しいです!
前置きが長くなりましたが、今回の話もお楽しみくださいまし。
そんなこんなで3番ホームに行き、電車に乗車する。初めて終電に乗ったが、予想通り終電ということであまり人は多くはなかった。
そして現在時刻は23時半近くになっていた。もう少しで中ノ崎(本来)のターンになるな。
忘れていたというか、あえて触れなかったのだが、僕は今から中ノ崎の家族がいるところに行くのだ。
いわば、修羅場──になるのでは?と勝手に予想している。こんな時間に、僕みたいな男と共に行ったら余計にだ。
「ククク……盟友よやはりこういう夜の街並を見ているとな、何かこう、心が疼くな……。我は暗黒に生きるものだが、光があるというのも綺麗だな」
中ノ崎は窓の外の街並みを見ながら言う。こんな時間にも明かりはたくさん見える。この明かりが全てなくなってしまったら、どうなるのだろうか──ふと考える。
街の明かりが全てなければ、夜は暗黒に包まれるだろう。
しかし、人類は進歩を遂げてきたことで、この暗黒を光で誤魔化した。『誤魔化した』という言い方をすれば、なんか悪い印象かもしれないが、まあ、その、いい意味でだ。いい意味で誤魔化してきたのだ。
そう捉えれば、人類は凄いことをしてるんだろうなぁって。道路や、今走っている線路、これも誰かが作ったんだろうなあ。凄いなぁ。元々、地球って草っ原とかだろ?知らんけど。
今、こうして当たり前に道路を歩ける、電車に乗れる。それには多くの年月の中で、人々の努力があったのだろう。
そんなことを想像すると、なんだろう、上手く言語化できないが、ありがたい。そんな感想が浮かぶ。
もしかして、中ノ崎もそんなことを考え、心が疼いているのだろうか?まあ、そんなことではないな。中二病的な何かがくすぐられてるだけだ。
「なあ、盟友はこの街並みを見てどう思う?」
今考えてたことを言えばいいか。
「うーん、人類ってのは暗闇の中にここまでの量の明かりで暗闇を消してきて、進歩してきたんだなーっていう、こう、過去の人類への尊敬を抱いたな」
「ほほぉ、盟友はそんな感想を抱いたとは……その視点は我にはなかったなァ。流石、我の盟友だな!」
嬉しそうな中ノ崎──しかしだ。僕は今こいつを消すため──この中二病の中ノ崎の人格を消すためのステップの一つとして、中ノ崎の家に向かっているのだ。
自分が消える。自分の自我が消える──考えてみてほしい。自分が今までの人生で築いてきた全てが無くなるのだ。なんと怖い事だろう。
もちろん、中ノ崎(中二病)はそれを知らない。それを知らず、ただ自分の中二病的欲を満たすために行動しているのだ。上位存在──否、もう一人の自分によって消されるために誘導されてるとも知らずに。
僕もそれに加担しているのである。こいつは『想霊』だ。中ノ崎のなんらかの『想い』が具現化したもの。だが、具現化した結果として中ノ崎(本来)にとっては邪魔でしかないものになってしまったのだ。
中ノ崎(本来)の立場に立ってみれば、自分の体を別の人格に1日のほとんどの時間、乗っ取られているのだ。辛いだろう。だから解放を望んでいるのである。
しかし、それには中ノ崎の『想霊』によって作られた第二の人格を消さなくてはならない。
しかし、それはその、やっぱりどうなんだろうか……と考えてしまう。自分が中ノ崎(中二病)の立場なら──と、考えるとやっぱり嫌だ。
いつだったか、僕の恩人、枯井才はこんなことを言った──
『人の感情、人の考えって全員違うよね?』
『例えば、そうだなあ。世の中にはさ、虫が大好き!って人もいれば、虫なんて大嫌い!って人もいるわけでしょ?』
『でもさ、どっちが悪いなんてないでしょ。虫を嫌ってはいけない!なーんて憲法はないでしょ?まあ、僕の知る限りだけどね』
『だからさ、誰が正しいとか、誰が間違ってるなんて、そんなの決めるのなんてすごい難しいんだよ。正解は一つじゃないし、その正解って思ったものが結果として良いとも限らないしさ』
『ん?結局何が言いたいのか?ハハハ、せっかちだねぇ』
『まあ、なんだろ、正義は一つじゃないし全員が幸せになんてよっぽどならないし、大多数が幸せなら、残った少数は不幸せかもしれないし。創一ちゃんにはそこを分かってて欲しいんだ』
『あ?分からん?ったく、もうちょい国語の勉強しろってんだ。要はね、創一ちゃんには自分を信じてほしい。自分が本当に良いと思う方を選んだ方がいい。人生の先輩からのアドバイスさ』
『創一ちゃんもさ、正義ってやつを持ってんだろ?その正義を信じたら良い。未来がどうなるかなんて、だーれにも分からない。でも、自分を信じる奴はまあ、割とうまく行くんじゃない?ソースは僕』
と。あいつは『自分を信じろ』と、言ってきた。自分を信じる……なんだろうな。自分の正義。僕は何が正しいと思う?僕は……
「……ゆう……めいゆう!盟友っ!」
「んお?」
中ノ崎に話しかけられてたようだ。全然気づかなかった……。ずっと一人でぺちゃくちゃ喋ってるもんかと思っていたんだが……。
「大丈夫か!?まさかすでに上位存在の精神攻撃の一種、『蜃気楼の操り人形』を受けてしまったとでもいうのか盟友!」
「いや、大丈夫だ。なんたらマリオ〜みたいな攻撃は受けていない。少し考え事をしてただけだよ……」
「むう、それならそれで我の話に集中してほしいものだが」
「ご、ごめんな」
今更だけど、終電で普段より人が少ないとはいえ、人はいるんだが?
その中でかなりの声量で中二病ワードを連呼している奴が隣にいる状況に置かれている僕の気持ちにもなってみてはくれないだろうか。
「まあ良い。それは良いとしてだな盟友よ!目的の駅が近づいてきたぞ」
『次は良篠〜良篠〜』とアナウンスが流れる。さて、降りるか。
♢♢♢♢♢
良篠駅に無事到着し、改札を通り、再び中ノ崎と共に夜の街を歩く。
目的地はいきなり中ノ崎の家──というわけではなく、中ノ崎家の近くの公園に行く。そこで12時になるのを待ち、12時になったら中ノ崎の家に行くというわけだ。
「…………」
僕と中ノ崎は互いに無言である。そして夜の街は当然静かであり、僕と中ノ崎の間には当然、沈黙が流れる。
だが、そんな中、僕はこんなことを考える。
中ノ崎と──横に並んで歩いている。いや、まあ、横に歩くの普通だ。極めて普通だ。道が狭いわけでもないんだから、並んで歩く。
なんかちょっとドキドキする!
夜の街を──異性と。クラスのだ、出会って数日だぞ!?いや、僕が童貞過ぎるから動揺しているだけなのか!?
落ち着け!そう、落ち着くんだ……素数でも数えるか?1、2、3……あれ?1は素数じゃねぇな。うーん、萎えたな、やめよう。
ところで、今更というか、本当に今更なのだが、これ、僕どうやって帰るの?
今の電車、終電でしょ?いや、明日も休みだからいいけどね?その、僕に歩きで帰れというのか?中ノ崎さん?
うーん、ま、いっか。中ノ崎ならきっと何か策があるのだろう。期待してるぞ、中ノ崎。
「なあ、盟友、星は好きか?」
隣に歩く中ノ崎は僕の方ではなく、夜空を眺めながら訊いてくる。今日は天気が良く、星が……まあ、まだ薄らと、だけど確かにある街の明かりのせいで見づらいのだが、一応見える。
「うん、割と好きだな。綺麗だし、ロマンを感じるからな」
「我も星は好きだ。綺麗だし、名前がかっこいいしな!」
後者は……なんというか、中ノ崎らしい理由だ。名前は確かにかっこいいのあるけど。
「あと、我は地球外生命にも興味があるぞ。この星は人間が支配しているが、他の星ではどうなんだろうか……ということを夜空を見てると考えさせられるからな」
確かにそれは僕も気になるかもしれない。そういえば一時期、そういうオカルト系にめっちゃハマってた時があったな。
宇宙人もオカルトの一つとして当然、語られる。だが、僕の考えは『宇宙人は居たら嬉しいけど、会いたくはない』って感じだ。
怖いんだよなあ、宇宙人って。テレビでやるオカルト系のやつは大体恐怖を煽るような内容だから自然にびびってしまうというものだ。まあ、だからこそ惹かれるのかもしれないけどな。
まあ、僕は『想霊』とかいうザ・オカルトな化け物どもには何度か出会ってるんだがな。
「我が夜空を見る時はな、星に加えて、何か怪しげな飛行している物体がないのかを見ているぞ」
「だけど、そうそう居ないだろUFOとか。僕も昔は熱心に探したけど、見つからなかった思い出があるよ」
夜空にいつもあるのは星と飛行機の赤い光のみだった。UFOなんていなかったし、これからも現れることはないだろう。
『UFOが見たい!』っていう、強い想いがあれば『想霊』として作り出せばまあ、見れるけど……それは本物とは言い切れないな。
「盟友はもうUFOとか、未確認飛行物体を見つけることは諦めてしまったのか?」
「諦めたっていうか、夢から覚めたって感じだ。UFOなんていないんだって、気付いたんだよ」
UFOとか宇宙人いたって正直困っちゃうしな……。まあ、広い宇宙、宇宙人がいるのかもしれないが、どうなんだろうな。
人間だけで地球は上手く……は今の環境問題などを考えると上手くやれてないかもしれないが、上手くやってるから、地球には今の所来てほしくはないかもしれないなあ。
「案外夢じゃないかもしれないぞ?」
「そうなのかな……?」
「盟友は世界の全てを見たことがあるのか?」
世界の全て──中ノ崎の指す全てとは文字どうり世界の全てなのだろう。森羅万象の全てを見たことがあるのかという問い。
もちろん、見たことない。僕は神様でもなんでもないただの人間だからな。
「ない……です」
謎に敬語が入ってしまった。なんか高圧的な言い方なんだよなぁ。
「そうだろ?だったら宇宙人とかいるかもしれないとは考えないのか?」
んまぁ、こいつの言いたいことは分かる。自分の目で観測していない。つまり、まだもしかしたらいるかもしれないという可能性を無限に秘めているという事を言いたいのだろう。
だが、僕に言わせてみれば、存在していないという事を自分で確認しているのである。宇宙人が存在している、存在していないに関係なしに、僕は観測していないのだから、いない──と言えるのである。
これはどんなことにも言える。例えば『地球は本当に丸いのか』この問いに対しても適応される。
これは学校のテストでもなんでもないので、僕が出せる最良の結論は、『自分の目で確認していないので分かりません』である。
『義務教育で言われてるから』、『一般常識だから』──そんな答えは本当の『答え』ではない。
その答えはただ自分、そして周囲がそうやって誰かに教えて貰っただけであり、結局のところは自分が知識という名前を一丁前につけ、分かった気でいるだけである。
自分の目で確認するまで『その事象』は本当であると言えないのである。
まあ、自分の目で確認したところで、それが解釈などの違いにより、実際は真実とは異なっているのかもしれないが。
つまり、真実とは、結局のところ誰にも分からないんじゃないか──それが僕の論であるのだが、正直、この高校生になったばかりのガキが唱えてること立派な論だとは思っていない。
屁理屈だ──そう思ってもらっても全然構わない。だって屁理屈だから。
だけど、これだけは言える。今の所謂、常識が必ずしも正しいとは言えないという事だ。
例えば、昔の人々は地球は平面だというのが常識だったそうだ。だからある程度海を進んだら落っこちてしまう──それが、昔の人々の常識だったのだそうな。
今の僕たち現代人が聞いたら鼻で笑ってしまうような内容かもしれないが、『鼻で笑ってしまう』ということは、現代に至るまでに誰かしらが、その昔の常識は偽りであると誰かが証明したからだろう。
現代の常識は数十年、もしかしたら来年ぐらいにはもう偽りのものとなっているかもしれない。
そしてその新しい常識すら偽りである……と、所謂、『いたちごっこ』を繰り返し続けてしまうのではないだろうか、そう思っているのだが……これ、なんの話だっけ?むう、話が脱線しすぎたな。
だが、結論として言いたいことは、中ノ崎の言い分は、普通に受け入れられる。ということだ。
なぜなら、根気強く探し続ければ、UFOだって、UMAだって、未来人だっているかもしれないのである。
『その事象が存在していることを誰も証明できていない。つまり、その事象は存在していない』と、『その事象が存在していない──とされるのはただ発見、証明がまだできていないだけで、実際には存在している』という、二つの矛盾した意見は常に全てのことに言えるのではないだろうか。
こういうのパラドックスって言うのかな?成り立ってるのかは知らないけど。
こう考えているから中ノ崎の言うとことも分かるのである。かと言って、僕の考えが間違ってるとも思ってはないが。
「むぅ、そうだな。確かに諦めるのが早かったかもしれないな。僕はこの世の全てを見たわけではないしな」
「そうだろう!そうだろう!?って事で盟友も一緒にUFO探そう!」
「どういう事でだよ……」
まあ、そういう事でだろうな。
♢♢♢♢♢
その後は中ノ崎と空を見上げ、UFOとか、いわゆる、未確認飛行物体を探しながら公園を目指していたのだが……
「なあ、盟友……今のアレ……」
「ああっ!──中ノ崎!アレって……」
声を発したのは同時だったのだが、言ってる内容は同じだった。
僕らは歩きながら同じ空を見上げていて──同じモノを発見し、互いに報告しあっているのである。
「ア、アレさ、UFOって、やつなんじゃ……」
マジか……。マジでいるとは思わなかった……。
まあ、読者の皆様方には僕らの指すUFOとやらが、どんなのかは分からないと思うので、説明する。
まず、一連の会話の後、少し歩きつつ、星空の中に赤い光を見つけた。
初めは飛行機だろうと考えていたのだが、徐々に色が変わった。赤から緑、緑から青──という変化をしばらく繰り返して、その後もしばらく観察していると、なんかその光が次第に回転しだした。
円を描くように回転して、そのままその円は星空を右往左往して、どこかに消えた──まるでワープでもしたように。
それが僕と中ノ崎が今見た全てである。一連の現象を見ているとき、僕らはお互いの顔を見ていなかった。
漫画でたまに驚きすぎて顎が外れるような表情になる描写があると思うが、まさにその顔になっていたのではないのかと思う。人間、驚いた時は案外そういう顔になるのかも。
「………」
「………」
僕と中ノ崎の間に沈黙が流れる──が、その沈黙は破られる。
「「やったぁ!!」」
何が『やったぁ』なのかは分からないが、僕らは二人で喜びを分かち合ったのだ。なんの喜びだろうか。存在しないと思っていたものが存在してくれていた喜びだろうか。なんなのかは僕にも分からない。
「アレ!やべえよ中ノ崎!UFOって奴じゃないか!?」
「ああ!我もそうとしか考えられない!最後のあれ、ワープしたのだろうか?」
「分かんない!分かんないけどっ!でもなんか、存在したんだ!」
さてさて、アレが本物のUFOだったのか。それは『想霊』という存在がある限り、本物とは分からない。いや、『想霊』がなくても本物とは簡単には分からないと思うが。
僕と中ノ崎の想い──『UFOがいるかもしれない。いや、いるんだ!』という想いが、具現化しただけかもしれないし。
今はアレの真実は分からない。だが、そのうち──分かるのかな?
長いなあ。そして投稿が遅いなあ。ごめんなあ。
最近テストがありましてね。遅くなってしまうんですな。まあ、これからは夏休みなので、多少の余裕が出たら……嬉しいな。って思ってます。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、いいね、星5評価をどうかお願いします!
いいねしてもらえると、ほんとにモチベが上がるので、是非是非是非是非是非よろしくお願いします!




