第12話 僕はクラスメイトとメールをしているだけでいじめられてると疑われるらしい
投稿遅れてほんとにすみません!
いやぁ、恐ろしいですね、ほぼ1ヶ月ぶりの投稿!なんというか、学生という身分上、テストだとかに追われてましてね……。
時間を見つけ、少しづつ書いていたのですが、モチベも中々上がらなくて……。
これからも投稿頻度はあまり高くないと思いますが、そのぉ、気長に待っていただけると嬉しいです。
今回は切りがなかなかつかなくて長引いてしまったのも原因の一つですね。10000文字近くあります……。もっと効率よくできるように勤めてまいります。
では久々の本編をどうぞ、お召し上がりください。
「創一、起きてください。朝ですよー」
「んあ?」
つばめに起こされた。
起きてすぐ考えついたことは、なんか夢と同じ展開だな──と。
こういう繰り返すパターンの悪夢もあるので一応。
「くるるせべ、たんみや、こびとぞ──よし、言えるな」
「ああ、いつもの呪文ってやつですか?」
「そうだ。よし、ちゃんと言えるってことは現実なんだな」
とりあえず一安心だが、同時に、疲れが全然取れていないことがわかる。就寝したのが……何時だったか、午前3時はすぎていたような。こんな時間まで起きてるなんて久々だった。
「よかったですね。ちなみにどんな夢を見たんですか?」
あんまり感情を込めて『よかったですね』とは言ってないように感じる。まあ、所詮は他人事だしな。
「んん……」
僕はまた夢を思い出してみる。まあ、夢というのは一般的には、どんなものだったのか、忘れがちかもしれない。
しかし、僕の場合、脳にこびりついているので、離れてくれない、忘れられないというのが、悪夢だ。
「んーと、まず、つばめにプロポーズしたらつばめがサメに食われる夢でしょ?」
「1個目からつばめが死んでるんですがそれは」
それは僕も思った。しかし、どんな夢を見た?と問われた場合、一番最初からいくのがいいのかな……と、思ってしまったため、仕方なくつばめの夢からいくしかなかったのだ。
「う、うーん、それを僕に言われてもなあ……」
「まあいいです。他の夢は?」
こいつには一応、僕が辛ーい悪夢を見ていることを伝えているはずなのに、おかしいな、何故思い出させるように聞いてくるんだ?
覚えてると言っても、一応、常に頭にあるわけではないのだが、口に出して説明すると、どうしてもその時の状況が蘇ってしまう。まったく、僕の気持ちになってくれませんかね?
「えっと、地獄みたいなところでずっと焼かれ続ける夢と、スパイになって捕まって拷問される夢と、えーっとあとなんだっけなぁ……」
「あっ、もういいですハイ」
拒否られた。お前が訊いてきたんだろうが!まあ、人の夢の話はつまらないとよく言うしな。あんまりするもんじゃないのかもしれない。
「そ、そうか。ところで今何時?」
「午後1時です」
……まあまあ寝たな。まあ、悪夢のせいであんまり疲れは取れていないような気がするが──まあ、慣れっこだ。
「今日のご予定は?」
「えっと、夜にまた友達に会いに行く……ぐらいかな」
「……また、遅くなりますか?」
「まあ、そうなるな、すまない」
謝罪をする。この謝罪をしたところで、僕が帰る時間は変わらないし、つばめを心配させることに変わりはない。
そう考えると、こういう謝罪というのは何故するのだろうか──そんなことをふと考えてみるが、寝起きの、しかも高校入りたてのまだまだガキの僕にはわからなかった。
「創一と同じ、『想霊』関連ですか?」
「んまあ、そうだな。プライバシー的な部分もあるから、あんまり詳しくは言えないが……」
そう、『想霊』は人の『想い』が具現化したもの。そりゃ、人の内面だ。知られたくない人が大勢ではないだろうか。
「朝ごはんっていうか、朝昼ご飯ですかね、この時間だと。何食べます?」
「あー、そうだな、袋麺食べたいなぁ──って、それぐらい自分でやるよ」
流石に、何でもかんでもつばめにやらせるのは良くないな。袋麺ぐらい自分で作れる。
「いえ、いいですよ、それぐらい。一応使用人という立場ですからね」
まあ、確かに言われてみればそうなのだが、いくら使用人だからとはいえ、つばめは、いわば友達みたいなもんである。
友達に袋麺作れという奴はそういないだろ。いたとしても、僕はそいつとは仲良くできないかもな。
「いや、そのお、やるから……さ!いいんだよ!」
「いえ、つばめは創一に奉仕しないと満足しません。だから、作らせてください」
なんでこういうところは無駄に真面目なんだよ……。いいことではあるが。
「わ、わかったよぉ……。美味しく作ってくれよなぁ」
根気負けした。これで僕は僕とは仲良くできなくなったな。
♢♢♢♢♢
その後、つばめの作った袋麺を食べ、ゴロゴロしながらソシャゲをしたり、飽きたら昔やってたゲームの再プレイをしたり、飽きたらラノベを読んたり──なーんていう、自堕落で、同時に理想的な休日を過ごしていたのだが──
「あっ、」
忘れてたことが一つあった。メールだ。クラスの食事会を断らなくてはならない。いや、断るといっても、予定なんていうのはなく、中ノ崎がいかないなら僕もいかない──なんていう、意味のわからない、そんな理由。
合理性──なんでない。行ったら行ったで、きっと楽しいだろうし、中ノ崎の言っていた通り、新しい出会いがあるかもしれない。
だけれども、もし行ったとして、頭の片隅には、常に中ノ崎がいる。中ノ崎は来れていないのに、僕は来てしまっていいのだろうか──そのような考えが頭の中に残留し続けるだろうな。
中ノ崎は気にしないでと言ったが、気にしない方が、僕の精神衛生的には悪い。
まあ、この食事会で、クラスの仲が深まり、僕がクラスで浮いた存在になったとしても、まあ、大丈夫だ。僕はぼっちとしての生き方というか、そういう経験があるので、耐性はある。だからそんなに気にすることなんて──ないはず。
そんな結果になったとしても、大丈夫だと、自分に言い聞かせ、メールを送るか──そう思い、メールアプリを開く。
メールは何もきていない。アプリを開いたらあるかもな──なーんていう希望は、アプリのアイコンに通知がきていないと表示されているため、ないのである。
何とも思わない。何とも思わない……のだ。それでいい。これでいいのだ……。
その時だった
テロン♪──
なんと、通知がきた。誰からだろうと見てみる。花瀬川だった。実は、メールのアカウントを個人的に交換をしていた。
花瀬川は初日のクラスに着いたタイミングからだろう、できる限りクラスの奴の連絡先を集めるという、クラスの連絡先集めるRTAでもやっているのかお前は──という速度で連絡先を集めていた。
その際、クラスの一員として交換していた。だからまあ、言ってしまえば、特に特別視されていたとか、そういうわけではないのは、皆さん、お分かりだろう。
こんな出来事でも、『こいつ、俺のこと好きなんじゃね?病』の症状が出てしまう方は、まあ、頑張ってくれという一言を送るだけだ。
大丈夫だ。僕も昔はそうだった。今は少し耐性がついたのか、この花瀬川の出来事では──少ししか症状は出ていないからな。そう、だから大丈夫、決してドキドキなんてしていないからな。……少ししか。
花瀬川からのメールを見てみる。なんだか緊張するなぁおい。
『雪宮クン、中ノ崎さんを食事会に誘ってくれた?』
とのメールだった。少し期待した自分はいたが、まあ、大体このことだろうなあとは思っていた。
『うん、誘ったよ〜』
と、語尾に『〜』をつけることによって、威圧感を軽減し、フレンドリーさを表現したかったのだが、いきなりこれは少し気持ち悪かったかな?とも思うが、とりあえず送った。
既読がすぐにつき、すぐに返信が来る。
『ありがと〜!中ノ崎さん、来るって言ってた?』
それは言ってないな。行かないって言ってた──と、返信するのはいいが、理由……だよなあ。『浮くから行きたくない』は花瀬川に送るにはあまりにもマズイよなあ……。
『予定があるから』──これでいいよな?一般的だし。嘘をつくことになってしまうが、まあ、いいよな。
世の中というか、社会で生きてく上で、必要な嘘というのはある。『嘘』というものを上手く使いこなせる奴はきっと強いだろうな。
でも、結論としては、あんまり嘘つくのはよくない、ってことだな。まあ、まだ15歳のガキが言ってる戯言だけどな。
『中ノ崎は予定があるから来れないってさ』
よし、これでいいだろう。しかし、直接花瀬川が訊かないのは何故だろうか。
花瀬川はどのコミュ力があれば話せると思うんだけどなあ。中ノ崎はメールを日中は使わないとはいえ、普通に話しかけることぐらい、できるんじゃないだろうか。
まあ、日中のあの様子だとまともに話してくれるとは限らないけどな。
だが、僕の知る限り、花瀬川が中ノ崎に話しかけているところは見ていない。やはりあの雰囲気っていうか、あんな感じのキャラに話しかけるのは少し抵抗があるのかもしれないなぁ。
ま、そこに深く踏み込むつもりはない。人には得意不得意あるしな。人間関係だってそうだろ。
『みんなと仲良くする』なーんていうのは理想でしかない、目標として掲げるのは立派なことだが、現実として、そんなことできるのか?というところではある。少なくとも、僕はできないだろうな。
『そっかー、残念だなぁ』
花瀬川からの返信はすぐに来た。残念と思っているようだ。しかし、何故だろう、この文章、なんだか裏があるように感じるのは……流石に考えすぎか。我ながら捻くれ者だ。
ついでにだ、僕も行けなくなったと伝えておこう。『急に予定ができちゃった!』これでいいだろう。
その予定を訊いてきたらそれは僕のことを意識していると思おう。よっぽどないとは思うけどな。
『ごめん!実は僕もさ、急に外せない予定できちゃってさ、行けないんだ』
という文を送る。まあこれでいいだろう。
『えー、雪宮クン来ないんだぁ、残念だなぁ(泣)』
……なんか、こう、なんだろう。何か感じるのは僕だけだろうか。いやさっきの、『こいつ、俺のこと好きなんじゃね?病』ではないのだが、なんだろう、違和感というか、なにか……うーん……分かんないけど──
そんなことを考えていると、僕の部屋の襖を高速でノックする輩が現れた。まあ、アイツだろうな。
「入れ」
いつもは『どうぞー』とかだが、今回は扉の向こうにいる奴がわかっているので、いつだったか視聴した刑事ドラマの警視庁のなんかすごい人が、ノックされた時にする返事的なのをしてみた。
「いやっふぅぅ!兄貴ぃ!」
その間、わずか──何秒だろう?夏世はどこぞの配管工のおっさんみたいな声を出しながら、襖を開き、右足を踏み込ませ、跳んだ。
跳んだ──幅跳びのような姿勢だった。腕と脚を前にし、僕が寝転がるベットに突っ込んできた。否、僕に突っ込んできた。そして──
「ぐぅえっ!」
僕の腹を思い切り、踵落としのような感じで蹴ってきやがった。結構痛いんだが?僕を貫通し、ベッドをも破壊する勢いだ。
「やっほー兄貴!『あれ?今回ってか、最近、ギャグパート少なくない?大丈夫かな?』そんな不安を解消する女神、夏世ちゃんだぜ!」
「自分がギャグ枠だというとこは自覚してるんだな……」
痛みを堪えながら声をひねり出す。てか、さらっとメタ発言するなよこいつ。
「ったりめぇよ!最強のギャグ女夏世ちゃんだぜ?」
それを自分でいうのはどうなんだろうか……。
「で、その最強のギャグ女とやらが僕の部屋に何をしにきたんだよ」
「ん?いや、帰ってきてさ、家族にただいまーっていうのは普通じゃない?」
「お前一言も『ただいま』なんて言ってないだろうが」
「ん?ああ、忘れてた!兄貴、ただいま!」
こいつ……ただいまと言うのが普通とか言っておきながら、ただいまと言うのを忘れているとは、これもなんかしらの高度なギャグなのか?
「まあ……おかえり。何してたんだ?朝から出かけてたみたいだが」
僕が起きてた時にはもういなかったな。つばめからはただ出かけているとしか聞かなかった。
「遊びに行ってたんだー。ボウリングしに行った〜」
ボウリングねぇ、あんまり行かないな。例の3人でほんとたまーに行くぐらいだ。
腕前は……まあ、多分普通ぐらいなんじゃなかろうか。確か、100何点ぐらいだったような。それぐらいが、まあ、そこそこなうまさだろう。勝手にそう思ってる。
「お前うまいのか?」
「ん?それはどういう意味だい?あたしを物理的に食べる美味しさなのか、ベッドの上で食べる美味しさなのかどっちの話なんだ?」
きょとんとした顔で僕にそのような質問をしてくる。アホだ。流石にネタだよな?本気でこんな発言してないよな?
「お前なぁ……ボウリングの話してんだぜ?普通ボウリングの腕前の話だろうが!」
「あー、ボウリングね、はいはい。確かにそっちの可能性もあったなあ」
そっちしかねえだろ!どういう頭の構造してんだこいつ。
「ボウリングはねぇ、一緒に行った友達の中では上手い方かなって思うよ。兄貴の言う、『上手い』っていうのが、どの程度なのかにもよるけど」
「何点取れたんだ?」
ちなみに参考までに僕の人生最高スコアは、100と、少しって感じだ。多分、あんまりすごくはない。
「うーん、250……何点だっけ?忘れちゃった」
「え?普通に凄いじゃないか!ボウリングって300満点だろ?そのうちの250点って、すごいな!」
予想より、僕の妹はボウリングができるようだ。普通に尊敬して、夏世を素直に褒めてしまった。
そして同時に僕の記録が夏世に比べてカスだったことがお分かりいただけだだろうか。まあ、夏世は運動得意だからなあ、なんかやらせれば大体なんでもできる。
「うえへへへへへ〜そんな、すごいかなあ?兄貴にこんなに褒められたのなんて嬉しいなあ〜」
歯を剥き出しにしてニカニカ笑う夏世。太陽のように眩し笑顔だ。まあ、ちょっと笑い方がキモいけど。
そう、こういうのでいいんだよこういうので。妹というのはこうあるべきだ。
いつものこいつみたいに、変態的で、サイコパスで、ブラコンで──っていう、そんなことはなくていい。断じてなくていい。本当に。こういうので、こういうでさ、いいんだよなあ。
「って、私が友達とボウリングをしていた間、兄貴は何をしていたんだい?」
「ん、まあ、クラスの奴とメールをな」
『友達』と花瀬川のことを呼称しなかったのは、何故だろう、花瀬川とはまあ、そんなに話してないし、特に仲良くなろうとかはしていないからだ。
なんというか、あいつは僕みたいな奴では関わりを持てないというか、別世界というか、ちょっと距離をとりたくはあるのかもな。キャラクターが全然違う。
まあ、そういう考えが、相変わらず友達が少ない大きな原因なのだろう。腐ってんなぁ僕。
しかし、僕のことをよく知る夏世からすれば、『クラスの奴とメール』という文だけで、かなり衝撃を受けたらしく、口がポカーンと開いている。こいつ、僕のこと馬鹿にしてるのか?
そう、僕という人物は、クラスの誰かとメールをするということでさえ、悲しいかな、珍しく思われてしまう──そんな人物なのだ。
僕には3人、特に仲のいい友達が中学の頃いたわけだが、あいつら以外とは、基本的に連絡を取らない。
取ったとしても、学校の係の仕事についてだとか、食事会来る?(クラスの食事会的なのには、呼ばれてたことはある。存在は一応、認知されていた)とかいう、いわば、業務的な連絡しかない。
そんな僕がだ、まだ高校生活が始まって、一週間という時点で、クラスの誰かとメールをしているのだ。夏世が驚きを隠さないのも、無理はないのかもしれない。
「兄貴、メール、脅迫、いじめ、病む、不登校、あたしに依存、ふむ……悪くないな」
「『悪くないな』じゃねぇよ!なんだよ、僕って、メールしてるだけでいじめを受けてると思われてるのか?あと、最後、お前の歪んでる部分が出ちゃってるから!」
何に影響されたんだか知らないが、夏世はたまにこういうことを言ってくる。
「え?誰々?男?女?どんな内容?脅迫?告白?」
「い、いっぺんに訊くんじゃねぇよ!」
怖いよ。普通に。
「えっと、女子で──」
「はい、嘘乙〜。兄貴が女と連絡するはずないよ〜」
僕をバカにするように舌を出しながらニタニタしてくる夏世。
「お前、やっぱ僕のことバカにしてるだろ……」
僕って、そんなに非モテっていうか、そんなに女子と関わらないように思われてるのかな……?
「まあ、内容はクラスの食事会に行くのかっていう内容」
「え?クラスのしょ、食事会……?何それ、兄貴、これなんかの悪夢見てるよ!これから兄貴死ぬやつだよ!」
「いつもの呪文唱えてあるから大丈夫だ」
夏世には僕の悪夢のこと、『想霊』のことは伝えてある。
だからこそ、この煽りができる。酷いなあ。まあ確かにリア充みたいになって結局死にましたー。みたいな悪夢もあるけどな。
そう考えたら、夢にまで見たリア充への第一歩(?)を踏む機会を逃してるじゃないか僕!うわあ、なんで断ったんだろ。
まあ、中ノ崎への勝手な気遣いだけどな。うん、いいんだよ、僕。これでさ。いつかこの選択を喜ぶ日はくるよ。そうそう、食事会場、行ったら爆発するかもしれないしな。僕の判断は間違ってない!ヨシ!
悲しいな、僕って……。
「まあ、行くの断ったんだけどな」
「お!兄貴ぃ、なんだよ、やっぱ兄貴してんじゃーん」
なんだろう、『兄貴』という単語がもはや悪口になってるのかもしれない。
「嬉しくないな……」
「ちなみになんで断ったの?」
まあ、気になるよな。というわけで、ここまでの経緯を解説してやった。
「へぇ、なんかキモいね兄貴」
なんだとこの野郎?確かにキモいかも知らないけど、もっとこう、ソフトな言い方あるやろがい!
「まあ、僕もキモいとは思ってるけどさ、その、なんか気が引けるじゃないか」
「まあ、わかるけどさぁ、いいんじゃない?そんぐらいさ」
「それも一理ある。だが、僕はもう振り返らないよ。自分の選択に自信を持つ──的な?」
知らんけど。それっぽいことを言ってみた。冷静になると恥ずかしい〜。
「わあ!かっくいぃ〜」
こういう時は何故か素直に目をキラキラさせるんだよなあ。掴めないやつだよ、ホント。
「でもほんとぉ?メール見してよ!今までの兄貴の全部作り話かもしれないし!本当はいじめられてるかも知らないし!」
「そんなことするか!てか、いじめられたら、お前に言うって……約束しただろ?」
情けない話だが、そう、僕はいじめられたら夏世に言うように──つまり、なんか辛いことがあった場合、夏世に相談するということを義務付けられている。あの経験からな。
「ああ、そうだったね、兄貴、本当にいじめられたりしてないよね?」
急にトーンがガチになる夏世。やっぱり、こうやって僕のことを馬鹿にしつつも、なんだかんだ僕のことが心配だったりするのだろうか?分かんないけど。
「わかったよ、見せればいいんだろ?やましいことは何もないぜ」
メールの画面を見せる。ほんとにやましいことはなく、特に仲良くやり取りもしていない、僕らしいメール。
夏世は僕の手からスマホを奪い取り、花瀬川とのトーク履歴を最初から見る。
「ねぇ、この中ノ崎さんって人が、兄貴が言ってた中二病の人?」
「まあ……間違ってはないな、中二病の人だ。それがどうかしたのか?」
まさかのそこが引っかかるとは、こいつにしては珍しいな。
「なんかさ、この花瀬川って人、中ノ崎さんのこと、嫌ってるの?」
「え?そうなのか?」
困惑した。いや、特にそんなことは──いや、あるな。花瀬川は中ノ崎に直接声をかけていない。花瀬川はどのコミュ力なら、話しかけてもおかしくはない。だが、声をかけない。
あと、メールでの、僕の欠席と、中ノ崎の欠席を伝えた時の反応の違い。なんとなーく、文面のテンションが違った。僕はさっきそこに違和感を覚えたのか?
いやいや、考えすぎか?考えすぎだな、うん。メールの文章なんて、感情伝わりにくいし、難しいからな。
「兄貴は二人の関係性は知らない?」
「知らないなぁ。そんなこと、お前分かるのか?二人に会ったことすらないのに」
「うーん?なんとなくでねー。あたし、結構人の関係性とか見抜くの得意だったりするからさー、なんとなくだよ」
夏世なら確かに得意そうだ──そんなよく分からない期待というか、なんかしらがあるな。
「まあ、確かに違和感っていうか、なんとなくそんな気は僕もするようなしないような……」
「多分、なんかあったんだよ、この二人さ。知らんけど」
「まあ、お前がいうなら確かにそうなのかもな。一応頭に入れておくよ」
まあ、僕は花瀬川が中ノ崎のことを嫌っていたとしても、特になんとも思わない。言ってしまえば他人事だし、嫌いな人なんて、いるのが自然だ。
むしろ嫌いな奴がいない人の方が、僕はなんだか変だなって思う。嫌いな奴がいるってのはそれだけでなんとなく人間性を感じて共感できる──みたいな?
こんな考えの僕を当然嫌うのも自由だし、好むのも自由だ。それは憲法によって保証されてる。人を嫌いになってはいけない──なんて法律、少なくとも日本国憲法では聞いたことはない。実際どうなのかは知らないけど。
「てか兄貴、訊くの忘れてたけどさ、昨日赤華坂公園で何してたの?」
急に質問が変わった。赤華坂公園には行ったが、いうて何もしてない。
「中ノ崎と話して、枯井のところ行って、その後は──」
「その後は?」
その後……行ったらこいつどんな反応するかな……?
「中ノ崎の家に行ってた」
「ヤったんか?なあ、ヤったんか?」
うわ、急に怖いよこの人……。
「何を……ですか?」
一応、訊き返してみる。
「深夜、高校生の男女が密室に二人、何も起こらないはずもなく……」
「起こるわけねぇだろ。同人誌の見過ぎだ」
てかなんでこの人言ってないのに中ノ崎の部屋に誰も他に住んでないこと当ててんの?流石に勘だよな?
「ええ!?健全な高校生男子と女子だったらさ、××するもんじゃないの?」
「そんなんしてたまるか!出会ってまだ一週間だぞ!?貞操観念ガバガバすぎるだろ!」
「ええ……今時の中学生ですら××してるんだよ?こないだだってさ、○○君と○○ちゃんが、××して××した後××してたんだよ!?」
「名前を出すな名前を!てか、今の中学生ってそんなに××な××してんのか?」
「もう××で、××な××よ!そりゃ今時の中学生なんてみんな××で××してんだよ!兄貴、遅れてるぜ?」
わあ、そりゃすごいな……。
さて、読者の皆様方には、××が多すぎて何言ってるか分からないと思いますが、それで良いのです。
これ以上いくと、今の夏世の周りの子の××が、××であることが××なので××です。皆さんも××には気をつけましょうね。
最後、僕も何書いてるか分からないです。まあでも、××には無限の可能性がありますからね。自分で大喜利なんてしてみてはいかが?暇な人はおすすめですよ(笑)
久々に投稿できて、とても嬉しく思います。しかし、同時に思うことはやはり、時間がない!今もこうして小テストの勉強をサボってやってます(笑)。時間が、欲しいッ!
あと、短編みたいなも書いてみたいんですよね〜。時間ないですが、なんというか、自分の中の『闇』というか『病み』を、表現してみたいなあとふと考えまして。気が向いたらやります。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!
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