第1話 隣の席の女子
久々に投稿します。前作は……まあ、気が向いたら投稿します。というわけでよろしくお願いします。
今作のコンセプトはまあ、ギャグとか多めでゆーくり進めたいなあっていう感じです。あまりにゆっくりすぎたらごめんなさい。
でも、ちゃんとシリアスなところはシリアスに書けたらいいなあって思います。
追記:少し内容を変更いたしました。富士先生のキャラが大きく変わったと思います。
「そう、私はこの病気のせいで人生が滅茶苦茶。学校生活、家族とか友達との関わりも上手くできない、夜だって──好きに寝ることもできないんだよ」
4月の頭、午前0時過ぎ。星空の下、夜の公園で、少女──中ノ崎二那はそう告白する。
「僕も中ノ崎の気持ちは分かるよ──いや、分からないかもしれないけど、僕もその、同じような経験はしてるから中ノ崎が辛いのは痛いぐらい理解してる」
僕だって、今も辛い。
「だから、その、僕が中ノ崎にしてあげれること、あるかもしれない」
「つまり、私を助けると?」
中ノ崎は僕を見つめる。僕から中ノ崎の顔は、辺りが暗いのと、あいつ、前髪が長いからよく見えない。どんな顔をしているのだろうか。
「ああ、そのつもりだけど」
中ノ崎は「ハッ」と一蹴するように言う。
「無理よ。だって私のこの病気はどんな医者に連れてってもらっても解決しなかったんだもの」
そう言い放つ中ノ崎はニヒルな笑みを浮かべているのだろうか。そりゃ、その病気を普通の医者が治せるわけない。
「まあ、できる限りのことはするってだけさ。僕はそんな技術も知識もない。僕の友人に助けてもらうんだ。僕も中ノ崎みたいに困った時、そいつに助けてもらった。きっとそいつなら中ノ崎も助けてくれる」
なぜ、僕がこの中ノ崎という少女を助ける流れになったのか……まず、それを振り返ってみよう。というわけで遡ること数日前……。
♢♢♢♢♢
僕は今日から高校生である。実感はあまりないが、今こうして桜がいたるところで咲いている季節に、中学とは違う通学路で通学しているのを考慮してみると、確かに今までとは違うんだなということは感じる。
進学先は家から少し遠い県立の高校。なので今は自転車通学である。入学式にも関わらず、僕は保護者と一緒には来ていない。まあ、別にアイツらは来なくていいがな。来てもアイツらと僕、それぞれが得をしないので来なくていい。
中学の頃は自転車通学ではなかったので、自転車好きの僕としては、毎日自転車が漕げるというのは嬉しいことかもしれない。まあ、雨の日となると話が違うだろうが。
僕の通う高校──『北鶴高校』は偏差値は、平均よりちょっと上ぐらいの高校。県立なのに自由な校風が売りの高校であり、人気のある高校というイメージだ。
例を挙げると、制服は一応あるが、カスタマイズがかなり自由で、個々にあった制服を自分で作ったり、なんなら制服じゃなくてもよかったりする。
『一人一人の個性を大切に』──これが北鶴の校訓である。確かに、体験入学に行った際はかなり個性的な人が多くいた印象だ。
アニメのコスプレをしている女子生徒がいたり、女装をする男子生徒がいたり、堂々と猥談をする生徒がいたりする。まあ、猥談をするのは個性なのかは不明だが。
自由すぎはしないかと、心配になるかもしれないが、生徒の根がとてもしっかりしていて、ちゃんとそこら辺の教育も行き届いており、今の時代の風潮にも合っていて、人気なのも納得という感じの高校である。
そんな高校に通うわけだ。やはり個性的な人たちが同学級にもいるだろう。そういう人たちと上手くやれるだろうかと心配である。
だが、別に心配ばかりではなく、高校生という全く新しい環境に身を置くことに対する好奇心も少なからずある。
そういえば、自己紹介とか色々考えなきゃな。大体最初にあるよな。部活動はどうしようか。勉強ももちろん頑張らなければ──いや、まずは友達作りからだろうか?
友達──というか、ある程度話せる人はいた方がいいな。妹にも言われたし。人に話しかけるのはあんまり得意ではないが、自分を変えるチャンスだと思うか。
と、そんなことを考えている間にいつのまにか学校に着いていた。そして見慣れない校内に入り、配属された1年5組の教室へ。今日から高校生なんだと校舎内を歩いてると感じる。まだまだ緊張が解けない。
クラスの中は沈黙を保つ者、おそらく同中で知り合いの奴らが話し合っているという二つに別れている。前者の方が多そうだ。
ちなみに僕はと言うと、勿論、前者である。早速誰かに話す──なんてことはせずに沈黙を保つ。僕と同中の奴も……いないな。いたところで多分、話せない。というか、話したくない。いや、同中の奴からすれば僕と話すことなんてお断りだろう。
その後、特に大きなことも起こらず、そのまま入学式という流れだ。
入学式はほとんどボケっとしていた。同じクラスに配属されたっぽい入学生代表みたいな女子生徒のスピーチは一応聞いたが。
しかし、こんな人数の前でいきなり喋るなんてすごくハードルが高いな。
スピーチ、を聞く感じ、なんというか、話し方がすごく上手いな。中学の頃は生徒会とかやってたりしたのだろうか?内容は、高校に入れるとこを嬉しく思う──とか、まあそんな感じだった。
見た目からなんとなく、そういうリーダー的な仕事をしていたのだろうということが伺える立ち振る舞いだ。
それに加えて美人だ。青色の綺麗なロングヘアーで、身長も高く、スタイルがとても良い。
名前は確か……『花瀬川』みたいな名前だっただろうか。
まあ、そんなきっと今後、クラスとかの中心になっていく女子なのだろう。同じクラスになるとはいえ、僕のようなクラスの中心には程遠い人物とは関わることがあまりないだろうな。
♢♢♢♢♢
さて、入学式がやっと終わった。配属された1年5組の教室へと向かう。そして他のクラスメイトも同様に教室へ入る。
そしてやっぱりというか、望んだ通りというか、僕と同中の奴はいない──それすなわち、友達がいなかった。
僕は友達がそんなに多くいる訳ではなかったので、中学の時は大体3人の友達と僕の4人グループでいつも過ごしていたのだが、全員バラバラの高校になってしまった為、友達がいない。
そうだな、話しかけるなら隣の席のやつからだな。隣の席の奴といったらまあ、しばらくは共に近くで時間を過ごすわけだ。
つまりだな、高校生活の初動としては、隣の奴と話せればなんとかなるんじゃないか?そう、上は目指さない、最低限でいいのだ。
「じゃー、早速ホームルームを始めようか」
そんなことを考えていると、担任の若い女性の教師が教室に入り、そのように言う。
銀髪でメガネをしたなんだかキューティクルな印象の人で、若干猫背。それに加えて……その、大きい……。
「じゃー早速だが、諸君に自己紹介してもらおうか……っと、うっかりしてた。まず先生が自己紹介をしなくちゃな」
そして先生は黒板に『富士響子』と自分の名前を綺麗な字で書いた。自分自己紹介を忘れるとは……うっかりさんなのか?
ってかこの人『諸君』とか言う人なんだ……ちょっと変わってるな。先生にしてはちょっとやる気が感じ取れない感じでだ。
「私の名前は富士響子だ。教科は国語で、趣味は読書と釣りな。年齢は──あぁ、うーん、秘密ってことで。諸君──特に男子は私の胸に目が行きがちだと思うがぁ、頑張って耐えろ!思春期」
マジ?この人。なんかとんでもねぇ人なんじゃないか?確かに、目は行ってしまうが……自分で言うなよ!アンタ教師だろ!
教室中は少しざわつきがある。みんなこいつやべーだろみたいな感じでざわついているのかな。
「つーわけで、一年よろしくなー」
拍手は──起きなかった。僕は実は一番前の席なので先生が近いのだが、その先生から『アレッ、意外とウケなかったし、拍手もねぇや』と、小声で聞こえるのだ。これが先生の中ではウケると思っていたのだろうか……?うん、この人絶対変だ!第一印象終わってるよ!
「まー、先生のことはいいや、諸君も出席番号順に自己紹介していこうか」
そうして富士先生が生徒に話を振る。出席番号1番から自己紹介を行い、時々ギャグで空気を冷やしながら自己紹介は進んだ。
やはり、自由な校風なだけはあり、かなり個性に溢れた人たちがいるという印象だ。自己紹介からも伝わってくる。
そして、僕の隣の席の女子生徒の番になった……。
ここまで伝えなかったが、僕の隣の奴がどんな奴なのか説明しておくと、まず、左目に黒い伊達政宗みたいな眼帯をしていて、その上が更に髪で覆われている。いわゆる『目隠れ女子』という奴だろう。怪我……でこんな黒い眼帯付けるのか?いや、まだ分からん。もしかしたら極度に顔の左が見られたくない事情でもあるのかもしれない!
そして両腕に包帯を巻いている。うん、腕も怪我してるのかもしれない!
制服も自由にカスタムできる為、黒と赤をベースとしたカラーリング。僕はこの赤と黒を『中二病カラー』と勝手に呼称しているのだけど……。
いや、まだ分からない。なんか十字架のネックレスもしてるけど、きっと吸血鬼退治でもするんだろう!
ガラガラと椅子を引き、隣の席の女子は立ち上がる。そう、自己紹介を聞くまでまだ分からないじゃないか!
うん、安心しろ、こんな見た目だが、決して中二病などではないはず。そう、本人は意識してなくてもたまたまそう見えてしまうだけかも──
「我が名は中ノ崎 二那──というのは、世を凌ぐ仮の名前だ。本名は……フッ、君たちには教えられないなあ、我の名を知ってしまうと君たちに危険が及ぶからな!趣味は……まあ、色々あるが、魔術の研究、実験……そして──『組織』の連中を狩ることだな。フフフ、いやあ、『組織』の奴もずいぶんしつこいもんだ。まあ、退屈しないってもんだがな。おっと、君たち一般人にはここまでにしておこうか。危険だからなあ、『組織』は。だが、まあ、我とは普通に仲間として接してくれて構わない。これからよろしく頼む」
「………………」
クラス中にこんな風に沈黙が走った。富士先生の時みたいなざわつきも、冷やかしも、笑いもなかった。みんなぽかーんとしている。冷やかしはないが、春の教室に冬が訪れたことはお分かりいただけるだろう。
というわけで、案の定、僕の隣の席の女子生徒、中ノ崎は世間一般で言ういわゆる『中二病』であった。
どうでしたでしょうか!まだ一話なので、あんまり全体が掴めていないかもしれませんが、多分、ここからが面白いので(自分でハードルを上げる)ぜひ続きも読んでいただけるとありがたいです。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、いいね、星5評価をどうかお願いします!
いいねしてもらえると、ほんとにモチベが上がるので、是非是非是非是非是非よろしくお願いします!
あと、Xのアカウントもあるので、よければそちらもフォローお願いします!




