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へたくそから持ってる奴へ!

作者: 白髪のバナナ

俺はどこにでもいる平凡な中学生だ。家から一番近くて1番友達が多く来る中学校に入学した。部活はもともと習っていたサッカーを続けたかったからサッカー部に入部した。体験入部が終わり本格的に部活が始まった。だけど、最初の1年はつまらなかった。理由は簡単、やることがなかったんだ。少しの練習はあったが、もともとグラウンドが小さい学校だったので他の部活と分けて使う時には、大会を控えていた先輩達が優先的に練習するため、先輩達からも少しのボールも使わないで欲しい、そもそも邪魔なので部活に来ないで欲しいという圧を感じた。気持ちも分からなくもなかったが納得は出来なかった。そして3年の先輩達の最後の大会。結果は2戦目で敗退.....。最後の集会で泣くキャプテン、これで終わりなのかと信じられない顔をするスタメン組、なんて声をかけたらいいのか困っているベンチ組....。そして、何故かケロッとしている顧問...。この中にいた僕らは、これが中学のサッカーなのかと思うと唖然としてしまった。だって、練習であんなに上手かった先輩たちが、たったの2戦目で負けたんだ....。時は経ち、2年と1年中心の部活となり、前よりも本格的な練習ができた。僕はチームに馴染めずにいた。みんなより下手だったからだ。小学校の時に入っていたクラブチームではAチームのエースだったのに。そのときに一緒に頑張っていた仲間もいつの間にか俺より上手くなってて....。陰口はいっぱい言われた、部活の試合の時も、あいつまじ下手、アイツいると負ける、と先輩ならまだしも、同級生の仲間にも言われてしまった....。誰も俺の仲間なんていなかった。辞めようかと思った、親や友達にも相談できなかった。そして僕は、部活をサボるようになった。自分ではもっと上手くなって見返したい気持ちもあったけど、それ以前に仲間にいろいろいわれるのが嫌で行けなかった....。自分が情けない....学校の成績も悪いし、親の手伝いなども全く出来ていない...。そして、そんな気持ちの中始まってしまった1年生大会、人数がちょうど11人だったのでスタメンには入れた、中盤のポジションで出た僕は活躍0、ミス連発でみんなに迷惑をかけた。結果は予選通過は出来たが、市内で1番強い学校に当たってしまい、3-1で敗北...。僕らの初めての大会はベスト16で終わったんだ。そして2年になった、部活動継続届を、出そうか迷った。迷ってる内に、父に継続届は?と言われた。イライラしていた僕は部活を辞めたいと、言ってしまった。父は理由を聞いてきた。僕が理由を話した直後、思いもよらない回答が帰ってきた。じゃあ辞めろ。逃げたいなら辞めろ、お前がそれでいいならな。と、僕はムカついた、なんなんだよ親まで!と、暴言を吐いて寝た。今思えば、この一言がなかったら俺は辞めていたかもしれない。絶対上手くなってやる!そう思った僕はみんなと逃げずに行動した。自分から放課後や部活がない日などに、サッカーしよ!とみんなを誘った。案外みんな来てくれて、一緒に遅い時間まで練習に付き合ってくれて助かった。みんなを避けてるのは自分だった事に気がついた。敵じゃない、仲間だったんだ。サッカーは11人じゃないとできない。こうして2年の夏には転校してきた人や、もともとサッカーをやってて転部してきた人もきて、人数が増えたが、不動のスタメンの座を掴むことが出来た。顧問も変わり、戦術や、フォーメーション、や選手の起用法など、全てが変わった。最初は顧問も誰をどこのポジションにするか、迷っていた。試合を行ってくうちに、顧問の中での適正のポジションが決まった。結構みんな大幅に変わっていた、僕は小学校の時に行っていた、右ウイングだった。そして新しい顧問の体制になったとき、大会が始まった、僕らは初めて、ベスト8まで行けた。嬉しかったが、悔しかった。1年生大会で負けた強豪のチームになんと5-0の大差をつけられての敗北。前より強くなったのは僕らだけじゃなかったんだ。と改めて気付かされた。そもそも試合前から諦めている仲間もいた。だけど、この経験から1年程たち、3年生になった僕らは、練習試合で、ほとんどのチームに勝てるようになっていた。あの強豪のチームとの練習試合はなかった。おそらく、そこら辺の中学には興味無いのだろう。次は勝つ!みんなもその気持ちで挑んだ春の大会。引退をかけた大会前最後の大会だ。予選を練習試合でも引き分けが多かったライバルチームに5-0の圧勝。それ以外のチームにも1点も取らせず、予選は1位通過できた。そして、準々決勝アウェーでの戦い。アウェーの状況というのもあり、いつもなら余裕で勝ってた相手なのに、点が入らない。そしてなんとか入った1点。守り切りたかったが、コーナーキック、人がごちゃごちゃしてるなかを決められて、同点に追いつかれると、観客は大騒ぎ、野次をとばしたきたり、応援に来ていた生徒が校歌を歌い出したり、完全に敵のペース。そんななか、大きな声が聞こえた。僕らの親の声援だ。これに答えないと!みんながそう思った。しかし、ゴールを守り切られ、決着はpk戦へ。

仲間の1本目は、なんとド真ん中に強烈な玉を打ち込み、決まった。対して敵は、仲間のビックセーブで、外した!

これには驚いた。あんなセーブプロでしか見た事ない!

2本目もしっかりと仲間が決める、敵もしっかりと決めてきた。そして、3本目....なんとキッカーは僕だ、前々からPKのときに、小刻みに遅くステップを踏んでからボールを蹴るという自分のスタイルを決めていた。でも、正直大会では、普通に蹴ろうかと思った。だけど、気持ちを落ち着かせていつもどうりに蹴った。観客も自分が助走を開始したとたん驚いていた。そして、しっかり決まった。自分の心は嬉しさでいっぱいだった。そして敵はまた、仲間のビックセーブに止められた!これにはもう感謝しきれないものがあった。そして4本目、決めたら勝つ....この大一番は僕の親友であり、基礎の練習を毎日している最高の練習相手でもある。...ボールをセットする、5歩くらい下がって、覚悟を決めたのか、ボールに近ずいていく....!入った!蹴ったボールは右下に入った....。勝った、勝ったんだ!みんながこの窮地を救ったヒーローである、キーパーに駆け寄る!準決勝進出が決まった瞬間だった。そして、その後衝撃の事実が、顧問の口から伝えられた。あの例の強豪チームは、春の大会は不参加だそうだ。みんなは唖然とした。そりゃそうだ、みんなリベンジするつもりだったんだ。だけど、今まであのチームのせいで次のステージに駒を進めれなかったんだ。あのチームがいない大会。絶対に優勝しなきゃいけない!みんなの思いは1つになった。そして、準決勝....なんと相手の10番は、小学校時代同じクラブチームで、一緒に切磋琢磨し合った仲間じゃないか!試合前に元、同じクラブのチームメイトだった仲間も気づいた用で、みんなで話した。そして、俺が勝つ!と言われたので、いや俺らが勝つ!と言い返したのを覚えてる。そして始まった試合....試合は僕らのペースだった。だけど敵はものすごく大きな声で励まし合い、あの10番を中心に硬い守備で点を許してくれなかった。だが、前半の終盤最後の最後で、僕らのエースである10番で左利きで、僕と反対の左ウィングにいる、幼なじみの友達が決めた。今思えばこの大会でチーム内で1番点を決めたのは彼だった。チームの点が欲しいときにいつも点を決めてくれる。そして、後半開始早々2点目が入った。2点目も彼のプレーからだ。コーナーキックを蹴った彼は、カーブを掛けて、僕たちの戦術の1つでもある、直接コーナーを狙った。そして、直接入った訳では無いが、敵がヘディングのクリアミスをしてしまい、2点目が入った。そして、僕らはこの2点を守り切り、これまでの大会史上初の決勝進出を果たした。ここまで来れたことに驚いた。だって、最初は、1年の時は、ベスト16だったんだから。喜びとともに、ここまで来たなら優勝したい!という思いがみんなの中で一致した。僕らの試合が終わったあと、敵チームの10番が来た。何だか同じクラブチームだった時のことを思い出す。そしてその10番は言った、絶対勝てよ....これだけを涙ぐみながら言ってくれた。通り過ぎる彼に背中越しにおう!と返事した。そして、迎えた決勝戦。相手は1度も練習試合をしたことがなく、直前に相手の試合を見た時率直にこう思ったんだ。めちゃくちゃ上手い....。決勝まで来る相手だからそれは当たり前だと思っていたが、あまりにも上手かった。でも、今の僕らは違う。上手くなっただけじゃない、気持ちも強くなったんだ。怖気ずくどころか、勝つことしか考えてない僕らはワクワクしていた。そして、僕はこの試合にかける思いが大きかった。今までFWなのに1点しか決められてないからだ。最後の決勝、点を決めるのは俺だ!試合開始のホイッスルがなり、試合が始まる、試合は互角、どちらにもチャンスはあった。それを決めた方が勝ちだ…勝負の鍵はFWにかかってる…。相手の屈強なFWを仲間のCBが、体を張って守る。相手はそれにイライラしてたのか、ファールを連発する。内容も悪質だ。普段は声を出さず、冷静沈着な顧問も声を出して抗議していた。歓声もより一層大きく感じた。そして何回も来るチャンスを僕は外してしまう。いつもなら入るところも力んでしまう。試合も終盤、あと10分で終わるところだった。突然観客の誰よりも響く大きな声が聞こえた。僕の母親だった。俺のゴールが見たいってさ、なんだよそれ。余計に力むじゃねぇか!けど、心の中で笑った、少し気持ちが楽になった。そして、突然チャンスは来る。マイボールのコーナーキック、仲間が蹴ったボールは相手のディフェンスに弾かれる。だが、そのボールを逃すか!と仲間のオーバーラップしていたCBがヘディングで返すそしてそのボールが、ポストに当たる。ボールがこぼれた....ボールが向かった先は....そう僕だった。力むな、当てるだけでいい、そう思い冷静に振った足はボールの芯を捉えた....ボールは吸い込まれるように右下に入った。入った、入ったんだ!1秒で、状況を理解した僕は喜んで走った、みんなが駆け寄ってきて喜んでくれた!だけどまだ、試合は終わってない!気を引き締めて、僕らは最後まで走りきったそして、ホイッスルが鳴った....。終わった、終わったんだ!勝ったんだ!優勝したんだ!みんなが叫んだ。ここまで一緒に戦ってきたお互いを称えあい、喜びを分かちあった。親や、仲間にはお前持ってんな〜って言われた。そしてみんなとともに、新たな目標が見えたんだ!最後の大会、あの例の強豪チームもでる!その最後の大会で優勝だ!俺たちの戦いはまだ終わってない…。

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