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灰被家②


新が真白とめでたくお付き合いを始めた翌日の朝。一足先に家を出た父親がすぐさま引き返してきたことで、灰被家の状況は一変する。


「あれ?お父さん忘れ物?」

「いや、ちょっと新に……、新!いつまで髪の毛のセットしてるつもりだ!真白君がもう家から出てきてるぞ!」

「は、嘘だろ!?まだいつもの時間より30分は早いけど!?」

「真白君が!?お父さんナイス伝達!新!早く制服着て出ないと真白君行っちゃうわよ!」

「わかってる!…〜っ、でも前髪がっ、」


父親は玄関から靴を履いたままの状態で洗面所を長く占領する新に呼びかけるが、何やらまだ髪のセットが決まっていないらしい。困惑の声が響くが、その気持ちは両親とて一緒だ。

早く早く!せっかくの恋人関係初日の登校なのだ。毎朝大路家の玄関を見張っては真白君が出て来るのに合わせて登校しているくせに、今日その力を発揮出来ずにどうする新!


「真白君、今日はえらく早いな…。もしかして新と付き合えたのが嬉しくて早起きしたんじゃ…、」

「まさか!一晩中ベッドでバタバタ興奮して早朝の数時間しか寝れてない新じゃあるまいし〜」

「それもそうか!」

「「はははは!」」


自分達の息子の喜び具合が微笑ましくて笑っていると、ドタバタと洗面所から話題の中心人物が駆け寄って来る。いつも以上にセットに時間をかけているだろうに、こちらからはいつもとの違いが全く分からないのはよくあることだ。


「なあ!これ前髪変じゃない!?大丈夫!?」

「中途半端に上げるより全部おろした方が真面目っぽくて良いんじゃないかしら?」

「前やってたセンター分けの方が似合ってなかったか?」

「時間無いのに今更惑わすな!!」

「「聞かれたから答えたのに…」」



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