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私は、行けない。  作者: たけ ゆう。
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5

「ゆき、朝だよ!起きて」


お母さんが、なかなか起きてこない

私を呼びに部屋に入ってきた。


「…やすむ」


「体調悪いの?」


「うん」


「そう…珍しいね。分かった、今日だけね」


「うん、ごめんなさい」


「お母さん、仕事に行くからね」


「うん」


家族、居なくなった。静か 。


1階に降りる。


歯磨きと洗顔を済ませる。


キッチンに移動して

冷蔵庫からペットボトルの水を取り出し

コップに移し飲む。


「おいしい」


なにもする事が、ないから部屋に戻る。

ベッドに入り目を閉じる。


「ただいまー」


いつの間にかもう、お兄ちゃんが帰宅する時間。


1階に降りる。


「おかえり」


「あれ?今日、休んだの?」


「うん」


「ふーん、じゃ俺、今日バイトだから」


「いってらっしゃい」


見送って、また自分の部屋に戻る。

もう学校、終わった時間なんだ。

明日…………、むり。


朝、なんて言おう。








家族が全員、揃って

晩ご飯を食べて、それぞれの時間を過ごした。


「ゆき、明日は行ける?」


お母さんが心配そうに聞いた。


「ん…」


はっきりとは答えなかった。





1ヶ月休み続けた。

学校から連絡があり私が2回早退をした事が

両親に知らされた。

ショックを受けていた。


お母さんは、泣いていた。

お父さんは、悲しそうだった。


ごめんなさい、そんな表情をさせて。


それからは、「学校いく?」という

言葉は聞かなくなった。


ただ、申し訳ないという

気持ちが、どんどん大きくなっていく。


家族とも顔を合わせる回数が減った。










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