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レベル1  作者: ヨシハル
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2 影を操りし者(中編)

 午後、美姫は大石景虎の過去を調べ、蓮は現在の大石景虎を調べた。


 翌日、灰村探偵事務所では美姫と蓮はは調べていた大石景虎について照らし合わせていた。


   ◆   ◆   ◆


 大石景虎は幼い頃、両親から虐待を受けていた。

 能力に目覚めたのは小学5年生の時、母親に体罰を受けていた時だった。

 結界、能力が目覚めると同時に母親を殺害、そのまま施設へと預けられる。

 16才の時、Level2と認定されるが、この時から他人への暴力が目立つ。

 そして20才、アビリティLevel3に上がるとそのリスクとサイコパシーの高さからLevel4と認定される。


 昔は政治家のボディガードとして働いていたが、暴行を繰り返し、徐々に手が負えなくなり解雇になる。

 元裏NABニューアビリティバトル出身である。


 能力について、主に自分の影を自由自在に操り、影で相手を掴まえたり、叩いたり、また切り刻む事も出来る。

 また暗闇の中では影を纏う事で自分の姿を消したり、監視カメラや人の目を覆う事で相手の視界を奪う事も可能である。

 この能力を最大限活かせるのは夜であり、特に尾行や潜伏、そして暗殺を得意としている。


 過去の犯罪履歴は•••


   ◆   ◆   ◆


「蓮さん、ちょっと1億円の仕事にしてはさほど難しく無いのではないでしょうか」


「うん、そうだね。サッサと捕まえていい終わらすか?」


 蓮は確認の電話を入れた。


あおい、ちょっと聞きたいんだけど」


「どうしたの蓮、もう大石景虎を捕まえたって事は無いわよねぇ〜」


「まだだけどさぁ、すぐに捕まえていいんだろ?」


「出来るならそうしてほしいわ。現在、何処に潜伏しているか分からないのよ。それと特八でも追っているから間違って捕まらない様に気をつけてね」


 特八とは、警視庁特殊犯罪対策部第八課の略で、主にLevel4以上のニューアビリティを抑える為に創られた部署である。

 また特七は特殊犯罪対策部第七課の略で、Level3以下を対応する部署で、特六は特殊犯罪対策部第六課の略で、未成年のニューアビリティに対応する部署である。


 蓮は電話を切る。

 どうやら、一番厄介なのは見つける事みたいである。

 この続きの報告書を読み直すと今までの犯罪に共通点を見つけた。


   ◆   ◆   ◆


 名前 早乙女 葵 (さおとめ あおい)


 能力 糸


 NA  Level4


 表では警視庁特殊犯罪対策部第八課の課長をしているが、裏では国家機密諜報機関の一人である。

 裏では状況に合わせて各チームの依頼を割り振っている。


   ◆   ◆   ◆


「さて美姫ちゃん、後は景虎の潜伏先を見つけて捕まえるだけだけど・・・特八も動いているから気をつけないとね」


「はい、でも何処に向かうんですか?」


「俺の予想だと次はココだな!時間帯は午前2時から5時の間と思う。後はいつ動くか?だね」


「しばらくは順番に見張りですね」


「いや、たぶん月が見えない時だと思うよ」


「何故ですか?」


「奴は慎重派というよりも臆病っていう所だね。確実な日を選んでくる」


「分かりました。日を調べておきます」


 あれから数日が過ぎた。

 蓮の予想通り、まだ事件は起きていない。

 すると蓮が立ち上がり外を見た。


「美姫ちゃん、準備しておいて!たぶん今日だ」


「蓮さん、一番陰る日は明日ですが」


 蓮は美姫にもう一度報告を確認させると美姫も納得した。


「さすが蓮さん!なるほど、景虎のトラウマって所でしょうか。もしくは母親に求めていた事を•••どっちにしても心の弱さが生み出した犯行でしょうね」


「ああ」


 蓮達は目的地に向かった。


 午前5時、一人の女性が帰宅していると、人気の無い道でゆっくりと大石景虎は姿を表した。

 景虎は自分の影を伸ばすとその女性の口を覆い、そして身体を縛った。

 身動きの取れなくなった女性は泣きながら首を左右に振り、助けを求めようとする。

 そして次の瞬間


「そこまでだ!」


 景虎を吹き飛ばした。


「た……助け……たす………」


 蓮は女性に声をかける。


「もう大丈夫だ。美姫!後は頼んだ」


震えて座り込む女性に美姫が近づき、ゆっくりと助け起こす。


「安心して下さい。ここは危ないから離れましょう」


 美姫は女性を安全な場所に運んだ。


「景虎!お前を捕まえに来た」


「クックッハハハハハァ」


 景虎は笑いながら立ち上がり、姿を見せた。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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