幼なじみとの異世界転生
キリのいいところで区切ったので短めです。
いつからだろう、俺がこの世界に嫌気をさしたのは。
いつからだろう、生きるのが憂鬱になったのは。
気づいたら俺は、ビルの屋上にいた
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「和也ー、ご飯よー」
「、、、、」
「それじゃあ、ここに置いておくわね」
私の息子、和也が自室に引きこもってからどのくらいが経っただろう。小学校まではちゃんと行っていたのに、中学生になってからというもの、自室に引きこもって出てこようとしない。お風呂にはちゃんと入っているらしいが、そこを付いて引き留めるのも何だか悪い気がして、結局話すことすら出来ないまま和也は高校2年生になってしまった。なんとかそこそこの公立高校には入れたが、相変わらずずっと部屋から出てこようとはしない。
「今、あの子は何をしているのかしら、、」
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「プレイヤーの勝利!」
目の前のパソコンからそんな音声が流れてくる。一体このゲームを始めてからどのくらいだったのだろうと思い時計を見てみると、最後に見た時間から8時間が経っていた。
「、、、そろそろやめるか」
俺、如月和也はニートを始めてからはや5年目に突入していた。それからというもの、こうして学校にも行かずにだらだらと毎日を過ごしている。
「深夜の4時か、風呂にでも入るか」
そう言って、風呂に入ろうとしていたら、突然インターホンが鳴った。
「ピンポーン」
「うおっ!なんだインターホンか、脅かせんなよ」
そう言ってこんな時間に親が起きてるはずもなく仕方なく俺が出たのだが、、
「はーい、、うわっ眩しっ!」
玄関のドアを開けたら外はとても眩しかった。どうやら俺は午前と午後を間違えていたらしい。
「え?カズ君?」
目の前の人にそう言われ顔を見るとそれは幼なじみの雪原ユキだった。こうして顔を見るのは何年ぶりだろう。
「カズ君、久しぶりだね。4年ぶりくらいかな」
もうそんなに月日が経っていたのか。
「今日も学校のプリント持ってきたよ」
爽やかに笑いながら彼女はプリントを差し出してきた。
彼女、雪原ユキとは幼稚園からの付き合いで小学、中学、高校と一緒だ。中学にあがって俺がニートになってからというもの、毎日学校の配布物やらを持ってきてくれている。まあ、毎回俺の母親が受け取っているが。
「まさかカズ君が出てくるなんて、びっくりしたよ。はいこれ、今日のプリント」
「たまたま部屋から出てだけだ。」
そう素っ気なく答え、プリントを受け取る。
「それじゃあな」
「あっ、カズ君」
別に話すこともないのでさっさとドアを閉めると、久しぶりに誰かと話したからか、どっと疲れが押し寄せた。
「、、早く風呂はいって寝るか」
そうして起きてからまたゲームをしようとパソコンを立ちあげゲームを開くと、運営からメールが送られてきた。
「なんだ?」
当ゲームは今年度をもって廃止となります。今まで利用してくださった皆さま、誠にありがとうございます。それまで、心ゆくまでお楽しみください。
は?なんだこれ?このゲームが終わる?
俺がニートになってから、俺はずっとこのゲームばかりをしていた。それなのにそれが無くなったら、俺にどうしろというのだ。一応本当かどうか確かめるため、いろんなサイトを見たがどうも本当らしい。
その瞬間、俺の中で何かがプツンと切れた。
唯一の生き甲斐であったこのゲームが無くなったら、こんな世の中で生きている意味なんてない。実力主義だの経歴主義だの言っているこんな世界で生きていくのはまっぴらゴメンだ。
気づいたら俺は外に歩き出していた。
向かう先はもちろん、この辺で1番高いと言われているビルの屋上だ。
ビルの屋上に着くと、俺はビルのへりに立った。こんな世の中に未練なんてない。
そうして俺がビルから飛び降りたその時、、
「カズ君、ダメー!!!」
後ろから何か声が聞こえた。
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「んー」
目を覚ますと、俺は見知らぬ場所にいた。ここはどこだと思いつつ、俺はさっきまでの記憶を思い出す。
「あれ?俺ビルから飛び降りたよな?それなのにどうしてこんな所に?それよりも最後に聞こえた声は一体?」
そんなことを言いながら、体を起こそうと地面に手を着いたら、
ムニッ
、、、、ムニッ?
手を着いた先を見てみるとそこには幼なじみのユキが寝ていた。俺の手はユキの大きなふたつのお山に置かれていて
「ふにゃ?なんでカズ君がここに?」
ユキが目を覚ましてしまった。そして俺の手はまだそこにあり
「かっカズ君!?どうして私の胸を!?」
そう言って瞬く間に立ち上がった。
「だからごめんって!わざとじゃないんだ!この通り!」
「もう!、、まあカズ君がそう言うなら信じるけど、、」
「それよりもここはどこだ?日本ってわけじゃなさそうだけど、、」
「それよりもカズ君!」
俺がこの場所について考えに耽っていたらユキに呼ばれた。一体なんだろう。
「なんであんなところから飛び降りたりしたの?危ないでしょ!」
どうやら俺がビルから飛び降りたことを言っているらしい。
「それについては悪かったって。それよりもなんでこんな所にいるんだ?それになんでユキまで?」
「、、それは、、私も一緒に飛び降りたから、、」
今なんて?
「い、いや、外歩いてたらたまたまカズ君見かけて、どこ行くのかなーって着いて行ったらあそこから飛び降りようとしてたからそれを助けようとしたら、、」
一緒に飛び降りちゃったというわけか。
「そう!それでこの場所!一体どこなの?」
「俺に聞かれても困るんだが」
俺がそう言うとユキはスマホを取り出して何やらいじり始めた。
「あれ?電波が繋がらない。ここは日本じゃないの?」
なんとなく予想していたが、俺の予想は正しかったらしい。
「多分ここは日本じゃない。それどころかたぶん地球でもないと思う」
「じゃあここはどこだと思うの?」
ユキの言葉に俺は自信をもって答えた。
「異世界だ!!!」
テスト期間なので次回の投稿は遅めになるかもです。