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馬のように

念のためドアではなく窓を突き破って外に出る。思いきりよくやれば以外と痛くなかった。狼の瞬発力があってこそかもしれないが、まあそれはどうでもいい。

隠れ家は隠れとつくだけあって少し奥まった所にある。背の高い建物に囲まれ、日光や視線は届きづらく、また風通しも良い。しかも、すぐ大きな通りに抜け出せるので逃げやすく、道もたくさんある。なんなら、用途不明の階段から外に向かって続いている用途不明の足場まである。道が狭いから、攻め込むのにはまるで向かない上に逃げ放題なのだ。

だが今回はそれが仇となった。

出遅れたこともあって、見失わないように食らいついて走っていた私は、張られた鋼線に気が付かないで凄い勢いでぶつかった。肉体が千切れることはなかったものの、全身の皮膚がズタズタになってしまった。

いつ張った?この道は今しがた普通に敵が走って逃げていたから、おそらくその通り抜けた一瞬だろう。 

 「本当に一筋縄ではいかないな……罠を仕掛ける能力、といった所だろうか?いや……」

睡眠はその限りではない。あれは唯一、能動的な攻撃だったのだろうか?それとも何か予想も出来ない秘密が隠されているのだろうか……?

後ろで、玄関が開いた。

 「何!?」

爪を鋭く変化させて振り向いた。その先には、あの男がいた。

 「ああ、そういえば自己紹介していなかったな……といっても、名前を教えるわけにはいかないんだが……まあ、暁とでも呼んでくれればいい。それよりも、謎がわかったぞ。とても簡単な事だ」

暁というらしい自称神様の男は、顔から白いドロドロを足らしながらこっちに近付いてきた。

 「早く教えなさいよ。私の耳と鼻でも追跡できなくなっちゃう」

 「ああ、そうだな。おそらくこの能力は、罠を再現する能力だ。どの罠も見たことがある。眠らされた罠なんてのは顕著だ……どれくらいの範囲の罠を再現できるのかは知らないが、少なくともこれらは全て漫画作品に出てきた罠だ」

 「じゃあどうやって捕らえる?少なくとも凄い早さで罠を再現できるのよ?」

仕掛けたのは馬ではないが

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