第8話 これは何かの呪いだろうか
「これで冒険者登録完了です~」
そう言うとポンとギルドカードにスタンプを押してくれた。
右下には「G」の文字。
ふう~。無事に冒険者登録が終わった。
「お疲れさまでした~。頑張って冒険者ランクをあげてくださいね~」
そうだ。どんどん実績を重ねてランクをあげて行こう。
次は依頼探しだな。
「俺が受けられる依頼ってあるかな」
しかし冒険者ランクはG、冒険者レベル1の俺にも受けられる依頼は果たしてあるのか?
いや、例えあったとしても、そんな俺にも受けられる依頼って一体……一抹の不安が頭をよぎる。
「ちょっとお待ち下さいね~」
と行ってミミが席を外す。
が、一分もしない内に戻ってきて、テーブルの上に紙の束を置いた。数十枚はありそうだ。
「これ全部依頼?」
「そうです~。「レーベル」と西にちょっと行った「ペクトロ村」の依頼表ですよ~。ただ全部のランクの依頼が載ってますので、手分けして見ていきましょう~」
この辺はアナログなんだな~と思いつつ、言われた通りに俺とダズとミミの三人で、依頼表の確認を始める。
どれどれ。
一枚の紙には要点だけ絞って、十件程度の依頼が記載されている。
Eランク レーベル近辺に出没する盗賊の殲滅任務
Cランク ペクトロ村近隣の森に生息するヒュドラの討伐
Dランク 食人植物の栽培。(ギルド管理案件 経験者優遇)
Dランク レーベル共同墓地の調査。アンデット退治含む。
Fランク レーベル下水道でのデスラット駆除(歩合制)
Bランク 都市「カルッセオ」迄の要人護衛任務(長期。パーティでの参加歓迎)
Cランク 新魔法の治験。魔法抵抗に自信のある方。
Dランク 臨時。レーベル武技訓練所にて槍のインストラクター。ただし冒険者レベル200以上。
Dランク ジスガン川にて水質調査(ゾンビピラニア多数)
Eランク ヤンキースライムの捕獲。最低30匹~。
おおぅ。いやだいやだ。
物騒な依頼ばっかり。
まぁ。ランクからして、そもそも依頼は受けられないんだけどさぁ。
「これなんかどうだっ。ウホッ」
ダズが別の依頼表を差し出す。
Dランク 猛毒バナナの試食。保険適用外。
やりたくねぇー。
てか、お前はバナナに反応しただけだろうっ。
何気にランクも高めだし危険極まりない。
こんな依頼を受ける奴はいるのだろうか。
と、ダズを見ると眼をキラキラさせている。
いや、まさかな……
しかし思ったよりもFやGといった低ランクの依頼が見当たらない。Gに至っては皆無だ。
低ランクの依頼は高ランクの依頼のついでに受けて、ついでに達成させる事も多いのだそうだ。
なかなか初心者冒険者には厳しい環境である。
「一度に受けられる依頼数に上限を設ける案も出てたんですけどね~」
だが、その案は議会や住民の猛反対により見送りとなったらしい。
依頼者から見たら、さっさと自分の依頼を達成してくれた方がありがたいからだ。誰がいくつ依頼を受 けてるかなんて関係ない。
「あっ!」
ミミが声をあげる。
「えへへ~。Gランクの依頼ありましたよっ!」
マジかっ!
「どんな依頼っ!?」
「えへへ~」
なんだなんだっ。
こうなったら討伐でも採集でもなんでもいいっ。
早く教えてくれっ!
「それでは発表しま~す」
脳内でドラムロールが鳴る。
ダズも興味津々だ。
ミミは更に勿体ぶって、少し間をあけて発表した。
「ここなんかどうです?芋を煮る工場。あなたにぴったり」




