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今日という一冊

作者: 清水 秋葉

 私は図書館を営んでいる。

しかしそれは登録をしていない、公には知られることのない図書館である。

本の貸し出しは基本行っておらず、入館退館に際して金銭を要求したりもしない。

ただただ、静かで、非現実的な世界で、読書をする為だけの空間を提供している。

それが私の図書館である。

 蔵書量はさほど多くない。

普通の読書家が所持する以上にはある。

町の図書館並みにはあるが、本の分野は酷く偏っているのだ。

蔵書を増やす方法は4つある。

私が買う。

来館者に寄付してもらう。

私が書く。

来館者が書く。

この4つで私の図書館の蔵書は増えていく。

 特に多いのが来館者からの寄付だ。私の図書館が気に入ってくれたのか、何度も来館する人は多い。

そして、常連の来館者は来館時に新しい本を持ってきて、図書館内で楽しみ、読み終わった本を置いていく。

それがどんな本であれ、寄付してくださることを拒まない。

新たな住人を快く迎え入れる。

 また、ここには何処にも売られていない本が沢山ある。

来館者が書いて、それを寄付する形や、私自身も本を書き、蔵書として加える。内容は様々で、詩集や落語、駄洒落図鑑、手書きの植物図鑑まである。

ここにある物はすべてオリジナルで、複製はしない約束になっている。

このオリジナル本を読みに来る人も良く現れる。私も新しく加わるたびに、例え図鑑であっても、絵画集であっても、1頁1頁丁寧に拝読している。

どんな本であっても、私の図書館の住人なのだ。

敬意を持って、接するべきであろう。

  なぜ私営の図書館に人が来るのか、来館者にとって特に利益らしい利益もないのに、寄付してくれるのだろうか。

図書館に来たことのない友人知人は私に尋ねてくる。

私にとって最高の本を読む空間を無償で提供しているということが、来館者が多い要因ではないだろうか。

私を含めて、図書館には2人しか入れない。椅子の数はたくさんあり、種類もソファーやベンチ、小学校の頃の木椅子など多種多様に用意している。

気分によって座り方や読む姿勢が変わる私は、様々な椅子を用意することで最適な姿勢で読むことが出来ている。

また、椅子だけでなく図書館の構造も変わっている。

私は本を読む時、いつもとは違う空間で読むのが大好きだ。

例えば喫茶店、例えば木漏れ日の中で、例えば屋上と、静かで、孤独で、非日常な空間で読むのが好きなのだ。

この図書館は本の取り出しやすさ、探しやすさを考慮したうえで、円柱状の建物となっている。

中央には多様な椅子。

360度本に囲まれた空間で、最適な椅子に座り、本を読む。それが私にとって至福の時間なのだ。

読書好きが全て、この条件が好きなわけではないだろう。

だからこそ、私と同じ気持ちの方々が、図書館に魅了され、何度も来て下さるのだろう。

 今日の来館者はまだ来ていない。

きっと今日の来館者はあの人だろう。

そう思いながら私は本を書く。

この話を書き終え、図書館に新たな住人が加わるのを心待ちにしながら、筆を進める。


あなたにとって何ともない1日は

きっと1つの素晴らしい物語になると信じて

みんなの何ともない1日で出来た

すこし不思議な図書館のお話でした

もっと、上手に日本語が扱えるようになりたいです。

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