クラス召喚されました。
思いついたままに書いてみた
授業と授業の合間、ちょうど先生がクラスから出たとき、クラスの中に光があふれた。
おいおい大人を避けるとはずいぶん作為的だな?なんて思ったのは現実逃避の結果だろうか。
突然の光に振り返った先生の顔とか、所用で教室から出て行った数名のクラスメイトの顔とかがなぜかはっきり見えて、お前ちょっとそこかわれと思った私は悪くないと思う。
だってこれあれだろ?現実は小説より奇なりなやつだろ?違っていてもこんなはた迷惑な状況の中にいたくないと思うのは正常な人間なら誰だって思うはずだ。だってクラス中が光っているんだ、事情聴取と言う先生の尋問が長時間続くとかヤダー。でも異世界召喚はもっとヤダー。
おい、ヤダって言っただろ。なんで部屋の材質が変わってるんだ。
しかも机と椅子も消えやがった。突然の空気椅子はつらいに決まってるだろ皆しりもちついてるぞ。
「緊急事態発生、荷物がすべて消えた。私のご飯返しやがれ」
「伊野っち怒る箇所ちゃう。消えた弁当よりそもそも居場所が変ったことに怒れや」
「みとめたくなーい!」
「うむ、見事な現実逃避だ」
「おまえもなー」
完全な現実逃避をしている隣人はしばらく帰ってこないだろう。
わたしも帰りたくないが目の前にいる集団をいつまでも無視し続けるのもいかがなものか?
「ようこそいらっしゃいました。『勇者さま』方」
あら、テンプレ展開?しかしこのクラスは小説でいうテンプレメンバーはいないぞ?
クラス一の美少女も、クラス一の美男子もいない。
まあちょっとかわいいか?やかっこいいか?程度だし、一言発すればみんなが従うぜ!なカリスマ野郎もいない。
学校行事もムードメイカーな委員長を主体にはするが、全員で話し合って妥協点を探すといった感じで必ず反対意見が出るくらいだ。つまり何が言いたいかといえばだな?
「おい勇者誰だよ、返事しろ」
「いやわかるわけないじゃん。代表誰だよ?」
「いるわけないだろ。むしろメンバー足らん」
「後藤がいない、トイレに行ったままだ」
「進藤もだ。隣に辞書借りに行ったまま戻っていない」
「そこ違う、行方不明はむしろ俺たちだ」
「あ、あの?勇者さま?」
「おい呼んでるぞ、だれか返事してやれよ」
「だから誰が勇者だよ。俺違うし」
「わたしも違うし、むしろそうだとしても認めたくない」
「中二病は嫌だ」
「もう委員長でよくね?とりあえず代表」
「え、俺?」
「今この場での代表ってだけで勇者ちゃうってことで」
「話聞かんと進まなそうだし」
「もう帰りたい。なんで委員長になってしまったんだろう」
「いや、自薦じゃん」
「だってもう2年連続だったし、推薦狙ってたから内申点稼ぎたかったんだ」
「今明かされる真実ー」
「あ、あのぅ?」
「あ、はいはい。とりあえず、俺代表ってことで。お話し進めてください」
「はぁ」
目立ちたくない日本人の性で、代表決まるまでがものすごいグダグダだ。
決まった後もグダグダだ。
※会話は主人公の周りのみを切り取ったものでもちろんそのほかもみんな騒いでいます。