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プロローグ
よろしくお願いします!
太古の昔。
黎明の神代。
天地開闢の初め。
人という種は始まっていなかった。
我が物顔で大地を闊歩するは、異形の化生。大海原に跋扈するは、異躯の怪異。
日夜当り前のごとく血が流れ、屍の上に絶対的強者が君臨する。
死屍累々。夥しいまでの死骸が血の河と屍の山を造りあげる。
正も義も未だ形を持たず、悪すら存在しない。
有るのはただ、連綿と続く秩序なき混沌のみ。
弱肉強食。弱き者は地に這い蠢き辛酸を舐め、強者は天に佇み極上の美酒で喉を潤す。
世界を支配するのは実に単純明快な野性の条理。
英雄も豪傑も奸雄も梟雄も此処にはいない。
この地では、無理が通れば通理が引っ込む。
その世界は正しく混沌に満ち満ちていた。
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