初めの一歩
「ええ加減目ぇ覚ませよ!」
このセリフ…数年前から旦那が私に向けて、度々吐き出す言葉。
寝てる時以外、目は開いております。
ただ、覚めているか?と言われると自信がないってだけ。
病気??
そうかもしれない…。
一旦は治ったように思うけど、暫くするとまた再発する…と言うか、再発する状況に追い込まれる…と言ったほうが、私の中では正解かもしれない。
ただ、私以外の人はそうは思ってないらしい。
だってみんな、口をそろえて言うんだから。
あんたは浪費家!!って。
80年代半ば。
バブル全盛の翳りが見え始めてはいたようだが、服飾の専門学校に通っていた私は、バイトと遊びで毎日充実していた。
いよいよ卒業後の進路について考えないと…
学校に来る求人情報を見て、とあるアパレル会社に目がとまった。
《毎年海外研修有り。パリ・ロンドン・イタリア》
毎年??新入社員でも??
学校の卒業旅行がパリ・ロンドンだけど、行きたい人だけだし
親に言ってもローン組んでまでは無理!!って言われたし…
だったらこの会社に入れば行けるかも?って事??
じゃあこの会社に私の夢を叶えてもらおうじゃないの!!
…とまぁこんな感じで会社を決めた。
試験当日、道に迷ってギリギリに到着!
入社試験は10人程の集団面接のみ!
ほんとにこれだけ??
こんな簡単なもの??
きっと何かある!
周りの友達は2次試験があったり相当苦労してるし…。
だがそれも取り越し苦労で、簡単に合格してしまった。
いよいよ、憧れのパリ・ロンドン研修の夢に向かって、その第一歩を踏み出した。
と同時に、ここから私の浪費生活が始まったのである。