プロローグ
拙い文章ですが、よろしくお願いしますm(_ _)m
吐き出した吐息が空気中に分散されると、瞬時に凍りつくほどの冷気に満ちている洞窟。
発汗すらも、肌で感じる前に白い結晶となる。
その尋常ではない環境のこのステージも、広大なワールドマップを開拓する上での場所では序盤の序盤といった地点。
旅を始めたばかりの初心者にも、事前に備え付けられている地図をクリックダブルドローで広げてみれば、一目瞭然だ。
――ここは、架空のファンタジー世界、非現実な歪世界――
不可能とされてきた、幻想の世界を本当の実体験として体感できるVRMMORPGの中だ。
ご大層な機械の仕組みは未だに理解不能だが、庶民が完全に把握している技術なんて今の世界には存在しない。
だが、滑りそうな岩肌は鏡のように長い時間をかけて自作した、ナノ単位のリアル性のある容貌が映し出されている。手足が小刻みに震え、凍えそうな大気に身を縮めてしまうこの感覚。あらゆる要素がこの現象をまさに現実である証左。
このゲームには《ロール》というアバターでゲーム開始できる。
ロールとは、ゲーム内のもう一つの己。
先刻のアバターの緻密な表情も、ゲームを起動する前に膨大な時間を経て、入念に作成したものだ。低めに設定した声音や現実とは違って筋肉質な身体など、妥協さえしなければ、身体の至る所まで理想に忠実なロールを造り上げることができる。
――それがこの、全てのゲーマー理想ともいえるワンダーグロウの世界だった。
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