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野良狼、拾いました   作者: 桔夜読書
23/38

20話 考える人×2

どうもコミケが近づいてきてテンションが大変なことになっている妄想主義者です。

今回は幕間的な側面が強く割りと退屈な回かもしれません。


「のぞみん眠そうだね〜どしたん?」

朝、登校早々机に突っ伏している望に波涼が問いかける。

「ふあ〜……いや、まあ昨日の疲れがね…それとよく寝れなくて…」

「大丈夫か?そんなになるなんて、昨日どんだけ疲れたんだよ」

「まあ楽しかったけどね…やっぱ不馴れだからさ」

「俺としては羨ましい限りだ。その疲れはその代償だな」

「ははは…そうだね」

これと言って話すことも無いのか、こちらを気遣って離れる二人。正直ありがたい。今は本格的に眠い。昨日は心身共に疲れきったところに恋の奇行があったため、疲れはほとんど取れていない。それでも学校は普段と何一つ変わらない平常運転をしているので、学生身分である自分はいかねばならない。


ただ、それだけではない。

昨日、デパートに入ったあたりから感じ始めた視線。明らかに他の一般人とは違う視線。対象を観察するようなその視線には覚えがある。かつては自分もしていた視線だ。

昨日の段階ではその視線が誰に向いているかわからなかった。だから今日は相手が誰を付け狙っているかを知りたかった。そしてこれまででわかったことがいくつかある。

おそらく相手は自分が気づいていたことを知っていた。自分が気づいてから即座に警戒が強まったのが証拠だ。更に相手は複数。朝、同種のしかし昨日よりは拙い尾行と視線を感じた。組織だった動きかはわからないが厄介なことには変わりない。そして…

「なあ望。なんか昨日から変な視線を感じないか?その、盗み見るような…」

前の席に座る少女も朧気ながら気づいていたこと。これは恋の野性の勘とでも言うべきかそれとも…


狙いが恋だから?

しかし、理由がわからない。自分が狙われるならまだわかる。おそらく“家”絡みのことだからだ。だが恋は…魔力か…?

恋は人一人が持つには膨大すぎる魔力を持っている。けどそれはつい三日前にわかったことだ。現実的じゃない。更に仮に魔力が目当てだったとして、その先が見えない。

「な、なあ望。聴いているのか?」

駄目だ。情報が少ない。とりあえず思考を打ち切ろう。今夜あたり“家”に連絡すれば何か掴めるだろうか。恋を不安がらせないためにも出来る限り早く手をうっておきたい。

「ああ…ごめんごめん。ちょっと眠くてボーッとしてた」

「そうか…ならいいが、で、視線についてなんだが…」

「うーん。恋に心当たりは無いの?」

可能性としては低いがもしかしたら何か知っているかもしれない。

「いや…これといったものは無いな…」

一応、期待してはいなかったが、少しだけ落胆する。しかし、それを表には出さない。

「そっか…まあ気のせいかもしれないし、いつまでも感じるようだったら警察とかに相談してみよ」「うむ…それが妥当なところ、か…それと望は感じないのか?」

「恋ほど勘は良くないから…」

少し卑怯な受け答えだと自覚はある。確かに恋ほど勘はよくないが気づいてはいる。あまり彼女に嘘をつきたくないからとは言え、こういった誤魔化し方も少しばかり良心を苛む。

「む。そうだな。もし、何か気づいたら言ってくれ」

恋の言葉に少し苦々しい気持ちで首肯する。それを疑わない彼女にはどうかそのままであって欲しいと願う。親心に近いだろうか。純粋であってと願うのは友達としては傲慢だろうか。きっと無理なことなのかもしれない。それでもそういう世界に関わるのはまだ先であって欲しい。心の準備が出来ていないから。

僕のことを知った恋に嫌われる覚悟が


その夜。望は恋が寝静まったのを確認して庭に出る。

途端、塀の上に音もなく影が舞い降りる。

「命令に従い。参上しました。望様」

黒い服で全身を覆った者が現れる。体格や声から男だと思われ、出で立ちはまるで忍者のようで見えるのは目元だけだ。

「うん。ありがとう。待たせてごめんね」

しかし、望は特に驚くこともなく普通に話しかける。

「いえ。それでこの度は…?」

無駄話はしない性分なのか簡潔な返事で先を促す。

「最近、つけられててね。なんか怪しいからさ…」

「なるほど。その者らの素性の調査と、抹消ですね」

「いや、とりあえず調査だけでいいよ。そっちに任せてばかりじゃ悪いし……腕も鈍っちゃうから」

「左様で」

不穏な会話。望はいつもと変わらない笑顔ではあるが、醸し出す雰囲気は明らかに普段と異なる。

「それじゃよろしくね…なんかあったらまた風で知らせるからさ」

「あ、望様……主から…」

「夢から?」

「望様の周りに女がいたら消すようにと命ぜられたのですが…そんなことは無いだろうと承諾してしまったのですが…」

天を仰いで嘆息する。

全く、いつになったら兄離れが出来るのだろうか…

「夢には秘密で、なんか板挟みでごめんね」

「はあ…それは構いませんが…何者ですか?」

「今回の件で狙われてるかもしれない訳ありのクラスメイトっていうところ」

「お守りしていると?」

「そんな大層なものじゃないよ…友達だからね」

「…友達、という言葉を望様からきけるとは…」

男が大袈裟に涙ぐむが、確かに自分としても昔を省みると驚きの変化と言えよう。ただ…

「強くなれるのかな…ここで」

わざわざここまできて学校に通っているのは爺やの助言が基である。目的は決してぶれたりしないが、爺やの意図はいまいち理解できないでいる。

「それはきっと望様次第ではないかと」

「それもそうだね…それじゃ後はよろしく。蜻蛉」

「御意」

これ以上話すこともないのか、来たとき同様に音もなく消える。

「はあ…」

一人になって溜め息をつく。

今の年相応の生活はとても心地いい。しかし、自分がそもそも来たのは強さを求めてのこと。別の話だ。果たしてこのままでいいのだろうか…?爺やの言うことが外れた試しはないが先行きのみえなさに不安にもなる。

踵を返して家へと入る。

今は恋に気づかれないように水面下で処理していこうと思う望であった。



それから数日が経過した。

望は自分なりに行動を起こし、恋にはバレないように情報を集めている。

と思っていた。



わからない、と恋は思う。

今は帰宅し、食事を終えての入浴中。きめ細かい肌を水滴が流れ落ちていく。浴槽は恋が脚をいっぱいに伸ばしても余裕がある広さで、過去には味わったことのあまりない気持ちよさを満喫する。


普段ならば


今の恋の頭の中には疑念が渦巻いており、そんな日常が入り込む余地は無いのだ。


「何故だ…」

最近、自分に対して感じる不愉快な視線、だけではない。むしろこちらより気がかりなのが…

「何故なのだ…望…」

どことなく望の態度や雰囲気に違和感を感じる。その程度に過ぎないと言えば過ぎないが、勘が正しければ望は何かを隠している。今のところ嘘をついてるようには見受けられないが、少し距離を置かれている。そんな気がする。視線の件に何か関わりがあるのだろうか…でも、それだけじゃない気がする。

「くっ…」

口惜しいことに全ては私の勘でしかない。外れた試しが無いとは言え、それを理由に望を問いつめてもいいのだろうか。もし、決定的に嘘をつかれてはぐらかされたら…

「…すんっ」

想像したら少し泣きそうになった。

顔を洗って少しだけ自分を落ち着かせる。

そもそも隠しごとをする理由は何だろうか…何の理由も無しに望がそんなことをするとは…

「苛め…?」

いやいや流石にあの雰囲気は違う。あいつは度々からかいや悪戯をしてきてこちらを辱しめるが、それとは違う。

「じゃなかったら、殴る」

拳を掌に打ち付ける。その衝撃で豊満な胸が震える。それで生じた波紋が、自分のらしくない表情を更に歪める。

「なら…何故?」

自分に非がある?

………色々心当たりはある、な…くっ…泣いたりするものか…

考えてみれば色々、世話になって迷惑かけているが、こちらは何か返したことがあったろうか。

うう…これでは役立たずにもほどがあるではないか…

それなら、隠しごとをされても当たり前、か…やはり甘えすぎたろうか…

「はあ…」

深いため息が吐き出る。

他に理由は無いだろうか…

苦し紛れとはわかってはいるが、他の理由であってくれと願ってしまう。

「……そういえば…」

ふと、思い出す。望は何かに怯えるような目を私に向けていた気がする。

私を、恐れている?

いや、この表現は何か違う気がする…しかし正解も見つからない。

「ぐぬぬぬ……どうすればいいのだ一体…?」

きっと昔なら本能的に行動を起こしたに違いない。

しかし、今は理性がそれを邪魔する。

「私は…弱くなってしまったな」

級友で同居人である彼に何も言えないでいる。力ずくで吐かせようとする気力も沸かない。きっと私は嫌われたくない。昔は父上がいたから気にしたことは無かったが、こっちに来てわかった。一人は寂しい。今まで当たり前にあった人が離れていくのは耐え難い苦痛だ。でも、みんながいればそうではない。本当に弱くなった。

「でも、今のほうが、いい」

それは間違いない。他人と触れあえる喜びを知って、自分を傷つけないよう大事にすることを知って…望が教えてくれた。

それは自分を弱くしたかもしれないけど、代わりに多くのものを得た。それはきっと失った強さなんかに比べ物にならない大事なものだと自信を持って言える。

でも、今だけはその強さが恋しい。

「むー」

顔を半分沈めてむくれる。口から空気を吐き出してプクプクする。

もうだめだ。考えが煮詰まっているのがわかる。なんだか頭もくらくらしてきた。きっと難しいことをあれこれ考えたからに違いない。

仕方がないので風呂を出ようと勢いよく立ち上がり

「れ?」

視界が真っ白になった。


そのまま体勢が崩れ、足を滑らせた。

最後に彼女が見たのは迫り来る浴室の床だった。



「…!…!」

目がチカチカする。何故だか頭も痛い。耳元で声がする。

「恋!」

恋。それは私の名に他ならない。両親がくれた名だ。間違いない。それが呼ばれている。

「恋!」

これは、望か。ん?何で呼ばれて…というより何故私はこんなにくらくら………そうか、倒れたのだったな。とりあえずチカチカする目も落ち着いたし目を開かねば…

「恋!…大丈夫?」

起きた私を見て、目の前にある望の顔に幾らか安堵が生まれる。

「大丈夫、だ。なに、のぼせて転んだに過ぎない」

心配かけるまいと少し痛む頭を無視して無事を伝える。

「本当…?」

「ああ、そんな心配するな。望のそんな顔はあまり見たくないぞ」

見上げた先の顔は、以前ここで彼を泣かせてしまった時ほどでは無いにしろ、その端整な顔は不安に歪んでいた。む?

「そういえばここは?………」

「ん?………」

奇妙な時間が生まれる。まずは冷静に確認だ。私は浴室で転倒。望の体型的に私は運び出せない。つまりここは浴室。そして私は裸。それを望は抱き抱えるようにしている。

「の、のの望、互いに落ち着こう」

最近、順調に成長しつつある羞恥心がゆっくりと鎌首をもたげながら私の頬を赤くする。

「ごめん!慌ててて!今下ろすね!」

鏡のように顔を赤くしながら慌てながら私をおろす。

そのまま退室して逃げるようにいってしまう。

「べつに、謝ることはないのに…それだけ心配してくれたのだろう」

直接つたえたかった言葉を呟く。

今のでわかった。きっと、嫌われてはいないのだ。だから最近の望の態度には他に何か理由があるに違いない。だから待とう。いつかいってくれるに違いない。それで理由をきいたら、少し怒ってるふりをして、慌てたあいつを許してやる。


どんな理由であれ、私が望を嫌ったりすることは無いのだから。

退屈でしたね。一人称の考察ばかりですみません。今回はエロもなく平和な回でしたね。えっ?裸シーン?あれはノーカンです。

次回から急?展開でいけたらいいなとか願ってます。




以下おまけ


「さて…」

今、望はご近所さんに回覧板なるものを届けに行っている。おそらく10分は戻ってこない。

「探すか」

波涼曰く、世の男という存在は部屋に何かしら破廉恥な本を所持しており、それを見て相手の性癖を確認できるとのこと…

「果たして望は…」

べ、別にこれは後学のためとかではなく、同居人がおかしな性癖を持っていたらただしてやろうという心遣いに過ぎないのだからな

「誰に言っているのだ私は…」

まずは机…教科書しかないな…一応中を確認してみるか…

「問題なし」

次はベッドの下……む?これは…?

「なんだ?柔らかい…筒?」

用途がわからない。とりあえず保留だ。

次は戸棚…

ギシ…ギシ

「なっ!」

もう戻ってきただと!?か、隠れねば…戸棚の中だ!

ガチャ

扉を開けて望が入ってくる。こちらは戸棚を少し開けて隙間から覗く。

「はあ…」

何故か溜め息をついている。元気がないな…

「恋はトイレかな?」

自分の名前が出てきて一瞬ビクッとする。気づかれてはいないようだ。

徐に望がベッドの下に手を伸ばす。む…あそこには確か…

「大丈夫、だよね…」

筒を取り出した望はびくびくとしている。一体何を……なっ!?

ズボンの中から……あれは…

ま、まさか今から……

「最近、明らかに回数増えたよね………恋のせいだ…」

私のせい!?どどどーゆーことだ!?

筒の中へとあれが入っていく。

あの筒は、つまり、じ自慰をするための……////

「んっ……」

始まった。いや、これは流石に見てはいけない。だから目を離せ私!

と思いつつも見いってしまう。

望は手に余る大きさのそれに一心不乱に刺激を与えている。

む…破廉恥な本は使わないのか…波涼の情報とは違うな…

「っ…くっ…」

も、もしや…このまま…

一際動きが激しくなる。あまり時間を掛けたくないのだろう…私にバレないように…なんかすまぬ。

まあ以前、私は望にいかされたからな、これでおあいこだ。うむ、そうに違いない。

おお、望が体を仰け反らせて…い、いくのか…?

「はっ…んっ…恋っ」

わ、私!?

そういって横のティッシュを数枚とって先っぽにあてがい…


「ふぅ……」

未だ脈動をするそれを見つめながら放心する望。ティッシュから溢れだしてしまった液体を拭き取る動作もどこか緩慢だ。

いや…それより何故、私の名前を…!?

気になる。それはもう気になる。

しかし、きけるわけもない。

「やり過ぎた……着替えなきゃ」

そういってズボンとパンツを脱いで、服をとるため戸だなにいいいいいい!?

ガチャ…

開く戸棚。目が合う二人。時が止まる。

な、何か言葉をはっさねば…

「き、奇遇だな…」

「…………え、いいいつから…」

「のぞみが部屋にきてから…」

「ず、ずっと…?」

「ずっと…だ」

「ももももしかして…見てた?」

「…………///」

「ああああの…こ、これはその…」

「いや…望も男だからな…べ、べつに…私に気を遣うことはない……とりあえずそれをしまえ…また、大きく……」

ババッ

光の早さでパンツをはく。

「そ、そもそも何で僕の部屋にいるの…うう…」

「いや…これは…波涼が…」

事情を説明する。

「もうやだあ………」

「と、ところで…望は何故、先ほど私の名前を…?」

「!!!」

目に見えて青くなる。

「いや…たまたま…」

「いや嘘だな…べ、べつに怒らないから正直に白状しろ…」

「……………」

「言えないか…ならば…」

ガシッ

「あうっ」

「まだ敏感だな…さあ…言ってくれ…気になって仕方ないのだ」

「…れ、れんのことを考えて…やりました…ぐすっ」

「そ、それはつまり、私で、その、破廉恥な本の代わりにした…と?」

……コクン

「なぜだ?」

「そこまでは…ああっ…やめ、て、言うから言うから!」

前屈みになりそうでさせてもらえない責め苦を味わいながら涙目で訴える。

「れ、恋が…その…男子的には…凄い魅力的な体を…してるから…」

「本当か?」

「はい…だから離して…」

「いや…事実か確認したい…」

「えっ?」

「だから………またいってしまえ」

決していつぞやの復讐とかではない。事実確認だ。

グニグニ…ゴシゴシ

「あれだ…私の体で興奮するなら、これだけ近ければきっとさぞ…」

望を胸に抱き止めながら下半身をパンツ越しにいじめ抜く。

「邪魔だな」

具を取り出し直にいじめ抜く。

そしてすぐに限界がきたのか…

「だめ…あああ…やめ…ふあ…んっ…恋っ」

ビクンッ

望の体が大きくのけ反るのを腕で押さえつける。次の瞬間、望のそれが欲望を床に撒き散らす。

そのままへたりこむ望を抱き止め。唇に…



「なんて同人誌を書こうかなって思ってるんだけど」

「「却下!!!」」

「仕方ないな。じゃあのぞみんが責めでれんれんが受けね」

「「そういう問題じゃない!!」」




こういうオチならどんだけエロを書いても二人の関係は微動だにしないという便利さ。


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