表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
野良狼、拾いました   作者: 桔夜読書
18/38

16話 ショッピングは素人がやるものじゃあない

はい。大変遅れ馳せながらの更新です。すみません。買い物経験値が低すぎて書くのに難儀しました。ウィンドウショッピングは逝きますよ。東京ビッグサイトに年2回泊まり込みで。え?違う?あれは戦争?いえいえ人生です。

このデパート内部は5つのエリアに区分することが可能である。

1つは今、望たちがいる中央エントランス。ここを起点に四方の別の館に移動することが出来る。逆に言うと、ここを通らずして館同士の移動は叶わない。エントランスを一周するように作られた回廊を通じての移動が基本である。

その為、このエリアはかなり人通りが多い。しかし、その中にあっても恋の銀髪は際立っており、道行く人の目を釘付けにしていく。おそらく、この銀髪が無くても相当の美人であるが故、釘付けにしていくことに変わりは無かったであろう。

「なあ望。なんだか妙に視線を感じるのだが…私は何か変なところがあるか?」

「いや、その…きっとこの時間から学生がいるから意外なんじゃないかな」

「本当か?なんか視線の種類が違う気が…」

「うっ」

勘が良いのも考えものである。なんと言ったものか…

「そりゃあれんれん。あたしが美人だからだよ〜」

「なるほど。美人だと見られるのか…納得した」

「あはは…」

波涼の本気だか冗談だかわからない発言に救われた。


「それで、最初はどこに?」

「最初は生活必需品だから……西館だね〜」

「他の館には無いの?」

波涼の発言に当然の疑問を返す。

「うん。ここは4つの館がそれぞれ全く違うものを扱ってるからね」


このデパートは4つの企業が合同で作ったものであり、各館はその企業の特色に染められているのだ。

北館が趣味や娯楽。南館が食品や食事処。西館が生活必需品や家具。東館が美容や服飾、と大別すれば以上のような具合になる。


「結構変わってるね」

「慣れるとそうでもないよ。まあ今日は西館からぐるーっと回っていって最後は南館で食事って感じで行こうかなって思ってるんだけど…だいじょぶ?」

「うちは住民がここにいるしね…華野さんは?」

「ふぇ?あ、私は…特に問題ないです…………あれ?神無さん?住民がここにいるってどういうことですか?」

「……あ…そういえば華野さんは知らなかったのか…」

昨日あれだけ大々的にバレたのでてっきり知ってるように錯覚をしてしまっていたが、なづなはあくまで別のクラスである。

「私が望の家に居候しているのだ」

恋が大したことの無いように言う。

「あー成る程………ふぇ?……居候ですか!?そ、それってつまりど、どど同棲!?でででも恋ちゃんお金持ちであれ?」

普段はかなり小さい声が右肩上がりでボリュームアップしていく。実際は大したことなのでこれはある意味普通の反応であるが、とりあえず望が懇切丁寧に決して誤解を招いたりしないように説明して事なきを得た。


「わかりました。だから今日のこの買い物に至ったわけですね」

「理解が早くて助かるよ…」

早い対処が功を奏したのか、落ち着いて理解してもらった。

「大丈夫ですよ。でも事情があるから仕方ないですけど、手を出したりしたら駄目ですよ。私でも怒ります」

少し厳しい目付きで見上げてくるなづな。恋のことを心配しているのだろうけど、そんなに信用が無いのだろうか…

「心配ありがとう。なづな。だが望なら大丈夫だ。私は信用しているぞ」

少し嬉しいフォローを恋がしてくれる。

「はい。神無さんは信用してますが、それ以上に恋ちゃんの天然や魅力によるトラブルに信用が置けないんです」

「確かにね。れんれんが何しでかすかは怖いよね〜。それで真面目な青少年の理性がどうなるかはわからないもんね〜」

二人揃って辛辣である。間違ってはいないが…

「望…二人揃って私を心配してるのか苛めたいのかよくわからないのだが…」

「両方じゃないかな…僕も否定できないし…」

時に真実は残酷だったりするのだ。

「ま、れんれんなら大丈夫か…」望に聞こえないくらいに呟く。

「ん?今なんか言った?」

「え?いやいや、れんれんならどうにかなってもカウンターでのぞみんを撃退できるから大丈夫じゃないかなってー」

「成る程。波涼ちゃんみたいにカウンターを受けると…それなら心配いりませんね」

「会話の意味はよくわからんが所々馬鹿にされたような気がするのは何故だろうか?」

恋が腕組みをしながらいつまでも考え込んでいたが、真実にたどり着く前に目的地に辿り着いた。


「生活必需品か…具体的に何が必要だろうか?」

いまいち現代生活に疎い恋が首を傾げながら問いかける。

「そうだね…のぞみんちに何があるかはわかんないけど…とりあえずシャンプー、歯ブラシ、生理用品、あとヘアゴムやブラシも欲しいよね。綺麗な髪だし」

「まあ女性用となると流石にないよね。他には…布団や枕が必要かも」

「おお、確かにそれは必要だ。やはり寝袋では窮屈でな」

だからといって抜け出してベッドに潜り込まれるのは大変迷惑である。いや本能的にはウェルカムでも理性的にはノーサンキューなのだ。

「りょーかい。他にれんれんが欲しいものある?」

「うむ…………いや、特には思い付かんな」

「そ。まあ途中で思い付いたらってことでいっか。それじゃ…」

波涼が仕切っていざ出発と言わんとしたその時…

「あ、あの!」

「ん?ぺんぺんどったの?」

「そのふたてに分かれていった方がいいかと…は歯ブラシやゴムみたいなのは、私と波涼ちゃんでいって、布団やシャンプーみたいに本人が選んだほうが良いものは、か、神無さんと恋ちゃんで行ったほうが、いいかなと…はぅ」

「んーそうだねー布団なんかは部屋との兼ね合いもあるしね。二人に任せよっか」

「うん。華野さんの言うとおりだよ。シャンプーなんかは嗅覚の強い恋本人が選んだほうが良いよ」

「何も異論はない」

全員から賛同を得られ見るからにほっとするなづな。彼女としてはこうして意見を言うだけでも少し勇気がいるのだろうか。

「合流はどうする?」

「じゃああたしが携帯にかけるよ」

その言葉に硬直するものが二人。

「ケケータイとはもしやあの…小さな箱のことか…?」

「うん。僕もまだ触れたことが無いよ。現代生活歴1ヶ月の僕には少し難易度が…」

目を逸らしながら苦笑いをする二人。

「れんれんはともかくのぞみんまで…どうしよっか流石に携帯はちゃんと日を改めて買いに来たいし…明らか機械駄目そうな二人だけで行かせるのは…」

「あの…皆さんご存知じゃ無いんですか?」

「え?なんのこと?」

いきなりのなづなの言葉に全員がきょとんとする。

「この腕輪を持っている人同士で連絡をとりあえるんですよ」

「え…知らなかった……あーまもりん抜けてるからな〜」

「「あー確かに」」

自分らの担任を思いだし彼女ならあり得ると思わず苦い笑みがこぼれる。

「アハハ……他のクラスはみんな知ってるんですがね…えと、やり方を教えますね」

そういって自分の腕輪と波涼の腕輪の液晶を付き合わせる。

ピロリーン

「おしまいです」

「りょーかい」

「の、望どういうことだ。今、何が始まって何が終わったのだ?私には不思議な機械音が聞こえただけで…」

「僕も全く同じ戦慄を味わっているよ」

駄目だこいつらと言いたくなる位の文明差である。

「い、今のはこの腕輪の中の個体番号を交換したんです。これで連絡したい人の名前を呼べば、相手にコールがいきます。それに対して声で応答すれば通話が出来るんです、よ?」

「な、なんとか理解したよ。恋は……くっ、やられたか」

「………」

頭から煙をあげながら沈黙していた。

「現代怖い。おうち帰る」

「ふぇ、ま待って恋ちゃん!と、とりあえず一回やってみましょ?習うより慣れろ、です」

軽くパニクっていた恋を取り押さえる。

「ほらのぞみんも一緒に」

二人に促されるまま腕輪を合わせる。

ピロリーン

「じゃあれんれん。腕輪に向かってのぞみんを呼んでみて」

「の、望」

恐る恐ると言った具合に腕輪に呼び掛けると…

「うおっ!腕輪が!」

途端に震える望の腕輪。まあ慣れないうちはこんなものだろう。

「は、はい。もしもし」

『は、はい。もしもし』

「うおっ!」

『うおっ!』

コンマレベルの遅れで腕輪から声が聴こえる。とりあえず通話成功である。

「はいはい、よくできましたー」

「ちなみにこれ。自分の声しか認証しないんで防犯もバッチリなんですよ」

少し得意気に語るぺんぺん。自分らの無知さ加減からそう見えるのかな…

「りょ、りょうかいしました」


その後、細かい説明も終え。なづな、波涼とも番号を交換する。

「よし、使い方もわかったところで分かれよっか。こっちの買い物終わったら連絡するね」

「うん。あ、布団やシャンプーは何階?」

「えっと…布団は2階でシャンプーはこの階かな」

「わかった。じゃあ先にシャンプーから見てくるよ」

「オッケー。じゃ、また後で」





〜波涼・なづな〜


「それじゃパパっと終わらせますか!」

「そうですね。出来るなら服に時間かけたいですしね」

和やかに同意するなづな。しかし、波涼は彼女に聴きたいことがあった。

「ねえぺんぺん。この分かれる案って…もしかして空気読んだ?」

「…………はい」

少し顔を赤くして俯きながら、答えるなづな。

「お主も悪よのう…」

「べっべつにそんなんじゃありません!ただ、その…」


「わーってるわーってる。あの二人お似合いぽいからね。なんかこう…いじらしいし応援したくなるし…おいちゃんにはわかるよ」

まあさっき急に猥談振られた身としても、だが

「はぅ…そのさしでがましい気もしたのですが」

「だいじょぶ。あれは無自覚だけど互いに脈ありだよ。あたしゃ見えるよ…運命の赤い糸が!」

「ふふっ…ですね。でも時間を有効に使いたいってのもあったんですよ?恋ちゃん服に疎そうですから」

「疎い?いや、あれは知らないに近いね…」

急に廃れた雰囲気に変わる波涼。彼女は覚えている。過去、更には現在。恋の下着が何であるかを…

「れんれんは…褌とさらしと着物しか持ってないんだよ」

「………………………………ふぇ?」

およそ10秒。それがなづなが事の重大さを理解するのに要した時間。

「あの娘は…戦闘時は履いてすらいない。逆に普段は上がない」

「つまり…今の恋ちゃんは…」

衝撃の事実にゴクリと喉を鳴らす。その先は言葉にする必要も無かった。

「そうさ…だからやらにゃならんのよ!あたしたちは!」

「ええ…その通りです。やりましょう。恋ちゃんの為に!」

ガシッ

お互いの手を強く握りしめる。

ここに、大守恋を暖かく見守る同盟が誕生した。



〜望・恋〜


「むっ…今妙な気配が…」

優れた第6感で何かを感知するもその正体までもは特定できずにいる恋がいた。


「さて、まずはシャンプー…」

「……望。しゃんぷーとは何だ?」

今さら何を…

「いやいや、さっきからずっと話してたじゃん」

「そ、そんなのわかっている。だが、あの場で訊くのは恥ずかしかったのだ…」

「……」

まあ確かに同年代の女子が当たり前に話してるものを自分が知らなかったら羞恥の1つも覚えるであろう。

しかし、内容はともかくとして恋がある意味こうした普通の感覚を覚えたのは少しだけ微笑ましくもあった。

「む。なんだその…哀れみと慈しみが入ったような生暖かい視線は……やめろ、見るな。なんかやだからやめてくれ。自分が可哀想に思えてならないぞ…うう」

「はっ…つい…」

いつの間にか、巣立つまでに成長していく雛鳥を見る親の目になっていた。男に母性愛を芽生えかけさせるとは…恋、恐ろしい子。

「ふん…で…しゃんぷーとは何なのだ一体」

少し不貞腐れたように聴いてくる。明らかに機嫌を損ねてしまったらしい。

「髪を洗うための石鹸を液体化したものって言えばわかる?」

「む……それなら望の家にもあるではないか…あの白くてドロッとした………………///」

「ど、どうしたの?」

何かに思い当たったのか急に硬直して顔を朱に染めていく。

「い、いや何でもないぞ…ああ何でもない。私は何も想像してない!行くぞ望」

そういって足早に歩き出す恋。いきなりの反応に全くついていけない。これが乙女心は複雑というアレだろうか?まさか恋に乙女心があったなんて…

そんなことを思いながら売り場に向かう。


「ここか…」

「うん。それにしても色々あるね…」

着いた売り場は思ったより広大であった。色とりどりのシャンプーやボディソープがおかれている。

「私は…どうすればいい?」

「とりあえず…店員さんに訊いてみよっか」

餅は餅屋である。門外漢の自分らよりは遥かに良いだろう。

とりあえず近くの店員に声を掛けてみる。

「あの…すみません」

「はいはい…あらっ?望くんじゃない!」

ご近所さんにまさかの遭遇。一応言っておくが昨日の朝に会った方とは別の方である。

「聴いたわよ。女の子泊めてるって…あら?もしかしてこちらが?」

「はい。先日より彼の家でお世話になってる大守恋と申します」

丁寧に挨拶をする恋。

「知ってるわよ〜。今日はデートね。最近の子は早いわね〜きゃー今日は何が欲しいのかしら?あ、ここにいるってことはシャンプーとボディソープね。あらあなた綺麗な髪ね〜私買いたいくらい。ふふっ…あら肌も綺麗!若いって羨ましいわ〜私もあと20若ければね…」

ご近所さん秘技。怒涛のマシンガントーク。

「あ、あの…」

「あらやだ。つい話し込んじゃったわ。お求めの品はシャンプーとボディソープね。任せて頂戴。私ここが開店してからずっといるのよ」

「こ、心強いです…」

「さあいらっしゃい。お安くは出来ないけどピッタリなのを選んであげるわ」

「え?ちょ?の、のぞみ…助け…」

それからは怒涛の展開であった。恋に質問をしながら、髪質や匂いを気にしながら的確に選んでいくご近所さん。ものの5分足らずで終わってしまった。ご近所さん恐るべし。ただ会計時に恋が札束を出したのを見て「望くん逆玉!」と言って興奮して5分位話つづけたのでトントンである。


「望……お前のご近所さんは活力に溢れているな」さしもの恋もやや疲弊気味である。

「世の中のご近所さんは大体あんな感じだよ」

そして今日のことも瞬く間にご近所さん達に広がるのだろう。

「でも、良いもの買えたでしょ?」

「うむ。匂いもなちゅらるなんとかという奴で気にならないしな。色も綺麗な緑色だ。ご近所さんに感謝せねば」

「そうだね。それじゃ次は枕と布団だね」

買い物袋を携え2階へと移動するのであった。


〜波涼・なづな〜


「よし、粗方終わったかな」

「そうですね。じゃあ連絡を…」

「あいや待たれい!まだ二人は買い物中と見た。ここは……ちょっとバレないように覗いてみない?」

まだ買い物を初めて15分程度。いくら速くてもあの二人ならまだ布団を選んでいるくらいだろう。

「ふぇ?で、でもそれじゃ…」

「見守るだけだよ。二人のために」

悪魔の囁きである。

「そ、それじゃ少しだけ、ですよ?」

「いいね〜ぺんぺんそうこなくっちゃ!」

そういって足早に2階へと向かう二人であった。


〜望・恋〜


一方、その頃…

波涼たちの予測よりやや速くはあるが、布団と相対している二人がいた。

「今時の布団は優秀だな」

もふもふ

「枕も素晴らしい」

ふかふか

「望……大変だ。どれもふかふかで気持ち良くて…私には、選べない……よし、全部買うか」

思わず天を仰いだ。恋は完璧に寝具の虜となっている。しかもなまじ全て買える財力があるのは質が悪い。

「家が布団で埋もれちゃうよ」

「………いいなあ」

とろんとした目でふざけたことを言う。とりあえず布団から引き剥がす。涎とかついたら流石にマズイ。たちの悪いマーキングみたいなことになってしまう。

「良くないよ…布団は一式あれば十分だから」

「私はそんな今時の考えに惑わされたりはしない!」

「古今東西において家一杯に布団を持っていた人の話は聞かないよ!」

完璧に布団の魔力に魅了されている。このままではいたずらに時間が過ぎていく一方である。どうしたものか


と、頭を悩ませている姿を少しだけ離れた所で傍観する影が…



「……どうします?」

「のぞみんが短時間で説得出来るとは思えないね〜」

数分前から一部始終を見ていた波涼となづなである。

「私にも自信はありませんね…」

「あたしゃあるよ。えへん」

自信満々にない胸を張って威張る。しかしどうやら本気のようだ

「けど、その為にはぺんぺんの協力が必要かな」

「私、ですか?」

「うん。えっとね…」



「だから、そんなに買っても入らないでしょ」

「くっ…なら10でどうだ?」

「それ妥協してる数じゃないから…」

もういっそ無理矢理会計をしてしまおうかと思ったその時…

「お困りかーい!」


突風と共に波涼が参上した。しかし、さして驚く事もなく事情を説明しようとすると

「まあ大体見てたから知ってるよん!」

「じゃあ早く来てよ!」

自分の今までの労力の返済求む。

「大丈夫。あたしが今かられんれんを説得して見せるから……れんれん!とりあえず3で手をうたないかい?」

3ならまだこちらとしても辛うじて頷ける。収納にも収まるだろうし…

「3、か…しかし…私には選べない…!」

「ちっちっちっ…違うよ…れんれんが選ぶんじゃない。三人で選ぶのさ!」

そういってなづなを引っ張り出すように恋の視界に入れる。

「はぅ…そ、そうです。恋ちゃんの部屋にみんなでお泊まりする時に使うんです」

お泊まり!?

「どういうことだ?」

「れんれん…布団は寝るためにあるんだよ。でもたくさん買っても寝られない布団が必ず出てくる。そして、ここでれんれんが布団を買い占めたら他の人がこの素晴らしい布団に会えなくなる!そうは思わないか!?」

「なっ!?」

「だから、3組だけ買おう。それなられんれんも全部使えるだろうし、あたしやぺんぺんがお泊まりに行った時に困らない。所謂お客様用として買っておけばのぞみんも飲んでくれると思うよ…ね?」

こちらに向けてウィンクしてくる波涼。確かに強引さはあるが、互いの妥協点を見極めた悪くない案である。

「わかったよ。3組ならなんとか入るしいいよ」

「で?れんれんは?」

しばし瞑目して黙考する恋。

「……うむ。わかった。他の人に迷惑を掛けてもいかんしな。三人で選ぼう」

「オーケー!早速選んじゃうよ〜」

そういって二人の手を引いて売り場に踏みいる波涼。彼女がいてくれて本当に助かったと思わずにはいられない。


しかし、そんなことを思っていられるのは服飾コーナーに行くまでであることを彼はまだ知らない。

次は東館です。ちなみにこうやって館を分けたのは総合にすると無計画あっちいったりこっちいったりしかねなかったので計画性を持たせるためです。


以下、おまけ



「望、波涼達が買いにいったこのせーりよーひんとは何だ?」

「「「ぶっ!」」」

「どうした?せーりよーひんとやらについて聞きたいのだが」

「…れんれん、お願いだから少し声を小さくして…」

「む?わかった」

「……………その、生理ってしってる?」

「生き物の体の働きであろう?」

「はぅ…そうなんですけどそうじゃないんです…」

「何を戸惑うのだ?波涼達が買いにいったものは私にとって必要なものなのだろう?説明してくれねばわからない」

「……じゃあさ…月経って言えば…わかる?」

「?」

「「「…………」」」

「何故、絶望したかのような顔をしている?」

「………一般的に生理や月経って言うのはね……あれだよ……ほら月に1回来るあれだよ…血が出ていたいやつ」

「…なんだそれは?熊か?あいつらは月に1回も出ないぞ?」

「え?いやだから………まさか、まだ…?」

「だから何なんだ…私の知らないことなら尚更教えてくれ」

「………のぞみん。ちょっとあっち行ってて……れんれんに本日二度目の保健体育の授業をするから」

「え?二度…」

「返事ははいのみ!!」

「サー!」


「恋ちゃん。月経って言うのは、女性が赤ちゃんを産むために必要な生理現象なんです」

「ふむ。成る程。で、それのためにこれが必要と?」

「うん。月経は血が出るから……下から。それを吸収するんだよ」

「なっ!?下、だと?」

「人によっては壮絶に痛いんだよ…このあたしですら1週間はおかわりもできないよ」

「た、大変だな…しかし、それは女性全員に来るのか?」

「はい。恋ちゃんはまだ来てませんが大体思春期に発生します。多分、そろそろ初潮が…」

「ひっ…私がそんな痛みを味わって生きねばならないなんて…」

「赤ちゃんを産むために必要なんだよ」

「!?」

「れんれんは産みたくないの?子供を?」

「そ、そんなことは…」

「相手が欲しがっても?明るい家族計画だよ…ほら想像してごらん…隣にいる彼を!子供を!」

「………」

「いっそ本人に訊いてみたら?」

「なっ!?な、何をいってる?だ、誰に訊けと?」

「隣の彼に」

「な、なんでの、望に」

「あれ?隣の彼って想像の中の彼だけど…まさかのぞみん〜?」

「い、いや偶々中の良い異性を思い浮かべてしまっただけで」

「言い訳は苦しいね〜」

「言い訳じゃない!」

「じゃあのぞみんじゃ嫌なの?」

「…………うう…い、嫌じゃない…」

「そこで嘘をつけないれんれんがあたしゃ大好きだよ!」

「恋ちゃん可愛いです」

「ぬああああああああ!」

「恋!?どうしたの!?」

「あああぁぁぁ……いや、な何でもないぞ?」

「れんれんがのぞみんにききたいことがあるって」

「!?」

「なに?」

「…………こ、こど………………ううううううう……望のばかあああああ!!!」

「え?ちょ…待ってよ恋!」

「知るものか!」

走って逃げ出す恋とそれを追う望。


「ふっ…計画通り」

「流石です」

その場にはいつまでも悦に入ってる二人が残りいたとか


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ