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我は転生魔術師で元聖騎士。天使族の令嬢がしつこく絡むので、身を任せる事にした。  作者: 蓮太郎
転生魔術師パラディン

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4/21

転生させた物と出会うのは初めてである。

「エレナ様ー!」


「あはははっ!」

お転婆、その言葉がピッタリ当てはまる。

エレナ転生から50年の月日が経った。



天使族は、寿命が長い変わりに成長が遅い。

転生してから約50年。

人間の子供に当てはめるなら、5歳くらいだろうか?


城を抜け出しては、野山を駆け回り、町に出れば、100歳を超える男の天使族とケンカして、負かしてしまう。


王族の血筋とは、こうも恵まれているのか!


エレナは、努力は怠らないが、基本的に他の天使とは作りが違う自分の体を気に入っていた。


そんなエレナに手をやき、絶望に暮れるメイド達と、母親。

ただ一人、天使族の王は、次期女帝として期待に満ちた思いで、エレナを見守っていた。


「よし!今日もメイド達をまいた。」

エレナは心を躍らせると、どこへ行こうかと思案する。


「今日は・・・・山!」

エレナは、翼を上手に使い、木々を高速で移動する。

「気持ちいいー!!」


ドカーン!!


そんなエレナを特大の火炎の玉が襲う。


「な、何!?」

エレナはギリギリで避けた。

だが、翼の一部が焼き切られ、地面に強く打ち付けられた。

「ぐはっ。」

エレナは、背中に受けた痛みをこらえきれずに、のたうち回る。

「あー!痛い、痛い。」



ガァーーー!!!

耳を塞ぎたくなる様な雄叫びが、

大地を揺らす。


「ま、まさか??何で?」


目の前には、巨大で、まるで漆黒の鎧をまとった姿。


「ドラゴン?!」


「私の転生ライフ・・・積んだ。」


ガァーーーー!!!!

ドラゴンの鋭い爪がエレナに襲いかかる。


「うっ。」

諦めた様に、エレナは目を閉じた。

ドカーン!!!


「・・・あ、あれ?」

エレナは恐る恐る目を開けた。


目の前には、人間族の王家の紋章が刺繍された、赤いマントが見える。

見上げると、鎧をまとった騎士が、

ドラゴンの渾身の一撃を軽々と剣で受け止めている。


「騎士?」


「何かすごい音がしたと思って出てきてみれば、この有り様。

我は誰とも関わるつもりが無かっのに。」

騎士はブツブツと独り言を呟くと、

ドラゴンの腕を弾き返す。


のけぞったドラゴンに向かい、騎士は構える。


「身体強化・・・。」

騎士の体が光を帯びている。

「コルテ。」

騎士が剣を振り抜くと、魔力を帯びた斬撃がドラゴンを貫いた様にみえた。


・・・・ガァーーー!

ドラゴンは、一瞬静止した後、雄叫びをあげる。

そして、ドラゴンの体は、斬撃が貫いた所で、上下真っ二つに裂け、崩れ落ちた。


「すまないな。安らかに眠れ。」

騎士は呟くと、エレナを見て、近づく。


「・・・汝。」


エレナは、騎士の圧倒的な力に恐怖を覚えた。

「近づくな!私をかどわかすつもりだな!」


騎士は、構わず手を伸ばす。

「あぁ。またか。」

エレナは、転生前の記憶が蘇り、顔を騎士から背けると、俯いた。


「ハイヒール。」


「えっ?」

エレナは、翼の痛みが和らいで行くのを感じ、目を開けた。

翼のドラゴンの炎で焼き切れた部分が構築されていく。

「す、すごーい!」

完全に痛みが引き、翼も元通りになると、エレナは立ち上がった。

「そ、その、ありがとう・・・・まさか?!」

エレナはお礼を言った後、目を細めて、騎士に不審者を見る様な目線を送る。


「な、なんであるか?」

騎士は、エレナの態度の変化を感じ取り、一歩下がる。

「もしかして、私を傷の無い、綺麗な体にしてからかどわかすつもりね!」

エレナは構えた。


「・・・・がっはっはっはっはー!」

騎士は笑う。


「な、なぜ笑う!」

エレナは不満気に騎士を見つめる。


「そういう心配は、あと200年後くらいはしなくていい!」

騎士は、エレナの体を見て笑った。


「し、失礼な奴!この変態騎士!」

エレナは胸元を隠す様にして怒っている。


「汝、もう帰れ。」

騎士は、一言吐き捨てると、エレナに背中を向け、洞窟の中に入っていった。


「ゔ〜。なんかムカつく。」


静かな洞窟の中。

真暗ではあるが、少し経つと目がなれてくる。

エレナは、騎士を尾行している。

つもりだった。


「汝!」


ビクッ!

「ぐ、偶然だね。私もこっちなの。」

エレナは、口を尖らせて言う。


「この先は行き止まりだ。帰れ。」

騎士は振り向きもせず言うと、また歩き出した。

カシャン、カシャン。


・・・あの娘、着いてくるつもりか?

懐かれてしまったか?

まくか。


カシャン、カシャン、カシャン。

騎士はスピードをあげる。


エレナは、足の速さには自身があった。

翼を上手に使いながら、高速で走る騎士の後ろをなんとかついていく。


な、なんなのだあの娘は!

早い!

実に面白い!

騎士は更にスピードを上げた。


「あっ!待てー!この変態騎士!」

エレナは叫びながら必死で追いかける。


あの娘、もはや尾行でも何でもないではないか!

むっ!むむ!

・・・我は気づいてしまった。

この洞窟は、一本道。

まくことは困難。


騎士は、諦めた。

突然騎士は立ち止まる。


ガシャーン!!

「い、痛ーい!」

騎士の鎧にエレナは追突した。

「変態騎士!いきなり止まるなよ!」


「汝が勝手についてきただけであろう?

いい迷惑だ。人の住処にズカズカと入りおって。」


「ま、まさか!!ここまで巧妙だとは。」

エレナは何かに気づいた様に、一歩下った。


「巧妙とは?」


「私に恩を売り、その後冷たく突き放し、興味を持たせて尾行させる・・・確かに、ここなら助けは来ないな。」

エレナは全てを諦めた様に、体の力を抜いて、目を閉じた。


「はぁ。汝はどうしても我を変態騎士にしたいようだな。

・・・・ならば!」


ふっふっふっ。

少しお灸を据えてらるか。

脅かせば、もう二度と来ないであろう。

騎士は、エレナの両肩に触れた。


「変態騎士は、変態だけど、命の恩人。体は捧げてあげる。でも、心は捧げないぞっ!」

エレナは目を開くと、少し顔を引きつりながらも、冗談めかしく笑う。

そして、また目を閉じた。


かっ、可愛い。

あと200年後であれば、あの笑顔はまずかったかもしれない。

いやっ!これは母性本能だ!!!

・・・はて?

こ、この娘、このような幼い者が、そもそも何故に、体がとか、心がなどと?

子供?ではない?

いや、明らかに子供だ。

考えられるとすれば・・・騎士は、転生魔術師として再始動した日を、ふと思い出した。

この世界線に一人、転生していたな。


「成る程。体は子供、中身は180歳といった所か。」


「えっ?」

エレナは、よくわからない事を言う騎士を、目を開いて見つめた。


「汝は転生者だな?」


「な、なんでそれを?」


「知らぬのか、この世界のどこかに、転生を操作する、転生魔術師がいると聞いた事はないのか?」


「し、知ってる。それが変態騎士って事?」


「他言無用で頼むぞ。あと、変態はやめろ。」


「・・・す、すっごーい!!

転生魔術師に会えた!!」


「しっ、静かに。誰かに聞かれてはたまらん。」


「・・・誰かがこんなとこにいると思う?」


「いないな。」


「じゃぁ、私の前世を知ってたりするの?」


「あぁ。知ってる。我が不憫に思った物を、我は転生させる。

汝はその中の一人。

我のいる世界線に転生したのは、汝だけであるが。

・・・・汝は、天晴であった!

我は、汝に会ってみたいと思っておったのだ!」


「あら、私の情熱的なキスに心奪われたのかしら?」


「あ、あれはごめん被る。

・・・・い、いや。もしかすると。」


「もしかすると?」


「な、何でもない。」


「何よ?」


「か、帰れ!」


「はぁー!!ざけんなよ変態騎士!」


「口の悪さは50年経っても変わらないようであるな。」


「う、うるさい。私だって、天使族の女帝になるために色々努力してんだよ。」


「そうであったか。それは申し訳ない。

では、そろそろ帰れ。」


「あーぁ。せっかくワクワクを見つけたのに。もう日も暮れそうだし、今日は帰る。」


「うむ。」


「叔父様、ここに住んでるんだよね?

また来るから、住むとこ変えんなよ〜!あっ!私はエレナ!じゃあまたね〜!」

エレナは手を大きく振り、帰っていった。


まさか、転生した物と会う事になるとはな。

騎士は、苦笑いしながらも、久しぶりに誰かと話す事ができ、楽しかった。

そう思った。


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