天使族の稀な力。
「もう、いいか?ルシフェル、死ね!
凍らせて永遠に剥製で残してやるよ!ブリザード!」
「まってぇーーー!!!」
突然広間に叫び声が響く。
サタンは手を止め、声の主を睨む。
「天使族?」
サタンの呟きに、まさかとと言う表情でルシフェルは振り返った。
「リザ?!何で!」
「私の未来の旦那様をいじめないで!」
「旦那様だと?」
サタンはルシフェルを睨んだ。
「和解・・・天使族・・・成る程。
馬鹿げた話だ。ただの色ボケだったとはな。よかろう!先にあの天使族から葬ってやろう!」
「リフト、ア、カース。」
リザは、サタンを無視して、呪文を唱えた。
空中に現れた魔法陣が、サタンを包む。
「ふぅ。」
バサッ。
魔力を使い切った様子で倒れそうになるリザを後ろに控えたセバスが支えた。
「魔王様!もう一度サタンめに攻撃をー!」
セバスがルシフェルに叫んだ。
「なんだ?魔術は効かぬ!
さぁ!覚悟ー!!」
「やめろー!!」
サタンは、高速で移動し、リザとセバスの元に向かう。ルシフェルは、サタンに、更に高速で追いつき、魔力を込めた剣で斬りつけた。
シャキーン。
「・・・グハッ!」
サタンの体から血が噴き出している。
「な!なんだ!?何故!!」
サタンは、その場に膝を着いた。
「何でもいい!サタン!さらばだ!」
抵抗する間もない速さで、ルシフェルは何度もサタンに太刀を浴びせる。
「グハッ。」
「はぁはぁはぁはぁ。やったか。」
ルシフェルも疲れ果てた表情でその場に膝をついた。
「ルシフェルー!」
リザが駆け寄り、ルシフェルを抱きしめた。
「リザ。来たら危ないだろ?」
「ごめんなさい。でも、サタンが魔王の生まれ変わりなら、ルシフェルが死んじゃうと思って。」
「・・・まさか?リザが何かしたのか?」
「そうだよ。私が唯一使える魔術?魔術じゃないか?
まぁ、いいや。リフト、ア、カースをサタンにかけたの。
リフト、ア、カースは、呪いを解く唯一の力なの。」
「成る程。だからサタンに攻撃が。」
「良かったよ。間に合って。」
リザは安堵の表情を浮かべた。
「魔王様、勝手な事をした事、お詫び致します。」
「・・・セバス。助かった。お前の転移魔法が無ければ、間に合わなかっただろう。」
「ま、まぁ。そんな所で御座います。
場外は、ガウンが片付けてくれております。サタンの亡骸もテレパシーでガウンに頼んでおきましょう。」
「相変わらず便利な能力だな。
よろしく頼む。」
「承知いたしました。」
「イタタタ。」
ルシフェルは痛む体をリザに支えて貰いながら立ち上がった。
「では、一旦お城へ戻りましょうか。
転移。」
3人は、転移魔法に包まれると、城へと帰還した。
「セバス、すまない、限界だ。」
ルシフェルは、ソファーに倒れ込んで天井を仰ぎ見る。
「お疲れ様。」
リザはルシフェルの頭の横に座ると、頭を撫でた。
「ルシフェル、おいで。膝枕してあげよう。」
「それはうれしい。」
ルシフェルは、リザの太ももに頭を置くと目を閉じた。
リザは、ルシフェルの頭をゆっくりと、優しくなで続ける。
ルシフェルは、眠りについた様だ。
「うぐっ。」
隣りに控えたセバスは、涙ぐんでいる。
「セバスさんどうしました?」
「いや、ルシフェル様のご両親を思い出しましてな。
リザ様、これから先、ルシフェル様をお願い致します。」
「承りました。病めるときも健やかなるときも、ルシフェルを支えていきます。」
「本当にホルン様ににていらっしゃる。」
「顔はホルン様の方が綺麗だそうですけどね〜。」
リザは、ルシフェルの頭を撫でながら、不満気に呟く。
「照れ隠しでしょう。ここだけの話、ルシフェル様の恋バナにもほとほと嫌気が指しておりましたので、これから聞かなくて良いと思うと、ありがたい限り。」
「あはははっ!ルシフェルそんなに私に夢中なのですね。」
「それはまぁ。」
「セバス!」
ルシフェルが突然叫ぶと、セバスはビクッとした。
「セバスさん、大丈夫。寝言みたいですよ。」
「ふー、今の話はご内密に。」
「もちろん。」
リザは嬉しそうにルシフェルの頭をなで続けていたが、魔力を使い切った疲れで眠りについた。




