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我は転生魔術師で元聖騎士。天使族の令嬢がしつこく絡むので、身を任せる事にした。  作者: 蓮太郎
第二章 魔王。

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魔王の生まれ変わり。

「我に続けー!」

ルシフェルは先陣を切り、宙を舞いながら東の砦の城門に進む。


「おーーー!!!」

ルシフェル軍は雄叫びと共に東の砦に攻め込み始めた。


「城門を破壊する!

ウィンドカッター!」

ルシフェルが手をかざすと、特大の風の刃が城門へと放たれる。


スーン。


風の刃は、城門の手前で突然かき消された。

「シンラの結界か。」

魔術がかき消された結界をルシフェルは不満気に見つめる。

「この結界は厄介だな。

術師を倒すか、術師の魔力の限界まで魔術を打ち込み続けるか。

サタンとの戦いに備えて、魔力を温存したい所だが。」

ギーガラガラ。

ルシフェルが、顎に手を当てて考えていると、突然城門が開いた。


「おーーー!!」

城門からは、反乱軍の兵士達と、先陣を切る様に魔獣にまたがり突き進むシンラの姿が見える。


「ルシフェル様!ご覚悟!」

シンラは、杖をルシフェルに向ける。

「ファイアーボール!」

一般的なファイアーボールの3倍はあろうか、特大の火の玉がルシフェルに向かってくる。

「失礼いたす!」

シャキーン。


ドカーン。


ルシフェルを守る様に前に出たガウンが、ファイアーボールに向かって一太刀浴びせると、2つに分かれたファイアーボールが地面に落ちて爆発する。

「ルシフェル様はサタンとの戦いに備えて、温存されませ!」


「ガウン!恩に着る!」

ルシフェルは、少し後ろに下がると、反乱軍の兵士達を蹴散らしていく。


「おのれ!ガウン!」


「シンラ!大人しく投降せよ!」

ガウンは、シンラに剣を向けて叫んだ。


「どれだけ剣術が優れていようと、近づけなければ何の意味もないぞ!

ファイアーストーム!」

シンラが唱えると、ガウンの足元に魔法陣が展開される。


「し、しまった!」

ガウンの足元がら、炎の柱が立ち上り、ガウンを襲う。

「うわぁー?!」

丸焼きにされる様な感覚の中、ガウンは剣で地面に一太刀いれた。


魔法陣に切れ目が入ると、炎の柱は消滅した。

「はぁはぁはぁ。」

剣を地面に突き刺し、杖に寄りかかる様な格好で、ガウンは満身創痍だ。


「あはははっ!ガウン!見たか!

所詮剣など極めた所で、魔術の前には何の役にもたたないな!」

シンラは嬉しそうに高らかに笑う。


「まだまだ!」

ガウンは必死に体を起こし、剣を構えると、シンラに向かって走り出す。

「おーーー!!!」


「何度来ても同じ事!

ファイアーボール!ファイアーボール!ファイアーボール!」

シンラがファイアーボールを打ち込む度に、ガウンは太刀を振り、火の玉を斬りながら突き進む。

「おーーー!!!」

ガウンは止まらることなくどんどんシンラに近づいていく。

「おのれー!」


「シンラ!覚悟!」

ガウンはシンラの目の前まで迫り、剣を振りかぶった。

カキーン!

ガウンの剣はシンラの結界に弾かれた。


「あはははっ!剣など私には当たらん!」

シンラは余裕な表情で、笑う。

「おぬし!それではおぬしも攻撃できぬのではないか?

力くらべといこうか!」

ガウンは楽しそうに叫ぶと、剣を構えて振りかぶる。


カキーン!

カキーン!

カキーン!

何度も何度もガウンは結界に斬りかかる。


「一撃が重い。なんとかせねば。」

シンラは、ガウンの攻撃を受け続け、魔力を消費し続けている。


「がははははは!どうだ!

わしはまだまだいけるぞー!」

ガウンは手を緩める事なく、斬り続ける。


「エアストーム!」

シンラは、結界を解くと、風魔法で上空に逃げた。

「はぁはぁはぁ。おのれ、あの体力バカめ。」

空中でシンラが休んでいると、ガウンが不満気に見ている。

「シンラ!降りてこい!正々堂々勝負いたせー!」


「黙れ!付き合いきれるか!」

シンラは、叫び座間、ガウンに手をかざす。

シンラの手元には、特大の火の玉が生成されていく。

「私の最強魔法だ!とくと味わえ!」


「ま、まずい!あれは流石にきれんぞ!」

ガウンが絶望にくれている。


「ガウン!くらえ!メテオ・・・?

グハッ。」

シンラは突然、激痛に襲われた。

特大の火の玉は消滅し、意識がもうろうとする。

「な、何だ?」

痛む背中を触ると、手には血がべっとりとついている。

「・・・何だ?・・・まさか?!」

シンラは振り返りながら、移動する。


そこにはリーシャがいた。


「おのれリーシャ!」


「ふふーん!私の事忘れてた?」


「まっ、まさか!」


「そう、ガウンの叔父様に追い詰められた君が、魔法を2つ使うのを待ってんだよ〜。君、2つまでしか同時に魔法使えないもんね〜!」


「お、おのれ。隠蔽で近づき、結界を解除している状態になるのを待っていたということか。」


「せっいか〜ぃ!じゃぁ、お疲れ様。

さようなら、シンラ。

魔王様の命を狙うから悪いんだよ〜!」


「・・・ただでは死なぬ。」

シンラは小さく呟くと、地面に向かって落下しだした。

「ウィンドカッター」


「グハッ。」

最後の力を振り絞ったシンラの魔術は、リーシャの体をエグッた。

「しまった。油断した〜。」


リーシャも気を失い、地面に向かって落下していく。


バサッ、バサッ。

ガウンは、リーシャとシンラを受け止めた。

「全く、手間のかかるやつらである。」

ガウンは、二人を地面に寝かせると、自分も寝転がった。

「あ〜。これはもうダメかもしれん。

あぁ。だめなやつじゃ。」

ガウンは目を閉じた。


「ガウン、リーシャ、良くやってくれた。」

ルシフェルは、他の兵士達を蹴散らし終わっていた。

ガウンとリーシャの前にしゃがみ込み、労う様に言うと、決意を秘めた眼差しを東の砦に向ける。

「行ってくる。」

ルシフェルは静かに立ち上がった。



誰もいない砦をゆっくりと進み、一番奥にある広間にたどり着くと、玉座にはサタンが座っていた。


「サタン。同族が沢山死んだ。お前には責任を取ってもらう。」

ルシフェルは、拳を握り、サタンを睨みつける。


「ルシフェル様・・・いや、ルシフェル!裏切り者はお前の方だ!

俺の両親は、天使族との戦争に巻き込まれて死んだ。お前が起こした戦争でだ!俺も天使族が憎い。だから協力していた。

だが、何だ!戦争をやめて和解?

ふざけるなー!!!!」

サタンの抑えていた魔力が怒りで放出される。


ゴーーーーォ。


「返す言葉も無い。

だが、俺は気づいたんだ。戦争など何の価値も無いと。新たな妬み、憎しみを生むだけの戦争を終わらせたい。」



「平行線だな。」

サタンは、諦めた様に立ち上がる。

「先に言っておく。俺は恐らく前魔王の力を何故か引き継ぎ生まれた様だ。

ルシフェル、貴様は強いが、俺には勝てない。」



「そうか。

それでも、戦わなければならない。

いくぞ、サタン!」

ルシフェルは両手を構える。

「最初から全力で行く!

グラビティ!」


サタンの頭上に魔法陣が展開され、地面に堕ちるにつれて重力が増していく。

ゴーーー!!!!

サタンの周りにある玉座や祭壇が押しつぶされていく。


「どうだ!」

ルシフェルはサタンを睨みつける。


「ふっふっふっ。あはははっ!」

サタンは高らかに笑う。

「ルシフェル!魔王が魔王である由縁が分かるか?

前魔王、そして俺も、何故か呪いをかけられて産まれてきた。

その呪いが何だか分かるか?」


「知るか!

ファイアーボール!ファイアーストーム!」

ルシフェルはお構い無しに魔術を打ち込む。


「教えてやるよ!」

ダメージを全く受けない様子では続ける。

「呪いの効果は、魔術、物理攻撃無効化。不老不死だ!俺は無敵。

魔術や力はお前の方が上でも、俺が勝つことは決まっている!」


「・・・積んだ〜。」

ルシフェルは小さく呟くと、攻撃の手を止めた。

「まだ、魔術しか試してない。

諦めてたまるかよ!」

ルシフェルは、叫ぶと、腰にさした剣を抜いた。

「おー!」

ルシフェルは剣を振りサタンに斬りかかった。


「剣が、透過した?」


「だから言っているだろ!

サンダーボルト!」

サタンの掌から電流が走り、ルシフェルを襲う。


「あーー!!!」

ルシフェルは、サタンの前に膝をついた。

「お前、反則すぎだろ?」

ルシフェルは、サタンを見上げる。


「お前に言われたくは無い。

呪いが無ければお前が最強だ。

だが、魔王が選んだのは俺だった。

それだけだ。」

サタンは、手をルシフェルにかざす。

「さぁ、何でとどめがいい?」


「・・・そうだな。

・・・ストーンエッジ!

くらえ!」

ルシフェルは、僅かな希望を胸に、魔術を剣に施し、全力で斬り掛かった。

「打撃と魔術同時にならどうだ!」

ルシフェルの渾身の一撃だったが、サタンの体を敢え無く透過した。


「ダメだ。すまないリザ。」

ルシフェルは、小さく呟くと、戦意を失った様に座り込んだ。


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