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我は転生魔術師で元聖騎士。天使族の令嬢がしつこく絡むので、身を任せる事にした。  作者: 蓮太郎
第二章 魔王。

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覚悟と約束。

「魔王様!」


「セバス、血相をかいてどうした?」


「た!た!大変ですぞ!」


「落ち着け。」


「落ち着ける状況ではありませぬ!」


「何があった?」


「・・・サタンが、サタンが反乱を起こしました!」


「・・・そうか。」


「そうか。ではありませぬ!

サタンは、シンラと同方とともに、東の砦に立てこもり、宣戦布告してまいりました!」


「それは参ったな。」


「・・・やけに落ち着いていらっしゃいますが?」

ふと我に返ったセバスは不思議そうにする。

「セバス。」


「はい。」


「俺は魔王をやめる。サタンが魔王になればいい。」


セバスは、目を丸くして硬直している。


セバス、すまない。

俺は、もう魔王でいる事に疲れたのだ。

「はぁ。」

ルシフェルは、俯いてため息をもらした。


「わたくしもいささか疲れました。

また昔の様に、ルシフェル様とリザと申すおなごと3人で静かに暮らすのも悪く無い。」

にこやかに笑うセバスを見て、ルシフェルは安心したが、セバスの顔は真面目な顔に戻った。

「悪く無い・・・悪く無いのです。

ですが、天使族と、魔族の関係、そしてサタン。捨て置けば、必ず静かな生活を脅かしますぞ?

魔王様が魔王様である、いや、あった以上。」


「・・・やはりそうなるか。」


「はい、サタンは亡きものとし、天使族の和解を終えた後まで、安寧はおとずれませぬ。覚悟なさいませ。」

セバスは、真剣な眼差しをルシフェルに向けた。


「分かった。分かっていたんだ。

・・・四天王、いや、ガウンとリーシャを呼んでくれ。」

決意を秘めた眼差しをセバスに送りながら、ルシフェルは呟く。


「承知致しました。」




呼び出されたガウンとリーシャは、話の内容を察していた様だ。

ルシフェルの前に跪くと、闘志のこもった視線を送る。

「魔王様!我らは、魔王様に従う所存ですぞ!」

ガウンが力強く言うと、リーシャも隣りで頷いている。


「このような事になり、面目ない。」

ルシフェルは、立ち上がり頭を下げた。


「魔王様!」

「魔王様!」

ガウンとリーシャは両手を前に出し、慌てている。


「頭を下げるのは当然の事だ。

俺が不甲斐ないばかりに、同族と争わねばならぬ。」


「悪いのはサタンだ!魔王様ではない!」

リーシャは訴える様に言う。


「俺が慕われていればこのような事態にはならなかった。

だが、裏切りは裏切り。

同族とて容赦しないと決めた。

ガウン、リーシャ。

共に戦ってくれるか?」


「はっ!」

「喜んで!」

ガウンとリーシャは、頭を垂れ、共に戦う事を決意した。


「感謝する。明日の朝、東の砦に進軍する。

ガウン、リーシャ、よろしく頼む。」


「はっ!」

ガウンとリーシャは、進軍の準備のため足早に立ち去った。



「セバス、ガウンとリーシャには悪いが、もしかすると命を落とすかもしれない。リザに少しだけ会ってくる。」


「お気をつけて。」

セバスは何も言わず、ルシフェルを送り出した。



トントントン。


「はぁーい!」

ガチャ。

「あれ?ルシフェル。

こんな昼間に珍しいね。」


「あぁ。すまない。仕事中か?」


「大丈夫だよ!入って、入って!」


ルシフェルはいつもの椅子に腰掛けた。

「お茶いれるね〜。」

思いがけない訪問に、リザは嬉しそうだ。

「リザ、時間が無いんだ。

お茶はいいから座ってくれ。」


ルシフェルの真剣な空気に、リザはルシフェルの向かいの椅子に座った。

「どうしたの?」


「反乱が起きた。

明日、反乱軍と対峙する。」


「そ、そっか。」


「相手の首謀者はサタンという魔族だ。

・・・サタンは、強い。

もしかすると俺よりも。」


「魔王より?」


「そうだ。産まれた日が俺の方が早かった、産まれた親が最初の魔族だった。

それだけでサタンではなく、俺が魔王になっているが、サタンの得体の知れない強さ・・・サタンこそが魔王の生まれ変わりと言う者もいるくらいだ。」


「そ、そっか。」

リザは心配そうに俯いた。

「・・・じゃあ、ルシフェルがサタンに勝ったらご褒美をあげます。

何がいい?」

リザは、ルシフェルを元気付けようと、笑顔で接する。


「ご褒美か・・・サタンに勝てたら・・・天使族と和解に向けて頑張るつもりだ。

和解が上手くいったら。」

ルシフェルは少し照れた様に俯く。


「いったら?」

リザは期待に満ちあふれている表情で目を輝かせている。


「そ、その・・・リザが欲しい。」


「それはどういった意味で?」


「俺の妻になってくれないか?」

ルシフェルの真剣な眼差しに、リザはニコッと微笑んだ。

「喜んで。」

顔を少し赤くして、リザは俯く。


「最高のご褒美だ。」


「それは、それは。私なんかで良ければ、喜んであげますよ。」

二人は、しばらく名残惜しそうに見つめ合った。


「よし!」

ルシフェルは立ち上がった。

「リザ、行ってくる。」


「うん。行ってらっしゃい。」


「・・・死なないでとか言わないんだな。」


「ふふっ。そう言って抱きついてみたりして欲しかったの?

魔王の妃たるもの、黙って送り出せないと務まりませんわよ?」


「そうか。リザ。リザがリザで良かった。」


「意味分からないよ〜。

・・・ご武運を。」


「うん。行ってくる。」


ガチャ。

ルシフェルがドアを閉めると、リザは床に崩れ落ちた。

「ルシフェル!死なないで!必ず迎えにきてー!」

リザは、一人叫ぶ様に言うと、しばらくその場から動けなくなった。


リザはなんとか立ち上がり、椅子に座る。

「サタン・・・魔王の生まれ変わりか。

私も行くべきかな。」


リザは険しい顔で、考え込む様に机に伏せた。


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