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我は転生魔術師で元聖騎士。天使族の令嬢がしつこく絡むので、身を任せる事にした。  作者: 蓮太郎
第二章 魔王。

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派閥抗争の前触れ。

「どうそ召し上がれ!」

向かいに座り、嬉しそうにルシフェルを見つめるリザ。

数日悩んだ末に、ルシフェルはリザの家を訪れていた。


「で、では、頂きます。」

ルシフェルは、リザの作った料理をスプーンに取り、口に運ぼうとするが、

「お、おぃ。見すぎだ。食べづらい。」


「はぁ〜ぃ。」

リザは仕方なさ気にスプーンを取り、ルシフェルから視線をそらした。


「う、うまい!」

ルシフェルは、余りのうまさに次々と口に運ぶ。


「本当?!うれしいー!

でも、そんなに急いで食べたら喉つめるよ?・・・でも、その顔が好き。」


「ゲボッ、ゲボッ。」


「ほらー。」

リザは立ち上がり、ルシフェルの後ろに立つと背中をさすった。


「へ、変な事を言うからだ!

・・・幼い頃に食べていた、母さんの味に似ているんだ。」

ルシフェルは嬉しそうに、リザの料理を見つめる。


「うん。だって、ルシフェルのお母さんは、この村の出身だから。」


「そ!そうなのか?」


「うん。語り継がれてるのは、ひどい話・・・なんだけど。さらわれたホルンさんが無理やり魔族の子を産まされたとか、ホルンさんは魔族のスパイで、この村に潜入してたとか。

でも、私は嘘だと思ってたんだ。

・・・ルシフェルに出会って、それが確信に変わったよ。

ルシフェルは優しいもん。」


「・・・都合のいいように書き換えられるのが歴史と言うものだ。

リザの言う通り、母さんと父さんは仲が良かったよ。」


「そっか。どうせ天使族がルシフェル達を襲ったんだよね?」


「・・・あぁ。」


「そりゃあ、憎むし、戦争にもなるよね。」


「そうだな。天使族は憎い。」


「・・・私も?」


「・・・お前は・・・リザは、母さんに似てるんだ。

まぁ、顔は母さんの方が美人だが。」


「余計なお世話ですよ〜だ・・・でも、ルシフェルに嫌われて無くて良かった。」


「うん。リザは何故俺に関わろうとするんだ?お前が・・・リザが俺に構うから、決心が鈍りそうだ。」


「私・・・あなたに惚れました・・・多分。

・・・助けてもらったってのもあるけど、ルシフェルには何か惹かれてしまうの。遺伝子レベルのお話だよきっと。」


「なんだ、それ。

・・・だが、なんとなく分かる。

俺もリザに惹かれているのかもしれない。」


「ふふっ。嬉しい。」


「うまかった。また来る。」

ルシフェルは恥ずかしそうに顔を少し赤くして立ち上がった。


「えっ?このタイミングですか?

・・・泊まっていけば?」


「ば!バカか!帰る。」

ルシフェルは早足で玄関に向かった。

「ルシフェル。」

リザはルシフェルの腕を掴んだ。

「何だ?」


「その、ルシフェルが魔王様だから言ってみる。

戦争をやめられない?

村の人達が無意味に死んで、その家族が悲しむのはもう見たくない。

・・・私のね、お父さんとお母さんも戦争に巻き込まれて死んだの。

でも、私は魔族が、魔王が憎いとは思わない。

元々は、天使族が悪いんだから。

・・・ごめん、嘘。

少しは憎い。でも、戦争が終わる事の方が私にとっては重要なの。」


「考えておく。」


「うん、ありがとう。

で、泊まっていかないの?」


「・・・帰る!」


「ちぇー。また来てね〜。」

リザは小さく呟くと、玄関で手を振り、ルシフェルを見送った。



「と、言う感じだった。」

ルシフェルは照れくさそうにセバスに話した。


「ただの恋バナですな。」


「セ、セバスが全て報告しろと言ったのではないか!」


「そうでしたな。

で、魔王様は今後どうされるので?」


「・・・天使族と和解したい。

あの日以来、天使族と戦い続けて来たが、戦争は新たな恨みや憎しみを生むだけだと気付かされた。」


「魔王様の側近として断言致します。

天使族とは手を取り合うべきだと、セバスは思っておりました。

どちらの種族にとっても、戦争など何の利益ににもなりませぬ。

魔王様のご決断は、正しい!」

セバスは長年の心の内を吐き出す様に言うと、少し涙ぐんでいた。


「セバス、ありがとう。

協力してくれるか?」


「当たり前で御座います。

さぁ、早速四天王を招集いたしましょう。」


「あぁ。」





「と、言う事にする。」

すぐさま四天王が招集され、玉座の間で跪く四天王に、ルシフェルは天使族との和解を進言した。


「魔王様の御心のままに。」

「魔王様が言うなら。」


「・・・私は反対です。」

「右に同じく。」


四天王の意見は半分に割れた。


「すぐにとはいかぬとは思うが、和解できる様に進めて欲しい。

天使族との和解は決定事項だ。

他の魔族達にもふれをだす。」



「・・・。」

「・・・。」

反対派の二人は不満気に口を紡いだ。


「では、四天王、よろしく頼む。」

セバスは、聞く耳を持たないと言わんばかりに、会議を終わらせた。



四天王が退出すると、セバスが口を開いた。

「やはり、思った通りになりました。」


「・・・と、言うと?」


「四天王の武道派、ガウンとリーシャは、魔王様に心底惚れ込んでおりますし、反対はしないと分かっておりました。

が、魔術師シンラ、そして得体のしれないサタン、この二人は天使族との戦争を楽しんでいる。そう見ておりましたので。」


「なるほど。

シンラはともかく、サタンは厄介だ。

奴の強さは得体が知れない。

もしかすると俺よりも。」

ルシフェルは渋い顔をする。


「まぁ、可能性さえ考えたくはありませんが、あの二人は今後監視しておきます。」


「頼む。」


ルシフェルは頭を抱えた。


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