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我は転生魔術師で元聖騎士。天使族の令嬢がしつこく絡むので、身を任せる事にした。  作者: 蓮太郎
第二章 魔王。

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14/21

大切な約束。

「よし!じゃあ、まずは城内を探索しよ!」


朝食を済ませて、作戦会議を終えたホルンは高らかに叫ぶ。

今回のミッションとして、お風呂の確保と、ホルンの寝室の確保が急務という事になった。

アリビオは、リビングで寝ているホルンと一緒に寝たいと懇願したが、受け入れてもらえず、しょんぼりとしている。


ウキウキした様子で歩くホルンの後ろをアリビオはついて歩いた。


城は巨大で、いつくもの部屋がある。

三階立てで地下室もあった。


ホルンは、三階から見て回る。

三階は、大広間があり、階段の様に上がった所には、玉座が置かれている。

「広ーい!天井高ーい!」

ホルンは、広間に感動しつつも、すぐに次の扉へと向かう。


2階には、リビング、キッチン、客室、それから、アリビオの寝室があった。


1階には、会議室の様な大きな部屋や、応接室などがある。

そして。

ガチャ。

「わぁー!アリビオ!」

お風呂を見つけ、ホルンは嬉しそうにする。

「・・・このお風呂、どうやって入るのかな?」

プールの様に大きい風呂を見つめ、ホルンは固まっている。


「これがお風呂なんだ。」

アリビオは、なるほどと言うような顔をしている。


「そう!これはお風呂。何だと思ってたの?」


「何か分からないから、冬は湖が凍るから、ここに水をためて生きた魚を泳がせてた。」


「な、なるほど。

水はどうやってためたの?井戸から運んだの?」


「えっ?ああ。」

アリビオは実演したほうが早いと思い、風呂に向かって手をかざした。

「ウォーターホール。」

アリビオが唱えると、風呂に魔法陣が展開され、滝の様に水が生成された。

「す、すごい。」

ホルンはあっけにとられながらも、アリビオを見つめる。

「アリビオ、それって疲れる?」


「いや、全然。」


「よしっ。」

ホルンはガッツポーズする。

「アリビオ、あの中に、ファイアーボールを落としてみて!」


「えっ?うん。」

ファイアーボール!

火の玉が風呂の中に着水すると、湯気を出しながら消えた。

ホルンは、風呂のお湯に手を入れてみた。

「あったかーい!」


「そりゃ、ファイアーボール投げ込んだからな。」

アリビオは、良く分からなそうにしている。


「アリビオ!これがお風呂!」


「なんで?水じゃなくて熱い水に入るの?」


「入れば分かるよ!」

アリビオは、早速体に巻いた布を解き始める。

「ちょ、ちょっと!」

「入ればいいんだろ?」

アリビオは不思議そうにしている。


「はぁ。いいや、入ってみて。」

ホルンは諦めた様だ。

アリビオは恐る恐る、お湯の中に体を付けた。

座って肩まで浸かるとここちいい。

「ホルン!お風呂って、いいな!」

アリビオは、お風呂の良さに共感した様だ。

「ホルンも入ろう!」

アリビオは、また無知にホルンを誘う。

「・・・ちょっと待ってて。」

ホルンは、恥ずかしさよりもお風呂の誘惑に心を委ねる事にした。

リビングに戻り、脱衣所に向かう。服を脱ぐと、大きなタオルを体に巻いた。


「お、お待たせ。」

ホルンは恥ずかしそうに湯船に入り、アリビオから離れた所に座る。

アリビオは、近づきたいと思ったのだろう、お構い無しにホルンの隣りにきた。

「わざと離れた所に座ったんだけどな。」

ホルンが恥ずかしそうに言うと、アリビオは、何故?!と言いたげに悲しそうだ。


「ところで、何で布を巻くんだ?」


「は、恥ずかしいから。」


「そうなのか・・・・。」

アリビオは、不思議そうにホルンを見ている。

「あ、あんまり見ないで!」


「うん。分かった。」

アリビオはホルンから目線を外した。

が、すぐに戻す。

「なぁ!昨日、背中に当たってた柔らかいのってそれか?」

アリビオは、ホルンの胸元を指さした。


「・・・そ、そうだけど。」

嫌な予感しかしない。

そんな事を思いながら、ホルンはアリビオを見つめる。


「そうか〜。なんでか触りたいと思うんだよな〜ダメなんだよな?」


「・・・・ダメ・・・じゃないけど。ダメ?」


「どう言う事?」

アリビオは困惑している。


「・・・ちょっとだけなら。」


「いいのか?!」

アリビオは嬉しそうにホルンを見つめた。

「ど、どうぞ。」

ホルンが言うと、アリビオは手を伸ばし、胸元に触れた。


「あっ。」


「ご、ごめん!痛いのか?」


「ち、ちがう。いいから。」

照れるのを隠す様に、アリビオの手を持ち、ホルンは自分の胸元に当てた。

「ムニムニして、気持ちいい!何だか変な気分だ。」

「で、でしょうねー!もうおしまいー!」

ホルンは立ち上がると、脱衣所に逃げ込んだ。


ヤバい!ヤバい!ヤバい!

触らせるの許しちゃったー!

・・・アリビオなら嫌じゃないけど・・・出会って間もないのに私は何をしてるんだー!


ホルンは、顔を両手で覆いながら、一人はしゃいでいた。


こうして、無知であるからこそ、欲望に忠実なアリビオにホルンは翻弄され続ける。

結局、寝るのは同じベッドという事になったが、アリビオの真っ直ぐな求愛を交わすように、数日間は寝たふりをした。

そして。出会って数日しかたたない夜。

ホルンは、覚悟を決めた。


「ホルン、今日は起きてる?」


「・・・起きてる。」

バサッ。アリビオは嬉しそうに起き上がる。

「起きてるの?」


「う、うん。」

アリビオを見つめるホルンの顔は少し赤い。

「あのさ、あのさ!」


「な、何?」


「魔獣同士がさ!発情期に交尾してるの見たんだ!」 


「・・・はい。」

ホルンは、アリビオの真っ直ぐすぎる欲望に、あきれるのを通り越して、清々しいささえ覚えた。

「で、それがしたいと?」


「うん!うん!」

アリビオは、餌をもらう前のペットの様に、ワクワク、ウキウキした様子で真っ直ぐにホルンを見つめる。


アリビオは、ただ交尾がしたいだけ・・・なんだよね。

私だからとか、そんな感情はきっとない。

でも、ダメ元で契約を交わそう。


ホルンは、条件を付けることで、体を許す事にした。


「アリビオ。」


「何?」

アリビオは、今にも飛び掛ってきそうだ。


「魔獣や動物は誰とでも気に入れば交尾するでしょ?」


「うん!」


「でも、天使族や人間族は、好きな人、愛する人としかしないの。例外はいるけどね。」


「う、うん。」

何が言いたいのか分からずアリビオは考えている様だ。


「だから、アリビオも私としたら、私以外としないって約束できる?」


「うん!」


真っ直ぐすぎる回答に、ホルンは不信感を抱いている。


「ほ、本当に?」


「本当だ!任せろ!」


「ふふっ。任せろって。」


「何で笑うんだよ!俺はホルンとは毎日一緒にいたい!ずっと!それは好きって事だろ?だから、交尾は好きな人としかしたらいけないなら、そうする!」

アリビオは、言葉の意味は理解しているが、ホルンと出会って色々な感情が突然湧いてきて戸惑っていた。

だが、好きと言う感情が心の中に芽生えた事には気付いていた。


「・・・・文句無しです。」

ホルンは起き上がり、アリビオに抱きつくと、ぎこちなくキスをした。


「こ、これは?!」

アリビオは、変な気分になり、動揺している。

「これは知能のある種族がする求愛行動よ。私も、アリビオが好きだよ。」

ニコッと笑うホルンを、アリビオは抱きしめ返してベッドに寝かせる。


「・・・・。」

アリビオは停止した。

「どうしたの?」

ホルンが不思議そうに首を傾げると、

オリビオは起き上がり手を合わせる。

「頂きます。」

目を閉じて感謝を伝えようとしている様だ。

「ふふっ、あはははっ!

何で頂きますなの?」


「えっ?頂きますしないとホルンに怒られると思って。」


「・・・・一応確認なんだけど、私の事食べたりしないよね?」

ホルンは少し不安そうな顔をしている。


「えっ?ホルンを?俺が?」


「うん。」


「食べる訳ない!ホルンがいなくなったら悲しい。」


「良かった〜。」

ホルンは安堵の表情を浮かべる。


「俺の事何だと思ってんだよ〜。」

アリビオは少しふくれている。


「だって魔族の事、何も知らないから。」


「そうだよな、俺も知らない!

でも、ホルンは食べない!」


「分かった。」

ホルンは手を広げ、アリビオを誘う。


「ホルンー!」



こうして、二人は愛し合った。

愛の結晶ができるのにそう時間はかからなかった。

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