再会するのを期待していたが。
「また来るね〜!」
ホルンは、朝日と共に、アリビオに大きく手を振り帰路についた。
アリビオも、ホルンに手を振り返した。
あーぁ。またひとりぼっちだ。
ホルンは、あぁ言ってたけど、もう会う事も無いんだろうな。
城の地下の書物庫で読んだ本に書かれていた。
魔族と天使族は敵対していたと。
ホルンがどう思おうと、きっともう一度来るとこを誰かが止めるだろうな。
アリビオは、俯いた。
「・・・まぁ、元に戻っただけだ!
それに!俺は、アリビオ!!
名前ができた!」
アリビオは切り替える様に叫ぶと、日課の狩りへと向かった。
「今日はラッキーだったー!こんな大きい獲物と出会えるとは!いつもは小動物ばかりだからな。」
アリビオは、背中に巨大な鹿を抱えて、家に向かって歩いていた。
「誰か助けてー!」
「・・・・何してんだ?」
目の前に昨日と同じ光景が映り、アリビオは不思議そうにホルンに声をかける。
ホルンに襲いかかろうとしていた魔獣達は、アリビオに気付くと、甘い声を出して擦り寄る。
「あー!アリビオ!遅い!魔獣に食べられるかと思ったよ。」
「ほんと気をつけろよ?まさか道間違えて気づいたら昨日と同じ所で魔獣に襲われてたとかか?」
「私をバカにしすぎー!村にはちゃんと帰りました。」
「それは、それは。・・・・で?」
「・・・今日も泊めて。」
「い、いいけど。何でまた来たの?
暇なの?」
「・・・・違う。アリビオの事話したら、村の人達と喧嘩になった。魔族と関わるなとか、退治するからどこにいるか案内しろとか・・・だから、村を出てきました。
今日、じゃなくて、今日から、泊めて!でした。」
「それでその大荷物って訳か。
大丈夫なのか?」
「うん。別に村にいる理由も無い。身内はいないし、私もひとりぼっちだったから。」
ホルンは、俯いた。
「そっ。じゃあひとりぼっち同士、仲良くくらすかー!」
アリビオは素直に嬉しかった。
「うん!」
「荷物持つよ。」
二人は嬉しそうに、時折見つめ合いながら、アリビオの城へとゆっくりと歩いた。
「さぁ!今日は調味料も沢山持って来た!期待しててね!」
ホルンは台所に立つと、椅子に座ってワクワクした様子のアリビオに自信ありげに言う。
「楽しみだ!」
「がんばるね!
そう、そう。ハーブとか風味付けに使えるから、種も持ってきたんだー!
明日からは、畑を作ったり、探検したり、色々したいことがあるの!」
「ホルン、楽しそうだな。」
「うん!今も楽しいし、明日から楽しみでワクワクする!」
ホルンがニコッと笑うと、アリビオはドキッとした。
「ジャーン!」
ホルンは、自慢げに更に盛り付けた料理をテーブルに並べた。
彩り鮮やかに盛り付けられた料理は、見るからに美味しそうだ。
「すごいな!」
アリビオは嬉しそうに料理を眺める。
「食べよ!」
「うん!」
アリビオは、スプーンを持ち、早速食べようとしている。
「待って!」
「えっ?何で?」
アリビオはスプーン片手に早く食べたそうにしている。
「スプーンを置いて、手を合わせて。」
「う、うん。」
アリビオは渋々、スプーンを置きホルンを真似て手を合わせる。
「頂きます。」
「・・・。」
「命の恵みに感謝して、頂きますって言うの。さぁ!」
「う、うん。い、頂きます。」
「よくできました!どうぞ、召し上がれ!」
ホルンは、ニコッと微笑んだ。
アリビオは、嬉しそうに料理をほうばった。
「な、なんなんだこれはー!」
肉が入っているのに、生臭さはゼロ。
おまけに、何か美味しい味に、何より香りがいい!
オリビオは、感動の余り気づけば叫んでいた。
「えっ?口に合わなかった?」
「うまい!うまいよホルン!」
オリビオは、堰を切った様に、パクパクと食べ始めた。
「良かったー!」
ホルンは、嬉しそうにした後、不満気な顔をする。
「オリビオ。」
「何だ?」
「もっと良く噛んで食べて。あと、食べ方が汚いよ。レディーの前なんだから、もう少しお行儀良く食べてよ〜。」
「行儀よくってどんなふうに食べればいいんだ?」
オリビオはきょとんとしている。
「そっか、一人で生きてきたんだもんね。テーブルマナーは追々教えるから、今日は、良く噛んで食べる練習!」
「はぁ〜ぃ。」
「ふふっ。あはははっ。」
「あはははっ!」
二人は見つめ合うと何だか楽しくて笑った。
ホルンは、魔獣の様な生活をしてきたオリビオに色々と教えてあげようと誓った。




