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デルタのスナイパー  作者: 二条路恭平


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久しぶりに自宅のガンロッカーから、私物としての拳銃を持ち出してみる。

貯金から結構な額を継ぎ込むことになったが、俺が所有している拳銃はカスタム・ハンドガンとして有名なアーカンソー州に本拠を置いているウィルソン・コンバット社から出されているBCM GUNFIGHTER 1911モデルで、スライドの右側前方には「BCM☆」の刻印があり、手前側にはウィルソン・コンバット社の鷲をイメージしたトレードマークが刻印されているほか、スライド左側中央には「GUNFIGHTER1911」と刻印され、手前側には大き目な「☆」が刻印されている。

また、スライドの手前側の両方にスライドを後方へ引く時に滑り止めとなるセレーションが単なる直線ではなく「X」の文字をイメージした感じで入れられており、近年のハンドガンではスライドの前方部分にも滑り止めのセレーションが施されているのがパターン化されているようだが、俺が所有するBCM GUNFIGHTER 1911モデルのスライド前部にはセレーションが刻まれてはいない。

更に、スライド先端に取り付けられているバレルブッシングのバレルが通る穴の下方には「WILSON」と刻印が入っているほか、バレルブッシングの下に位置しているリコイル・スリング・キャップの先端には、通常の1911モデルであればチェッカリングが施されているのが、そのチェッカリングが削り落とされて、二重丸のようなセレーションに置き換わっている。

スライド上部に目を転じると、フロント・サイトは一般的な白点ドットでもトリチウムを嵌め込んだナイト・サイト仕様ではなく、白点ドットの部分に穴を開けて棒状の真鍮を埋め込んでいるゴールド・ビード・サイトに変更してもらっている。

個人の所有物である拳銃を夜間に使用するケースは強盗が襲ってくるとか余程の事態でもなければ使用する機会がないので、日中に屋外で使用することを前提としてゴールド・ビード・サイトにしておけば、日光を受けて金色に輝くことで銃撃を行う際にフロント・サイトを識別しやすくなるようにしている。

また、購入時に装着されていたグリップ・パネルを外して、デルタ・フォースのOBの1人であるラリー・ヴィッカーズ氏が軍を退役後に設立したヴィッカーズ・タクティカル社から販売されているG10という特殊樹脂製のグリップ・パネルに交換している。元々装着されていたグリップ・パネルでも充分に滑り止めの効果があり、決して不満があるわけではないが僅かながらでもヴィッカーズ・タクティカル社から販売されているグリップ・パネルの造りが薄くなっているので、俺の個人的な判断で少しでも握り心地の良いヴィッカーズ・タクティカル社のG10製グリップ・パネルに付け替えている。

前回、このBCM GUNFIGHTER 1911モデル拳銃を使用した後に充分なメンテナンスを施してガン・ロッカーに仕舞っていたので、改めて取り出して外観のチェックや手動によってスライドを動かしてみても不具合と思えるような感触はしない。

次いで、BCM GUNFIGHTER 1911モデル拳銃に装着するマガジンもウィルソン・コンバット社製の10連ロング・マガジン3本を取り出し、更に弾丸の重量が165グレイン(約11グラム)の45ACP弾薬が50発入っている弾箱も取り出して、そこから10発分の45ACP弾薬をロング・マガジンへ詰め込んでから、手動で詰め込んだ45ACP弾薬を抜き出してみてもマガジン内のスプリングにヘタリ等はないようで弾薬のせり上がりにも特に問題がなそうである。

射撃競技会へ出場するために使用するギアの全てが万全の状態ならば、エントリー予定の競技会が楽しみになるが、テキサス州で行われる射撃競技会の開催は来週の日曜日となっているので、今からテキサス州へ移動してもテキサス州に到着してから時間を持て余すことになる。

自宅内では、BCM GUNFIGHTER 1911モデル拳銃を発砲することなく稼働状態をチェックしたが、どうせなら実際に発砲してBCM GUNFIGHTER 1911モデル拳銃の状態を把握しておくのも悪くないと思い、射撃競技会へ参加するための肩慣らしの意味を込めて自宅から近い銃砲店兼インドアレンジで行われるローカルな射撃競技会へ参加してみることにした。

銃砲店へ電話を入れてみると2日後にボーリングピン・マッチが開催される予定となっていることが分かり迷うことなくエントリーすることにする。


ボーリングピン・マッチは、銃砲店のインドアレンジで行われるので射程距離は自ずと短くなっている。

本来インドアレンジの使用目的は、拳銃やライフル銃を購入しに来店した客が気に入った銃器をインドアレンジで試射するためにあるのだが、あまり射程距離が長いレンジだと射撃経験の少ない客の場合にはターゲットに命中しない事態となり、決して安価ではない銃器を購入するのに狙った所へ命中しない銃器を購入するために多額の金を支払うことはしないので、店としても少々射程距離の短いレンジで試射をさせて命中する銃器であることを納得させた上で客に販売する手法を取っている。

そのため競技会当日にセッティングされるステージは、7~15ヤードの射程距離に5本のスタンドが任意の位置に配置され、そのスタンドの上にボーリングピンが置かれて、そのボーリングピンへ目掛けて拳銃を発砲してボーリングピンをスタンドから落下させるのだ。

実際に競技を行う際は、2人1組となる対戦方式で行われ、競技開始前にはマガジンを抜いてスライドを閉じた状態にした拳銃と3発の弾薬を装填したマガジン1個に、装填可能な弾数まで詰め込んだ予備マガジンをテーブルの上に置き、そこから約1メートル離れたスタート地点にスタンディングの状態でスタンバイをする。

スタートブザーが鳴った時点で、競技が始まりスタート位置からテーブルの前まで進み拳銃に3発だけ装填しているマガジンを挿入、その後にスライドを後方へ引いて発砲準備を整えてボーリングピン目掛けて発砲していくのだが、1本だけゴールドに塗装されたボーリングピンがあり、そのボーリングピンは最後に撃ち落とさねばならず、5本目のゴールド・ボーリング・ピンを相手より早く撃ち落とせば勝ちとなるが、仮に途中でゴールドのボーリングピンを撃ち落とした場合には、その時点で失格となり相手が勝利することになる。

それを最大で3回実施することになるのだが、2本先取した時点で勝者が決まり勝ち抜けとなって、次の対戦相手と勝負を行うという段取りになっている。

このような射程距離が短いローカルな射撃競技会だが、対戦相手が存在するという条件下で行われるので決して侮ることができないし、実際にスタートのブザーが鳴れば対戦相手より少しでも早くという焦りと緊張感で、通常なら問題なく初弾で各ボーリングピンに命中させることができる射程距離であっても初弾命中を連続して決めるのは案外と難しい。

俺は、部屋の中でテーブルに置いたマガジンをBCM GUNFIGHTER 1911モデル拳銃へ装填する練習を始めた。

どんなに射撃スキルに優れた者であっても最初に使用するマガジンに3発しか装填できていないのでは、最低でも1回はマガジン交換をしなければならず、そのマガジン交換が如何にスムーズに行えるかが勝敗を決める要素となる。

一方で使用する弾薬の威力という部分があるものの射程距離が短いステージでは、大半の参加者が使用するであろう9×19ミリメートル弾薬、いわゆる9ミリメートル・パラベラム弾薬と俺が使用する45ACP弾薬に大した差はなく、かえって45ACP弾薬を使用することで反動が9ミリメートル・パラベラム弾薬よりも大きいために連射する際にハンデとなるが、軍の射撃訓練で他の隊員が9×19ミリメートル弾薬を使用するM17拳銃と比べても45ACP弾薬を使用する1911系拳銃の俺が並んで発砲しても命中精度や時間的な部分での遜色はない。

競技会当日の朝、俺は履き慣れたジーンズに巻いているベルトを一度外してからヒップホルスターとマガジンを入れるマガジンポーチを準備してから、ベルトをジーンズに戻す際にヒップホルスターとマガジンポーチを装着してベルトを締める。

ヒップホルスターにBCM GUNFIGHTER 1911モデル拳銃を差し込み、10発の45ACP弾薬を装填している2本のマガジンをマガジンポーチへ入れる。

Tシャツの上からデニム生地のジャケットを羽織って腰に位置するBCM GUNFIGHTER 1911モデル拳銃や10連のマガジンが直接見えないように隠してから、昨夜のうちに紙製の弾箱に残っている弾薬をプラスチック製の弾薬ケースに移し替えていたので、そのプラスチックケースを提げて競技会場である銃砲店を目指して部屋を出発する。

開催されるボーリングピン・マッチは、午後から開催されるので銃砲店へ向かう途中でハンバーガースタンドに立ち寄りチーズバーガーとホットコーヒーをテイクアウトして銃砲店へ向かった。

銃砲店に入る手前で、ベンチのある広場でテイクアウトしたチーズバーガーを喰いホットコーヒーで胃に送り込み腹ごしらえをして昼食を済ませてから、銃砲店に入ると顔見知りとなっている店のオーナーが笑顔で迎えてくれる。

久しぶりに会ったことで色々と会話をしたそうな店のオーナーに、ボーリングピン・マッチへエントリーしていることを告げて参加料であるエントリーフィーを支払ってから店のオーナーとの雑談を始めて、射撃競技会の開催までの時間を潰すして過ごし、ボーリングピン・マッチが始まるのを待つ。

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