短編集❶無口で人にも好かれた事ない私がある日学園のアイドルで芸能界でも超絶美少女と話題になった彼女に告られた話
第1章:孤独な跡取り
僕の名前は簗川隆。男子高校1年生。
父は日本の4大財閥のひとつ、簗川財閥の会長だ。母は僕が小学生の頃に癌で亡くなった。
僕は生まれながらにして多くの期待を背負っているが、無口で誰にも好かれたことはない。
学校は3つの学科に分かれている。僕は進学、就職学科。将来は当然家業を継ぐつもりだ。
そんな僕にも4人の親友がいる。
「隆、今日は授業どうだった?」
幼馴染の宮下佳織がにこりと話しかける。彼女は僕の従妹で、看護師を目指しているが秘密裏に小説も書いている。
「部活どう?俊輔」
スポーツ学科の従兄弟、仲村俊輔はサッカーでプロを目指している。
「おう、隆。今日も無口だな」
芸能学科の幼馴染、柳瀬卓郎は俳優志望で僕らの中では一番気さくだ。
「ねえ、隆、元気?」
芸能学科の福原愛莉はアカデミア新人賞を取った売れっ子女優で、僕らの唯一の共通点は親友という距離感だ。
僕はいつも授業中一人だが、この4人だけが僕に声をかけてくれる。
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第2章:集まりの予感
昼休み、スマホを開くとグループLINEに愛莉からメッセージが来ていた。
「今日の夕方、いつもの喫茶店で集まれる?」
「なんかあったのか?」卓郎がすぐ返信を返す。
「詳しくは言えないけど、話したいことがあるの。連れて来たい人がいる。」
「わかった!部活終わったらすぐ向かうよ。」俊輔も返信。
佳織も「仕事終わったら向かうね!」と。
僕はすぐに「了解!」と返事した。
僕らはそれぞれの事情でバラバラのクラスだけど、このグループだけは心強い存在だった。
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第3章:喫茶店での再会
授業を終え、いつもの喫茶店に着いた。
「いらっしゃい。いつものオレンジジュースとショートケーキでいいね?」店長が笑顔で迎えてくれた。
「はい、お願いします。」
この店には毎日来ているが、今日は貸し切りらしい。
佳織が早く来ていた。
「1時間前からいるなんて…早すぎだよ!」
卓郎も来て、「お前ら早いなあ」と笑う。
俊輔は汗だくで部活終わりの姿だった。
やがて愛莉が現れ、彼女の隣には見覚えのある美女がいた。
「この人は…湊川葵、国民的アイドルの『虹☆輪』のメンバーだよ。」
僕ら全員が驚きを隠せなかった。
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第4章:突然の告白
愛莉が小声で耳打ちした。
「実は葵さんは隆くんに用があるって。」
葵さんが僕の目をじっと見て、緊張気味に言った。
「簗川君、私と付き合ってください!」
場の空気が一瞬凍りつく。
「え?どういうこと?」佳織が問い返す。
「アイドルって恋愛禁止じゃなかったっけ?」卓郎も心配そうに言う。
「私も知ってるけど…葵さんが隆くんのことずっと気になってたんだって。」愛莉が答える。
「そうか…俺、彼女なんてできたことないけど…」僕は戸惑いながらも心が揺れた。
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第5章:アイドルの世界へ — 瞬間の交わり
数日後、葵から「明日時間ある?」と連絡があった。
約束の場所に着くと、そこには多くの人と4つのグループのメンバーたちがいた。
ライブが始まり、葵がステージで輝く姿を見て、僕は胸が熱くなった。
ライブ終了後、葵の家族が僕に話しかけてきた。
「娘をよろしくお願いします。」母の紗耶香さんは涙を拭いながら言った。
姉の明梨さんは「妹は不器用だけど真っ直ぐなのよ」と笑顔で。
妹の桜里奈ちゃんは「お兄ちゃんみたい」とからかってきた。
その夜、葵は僕を自室に誘い、静かにキスをした。
「隆くん、私のこと大切にしてね。」
僕は照れくささを隠せず、「本当に僕でいいの?」と聞いた。
「はい。あなたがいいの。」
二人の唇が重なったあの瞬間、僕たちの未来が動き出した。
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第6章:秘密の共有
葵との関係は急速に深まっていったが、彼女のアイドルとしての立場は僕らを慎重にさせた。
「ファンや事務所には絶対に内緒だよ。」葵は言った。
僕らの秘密の時間は限られていたが、いつもお互いの存在が励みになった。
「隆、今日は学校どうだった?」
「進学クラスは相変わらずだけど、君のこと考えてたら集中できなかったよ。」
「私も…そう。」
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第7章:友達との対話
親友たちは僕と葵の関係を応援してくれたが、それぞれ心配も抱えていた。
「隆、君が幸せそうで良かったよ。でも無理しすぎるなよ。」俊輔が言う。
「葵さんはアイドルだからプレッシャーも大きいはず。」佳織も慎重だ。
卓郎は「俺は応援するぜ!何かあったら相談しろよ」と力強く言った。
愛莉も「私たち、みんなで守っていこうね!」と笑った。
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第8章:試練の訪れ
葵の事務所が二人の関係を知り、警告が来た。
「恋愛禁止は事務所のルールだ。これ以上続けるなら…」
葵は苦しそうに僕に言った。
「隆、私…どうしたらいいの?」
僕は彼女の手を握り、決意を込めて答えた。
「どんな困難があっても、一緒に乗り越えよう。」
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第9章:絆の証
僕らは周囲の反対を乗り越え、密かに絆を深めていった。
葵はライブの合間に僕にささやいた。
「あなたといると、私は私でいられる。」
僕も答えた。
「葵が幸せなら、僕も幸せだ。」
ある夜、二人は星空の下で再びキスを交わし、未来を誓い合った。
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第10章:新たな始まり
卒業が近づき、僕たちはこれからの道を考えていた。
「隆、あなたとならどんな未来でも怖くない。」
「葵、俺もだ。」
親友たちも僕らの背中を押してくれた。
「いつでも味方だぜ!」卓郎が笑い、
「ずっと応援してるからね。」佳織が微笑み、
「私たちも夢に向かって頑張る!」俊輔が力強く言い、
「私も負けないから!」愛莉が元気に言った。
僕たちの物語は、これから本当のスタートを切る。