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ミニャのオモチャ箱 ~ネコミミ少女交流記~  作者: 生咲日月
第1章

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37/283

1-30 2日目の朝

本日もよろしくお願いします。


■■■■■■■■■■■■■■

開始時刻 5:00

仕事:魚獲り

人形:赤土人形10体、安山岩人形2体

募集人数:12人

条件1:釣りっぽ指名

条件2:雷属性2名

条件3:誰でも可9名

達成条件:魚を採取して帰還する。


説明:

・ミニャの分として最低でも3匹分取ってくる。それ以降は賢者の分け前および氷室へ貯蔵する。昨日は鳥の襲撃があったため、数人は護衛として上空を警戒すること。


■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■

開始時刻 5:00

仕事:ゴブリンの監視

人形:赤土人形

募集人数:5人

条件:誰でも可5名

達成条件:ゴブリンの集落の監視を1時間行なう。


説明:

・ゴブリンの集落の東西南北と集落垣根内に作った見張り穴にて、ゴブリンの監視を行なう。

・絶対に手出しをしてはならない。じっとしていられる賢者のみ受注すること。

・また、グロ映像を見る可能性もあるので、グロ耐性があるほうが望ましい。

・ゴブリンに見つかった場合は、穴の中に引っ込んでただちに指示を仰ぐこと。


■■■■■■■■■■■■■■



 賢者たちの朝は早い。

 ていうか、多くの賢者が寝ていない。本日が日曜日なので賢者たちは無敵なのだ。日曜じゃなくても無敵な者もいるが。


 夜の間も工事に探索、人形作り、見張り、魔法研究とたくさんのクエストが発行され、賢者たちは我先にとクエストを受注していく。


 さて、ゴブリンの集落の監視は5か所に掘られた監視穴の中から顔を出して行なわれる。

 監視穴は秘密工房と違って簡単な造りで、周りに苔を被せて隠密性を高くしている。中には3体の人形があり、ローテーションで活動できるようになっている。

 それぞれの監視穴に3体の赤土人形を揃えるのが大変だったため、5:00からの監視が初めての任務であった。


 監視スレッドではそれぞれの穴に入った賢者たちが活動を開始したコメントが投稿された。


【59、ワンワン:こちら中央監視班。任務開始時点でゴブリンの集落は眠りこけている様子だ】


【60、クインシー:こちら南監視班。ここからサバイバーが殺したゴブリンの死体が見えるが、まだ発見されていない。死体漁りの動物も見られない】


【61、天風:ネズミやカラスみたいなのも来ていないの? あ、ちなみに東班だけど、活動している個体はナシだよ】


【62、クインシー:ああ、死体漁りはないな。ゴブリンの臭いがきついから集落に近づかないんじゃないか? ただ、ハエみたいなのは集まり始めている】


【63、闇の福音:こちら西班! 異常なしだが、大発見をした!】


【64、ワンワン:どうした?】


【65、闇の福音:闇属性に魔物鑑定があった! 奴隷ゴブリンたちの鑑定ができる!】


【66、クインシー:やっぱり闇属性が魔物鑑定だったかぁ】


【67、クラトス:外部班だ。魔物鑑定についてはこちらで魔法図鑑に記載しておくから、魔物鑑定の画面をもう一度見せてくれ】


【68、闇の福音:わかった!】


 そんなふうに連絡を取り合い、かなり真面目に任務を行なっている。

 彼らはウインドウを持っているので、暇つぶし対策は万全であった。


■賢者メモ 闇属性■

『魔物鑑定 ※性能は後に検証して判明』

・魔物を鑑定する。以下のことが『★マーク』でわかる。

・その魔物の世間的な強さと特殊能力の強さ。

・ミニャが1対1で戦った際の危険度と、ミニャに対する敵対心。発見されない限り、敵対心は★0となる。

■・■・■


■賢者メモ 魔物鑑定■

『ゴブリン』

・強さ★1 ・特殊★3

・ミニャにとって危険度★2、敵対心★0

・1匹では大したことはないが、集団を形成するので脅威となる。

 また、人が感染する病原菌を保持しやすいため、ミニャをあまり近づけるべきではない。ゴブリンが持つ病原菌に感染した場合は回復魔法で治療が可能。

■・■・■




 夜の間も仕事を続け、現在6:00。


『ネコ太:ミニャちゃん起きて起きてーっ!』


「みー……」


 近衛隊に揺り起こされたミニャは、子猫のような声を出してもぞもぞした。握られたぷにぷにお手々で目元を隠し、再びスヤー。


『ネコ太:か、カワヨ!』


『乙女騎士:よちよちおネムなんですねぇ』


『くのいち:お耳シュッシュ、お耳シュッシュ』


 近衛隊はほのぼのした。


『覇王鈴木:いや、起こせよ。もう魚を焼き始めるぞ』


『ネコ太:ハッ、起こさないと! みんな、正気に戻って!』


『乙女騎士:ハッ、私はなにを!?』


『くのいち:15分くらい時間が飛んでる!』


 改めてミニャを起こす。


「うにゅ……?」


 ミニャはおネム粒子をぽやぽやと出しながら起きあがり、ネコ太たちのあとに続いて外に出る。朝の森のピリッとした空気を吸ったミニャから、おネム粒子がふわーと森の中にないないしていった。


「みゃっ! お人形さん!」


 そこまで来て、ミニャの記憶の糸が繋がった模様。

 お世話してくれる人形たちに向けた目を真ん丸にして大覚醒。


『ネコ太:ミニャちゃん、おはよう!』


「おはよう、ネコ太さん! おはよう、みんな!」


 お耳をピコピコさせてご挨拶するミニャに、賢者たちからも挨拶のフキダシが続々と上がる。賢者たちに音声があれば猫なで声であろうことは間違いない。


 ミニャはその場に座り、お人形さんたちを1体ずつナデナデしていく。これには賢者たちの魂も昇天待ったなし。


 昨日作られた石製の水盆に水魔法で水を張り、ミニャに顔を洗わせる。


『ネコ太:報告します。ミニャちゃんの健康状態は引き続き「元気いっぱい」です!』


 ネコ太の『健康鑑定』で体調もチェック。

 それはまさに王の生活。

 しかし、ミニャにその自覚はない。森の中だもの。


 そうこうしていると、お家の入り口から良い匂いがし始めた。


「朝からお魚! 夢みたい!」


 ミニャは目をキラキラさせ、シュババとお家の中へと入っていった。


「お魚ズンズン! お魚ズンズン! ミニャちゃんのお魚ズンズク、ズンズク! おーいしいっ! おーいしいっ!」


『賢者一同:お魚ズンズン! お魚ズンズン! ミニャちゃんのお魚ズンズク、ズンズク! おーいしいっ! おーいしいっ!』


 覚えたばかりのダンスを踊って料理人であるトマトンを煽り散らかす。今日も塩はなし!


 煽りを喰らいながらもトマトンは任務を全うし、焼き魚を完成させた。

 さらに今日は夜のうちに発見された木の実も加わってちょっぴり食事事情が向上した。


■賢者メモ 植物鑑定■

『プッチン苺』

・ミニャにとって、毒性なし、薬効あり、食用可。

・小動物やヘビの好物なので、庭先に植えるとそれらを呼び込んでしまう。

■・■・■


 ミニャ用の石のお皿に葉っぱが敷かれ、その上に魚が盛られた。石の小鉢にはプッチン苺。

 一方、賢者たちは葉っぱのお皿に魚とプッチン苺が一緒に盛られた。勝手に食えスタイル。

 これが王と雑兵の扱いの差である。


「みんな、ありがとうございます!」


『トマトン:うん! じゃあ食べて食べて!』


 ミニャは賢者たちにお礼を言って、朝食を食べ始めた。


「もむもむ……うまぁ! もむもむ……みゃーっ!」


 ミニャは恍惚とした表情でうまぁとした。

 魚獲り班はミニャが喜ぶ姿を見て、みんなでハイタッチしていく。


 この場の多くの者が、子供を育てた経験がない。

 そんな彼らにとって、自分のした仕事の結果、幼女がお腹いっぱいになっていくという事実は、大変に魅惑的で達成感に満ちたものだった。


 ミニャと一緒にご飯を食べられる賢者がいる一方、この場にいない賢者たちからは羨望のセリフが飛び交う。


【678、トゥエルブ:食事時のクエストは順番にできねえか?】


【679、ところてん:僕もそれは賛成だな。ミニャちゃんと一緒にご飯を食べたい】


【680、ラグーン:少し落ち着いたらいくらでも食べられるだろ。それまでは我慢しようぜ】


【681、トゥエルブ:ミニャちゃん陛下と一緒に食べることに価値があるんだろうが! 異世界の物が食いたいだけならその辺の草を食っとるわ!】


 と、改善要求も出てくる。

 しかし、体制も整っていない現状ではなかなか難しいだろう。




「これから今日の予定を説明します!」


 朝食が終わると、今度はミニャによる朝の会が始まった。


 出席者は近衛隊や家の中で作業をする賢者たちと、パソコンの前の賢者たち。外の任務に就いている者は残念ながら不参加だ。

 ミニャは、ネコ太のウインドウに表示されているカンペの原文を読みながら、みんなに指示を出した。


「うんとうんと、今日は朝から探索と工作の賢者さんをたくさん召喚します。それぞれ頑張ってください!」


「このあとに、ミニャと一緒にいろいろな『カスタム委員会』を作ってどんなのか調べます。よろしくお願いします!」


「今日は特別な任務があります。遠くまで行く賢者さんたちです。準備ができたらミニャが召喚するので、頑張ってください!」


「うーんと、終わりです! 今日も一日頑張ってください!」


 そうやって読むミニャだが、本人はやっぱりよく理解していなかった。

 まだ2日目だ。ミニャの教育はゆっくりじっくりである。


 ミニャが朝の会を終えると、並んでいる賢者たちはにゃんのポーズで敬礼した。

 ミニャもむふぅと胸を張って返礼する。


 一日が始まった。




 ミニャとの検証の結果、『カスタム委員会』とは『クエスト発行』の権限を持った賢者のグループを作れる機能であった。

 クエスト発行の権限を持つのは、委員長などの役職持ちだ。しかし、『通常召喚』は行なえない。


 カスタム委員会とは、要はギルドであった。

 鍛冶ギルドなら鍛冶の仕事を組合員に回すし、服飾ギルドなら服飾の仕事を組合員に回す。委員会も同じで、工作委員会を作ったなら工作に分類するクエストを発行できた。


 全ての賢者は委員会に一般の委員として所属が可能で、そういった一般委員を優遇できるクエストの発行の仕方も多数あった。例えば『条件:探索委員5名』のように。

 賢者は2つ委員会を掛け持ちできるようで、率先して受けたい仕事内容の委員会に所属するのがベターな戦術だろう。


 なお、『お仕事委員会』のような曖昧な仕事内容の委員会は作れなかった。


 カスタム委員会と違い、ニーテストが委員長を務める『統括召喚委員会』は、ミニャとほぼ同等の召喚権限を持っていた。どんなクエストも作れる万能型だ。

 その代わりに、一般委員は存在しなかった。全ての賢者が一般委員みたいなものだからだろう。


 ニーテストを含めた全ての役職持ちは、自分で自分自身を召喚・送還することだけはできなかった。自分で作ったクエストを自らが受けるのも同様だ。自分を召喚するには、他者から召喚してもらわなければならない。

 こうなっている理由は定かではないが、不正防止というのが賢者たちの見方だ。


 そして、絶対幼女王ミニャ。

 あらゆる召喚権限を持ち、各委員長の任命・解任を行なうこともできる。


 検証が終わると、賢者たちは昨晩のうちに決めておいた委員会をいくつか設立した。

 委員会の設立にはミニャの許可が必要であり、勝手に作ることはできない。


『ネコ太:それでね、これをこうしてね』


「ふんふん」


『ネコ太:それでこれをピッてするの』


「ピッ!」


 ミニャは近衛隊に教わりながら、委員会を作るのだった。


『くのいち:じゃあ探索委員会の委員長さんは誰が良いかなぁ。ミニャちゃんは誰が良いと思う?』


 近衛隊のくのいちが問うた。

 問われたミニャのウインドウには、賢者一覧が表示されていた。


 こうして考えさせるのも覇王への道。なんちゃって覇王が賢者たちにもいるが、ミニャの場合はガチの覇王教育だ。


 問われたミニャの脳内で子猫たちが円卓を囲んでにゃーにゃーと議論する。議題は『探索で誰が活躍していたか』。

 そして、全員がガタッと席を立った。


「探索ぅー……探索ぅー……みゃっ! サバイバーさん!」


 名案!


『くのいち:いいかも! だけど、サバイバーさんはすっごく忙しいから、クエストを作っている暇がないかも』


「そっかぁ。クエスト作るの大変だもんねー」


 ミニャは腕組みをしてうんうんと知ったふう。

 否。クエスト作りの第一人者はミニャなのである。普通の賢者よりもその苦労を口にする権利はあろう。


 役職持ちはクエストの発行作業をしなくてはならない。

 サバイバーはミニャが名前を出すほど有能だが、現場で働いてこそ活躍するタイプの賢者だった。


 改めて賢者一覧を眺めて、サバイバーの近くに良い感じの名前を発見した。


「みゃっ! じゃあ覇王鈴木さん!」


『くのいち:すっごーい! きっと覇王鈴木さんならできるよ!』


『乙女騎士:私もいいと思います!』


 きっと暇だもん、とは誰も言わない優しさ。


 ミニャは良い感じの人材を決められて、むふぅとご満悦。

 こうして、各委員会と委員長や副委員長が決められていった。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

★賢者メモ 係員さん組織図★


◆【序列1位】

・ミニャ

・主な仕事:絶対幼女王にしてみんなのアイドル。

・ミニャのオモチャ箱のあらゆる機能が使える最上位者。


◆【序列2位 統括召喚委員会】

・委員長:ニーテスト

・副委員長:工作王

・主な仕事内容:ミニャの召喚補佐。総合的にクエストの発行を行なう。終わることのないブラック委員会。他の委員会とは違い、『通常召喚』も行なえる。

・特記:副委員長は、影響制限がマックスになりやすい生産属性が就くことで可決。これは、影響制限がマックスだと異世界に行けなくなるためである。


◆以下の委員会は全て序列3位

 賢者登録が300人で一旦打ち止めになったので、序列3位の委員会はニーテストの補佐程度の役割をする。人形製作や見張りなど、繰り返して行なわれるクエストを定期的に出す程度の仕事量に加えて、各専用スレッドでの要望に応えたりする。

 また、委員会は今後増えていく予定であり、役職持ちは状況に合わせて変更していくことになる。


【工作委員会】

・委員長:ふともも男爵

・副委員長:ハイイロ

・主な仕事内容:人形の製作と必要な物の製作およびその補助作業。また人形の研究も行なう。魔力が多いハイスペックな人形を優先的に使わせてもらえる委員会。


【近衛委員会】

・委員長:ネコ太

・副委員長:くのいち

・主な仕事内容:ミニャの護衛と教育を行なう女性限定の委員会。お仕事の補助や楽しませることも必須任務。最もホワイトな委員会。

・特記:近衛隊の召喚は主にミニャ自身が行なう。ただしミニャの起床前や夜間はネコ太やくのいちがクエストを管理する。なお、よく名前が出る『乙女騎士』は牛丼屋でアルバイトをしているため役職を辞退。


【探索委員会】

・委員長:覇王鈴木

・副委員長:パットマン

・主な仕事内容:周辺の探索、見張り、また食料の採集および戦闘。

・特記:クエストが多いため、ニーテストの補佐が中心。


【植物研究委員会】

・委員長:カーマイン

・副委員長:中条さん

・主な仕事内容:植物を研究し、利用方法を考案する。


【異世界検証委員会】

・委員長:クラトス

・副委員長:竜胆

・主な仕事内容:異世界の考察および検証実験。魔法の検証も行う。賢い人やマニアが所属しがち。


【料理委員会】

・委員長:トマトン

・副委員長:グラタン(※ジョブが料理人のレア賢者)

・主な仕事内容:料理全般を受け持ち、また食材の発見と研究をする。基本的に料理の際にはニーテストに召喚してもらうことになるが、食材研究の際には自分たちで召喚業務を行なう。


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読んでくださりありがとうございます。


ブクマ、評価、感想、大変励みになっています。

誤字報告も助かっています、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] ミニャちゃんパートだと爽やかでかわいいBGM流れてて、賢者パートだと某サナトリ村みたいなBGM流れてそうw
[気になる点] 「クエスト発行の権限を持つのは、委員長などの役職持ちだ。しかし、『通常召喚』は行なえない。」 「ニーテストを含めた全ての役職持ちは、自分で自分自身を召喚・送還することだけはできなかった…
[一言] 偉い人は言いました「結局の所、〇〇長だの先生だの呼ばれたところで、そいつはタダの雑用係なんだよ」頑張れ委員長、副委員長
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