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ミニャのオモチャ箱 ~ネコミミ少女交流記~  作者: 生咲日月
第1章

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1-15 初めてのクエスト

本日もよろしくお願いします。


「ミニャ、ちゃんとできたかなぁ?」


『ネコ太:どうだろうね。ワクワクするね?』


「ワクワク?」


 不安そうにしていたミニャだったが、ネコ太の言葉にチクタクと考えた。

 ミニャの脳内子猫たちが自分の持っている不安のキューブを見下ろして、コイツじゃねえと投げ捨てた。そうしてワクワクのキューブをガシャコンとミニャの脳みそに大量にぶち込んでいく。


「ワクワクするかも!」


 それにより、ミニャはクワッと大覚醒。

 新しいことを恐れぬ積極的な精神を育む励まし。ネコ太の技ありである。


 さて、そんなミニャが何にそわそわしているかと言うと、初めてクエストを出してみたのだ。


 クエストはミニャのオモチャ箱に出会った賢者たちが最初からウインドウ内にあるのを発見していたが、『クエストを発注する資格はない』と出てしまい、使える機能ではなかった。

 しかし、そこは賢者たちの王であるミニャ。普通に使うことができた。


 ネコ太と一緒にクエストを作り、項目を埋めていく。

 そうして出来上がったのは以下のようなものだった。


■■■■■■■■■■■■■■

開始時刻 13:00

仕事:ミニャの寝床作り 穴掘り班

人形:カカロン人形

募集人数:5人

条件:土属性賢者5人

達成条件:穴を掘る

説明:受注した賢者は『工事スレッド』に参加して指示を得ること。

■■■■■■■■■■■■■■


 最初に作られたのはこのように簡単なものだった。

 それから検証も兼ねて、いくつかのクエストを作った。


■■■■■■■■■■■■■■

開始時刻 13:00

仕事:ミニャの寝床作り 材料集め

人形:赤土人形

募集人数:20人

条件1:サバイバーを指名

条件2:植物鑑定が使える賢者2人

条件3:一度でも召喚されたことのある賢者17人

達成条件:材料を集めて帰還

説明:受注した賢者は『材料集めスレッド』に参加して指示を得ること。

■■■■■■■■■■■■■■


■■■■■■■■■■■■■■

開始時刻 13:15

仕事:ルミーナ草の採集A班

人形:赤土人形

募集人数:5人

条件1-1:一度でも召喚された賢者

条件1-2:走るのが得意な賢者

達成条件:ルミーナ草を採集して中間ポイントまで運ぶ

説明:受注した賢者は『ルミーナ草採集スレッド』に参加して指示を得ること。

■■■■■■■■■■■■■■


■■■■■■■■■■■■■■

開始時刻 13:30

仕事:研修 雑用

人形:赤土人形

募集人数:5人

条件:一度も召喚されたことのない賢者

達成条件:30分間の研修を受ける

説明:受注した賢者は現地リーダーから指示を得ること。

■■■■■■■■■■■■■■


 どうやらクエストの参加者の条件を細かく決められるようだった。

『条件1、条件2』ならどちらかの条件に当てはまる賢者が受けられる。

『条件1-1、条件1-2』なら2つ条件を満たしている賢者でなければ受けられない。

 また、賢者を指名することも可能だった。


 各クエストの説明は簡素なものだが、これはミニャが打ち込むので仕方がないだろう。


 人形は事前に指定しておくことになり、クエストに指定した人形は使うことができなくなる。開始時刻が設定できるので、おそらくその時間になると勝手に召喚が始まるのだろう。


 クエスト作成はミニャにはまだ難しいが、ネコ太に教わりながら作ることができた。


 クエストをミニャと一緒に作りながら、ネコ太はミニャを心配していた。


 現在の賢者は200人までいっていないが、これがもっともっと増えた時、ミニャはどうなるのだろう。賢者になったのならみんな一度は異世界に行きたいだろうし、それはミニャから自由を奪うのではないか。そのあたりのことを女神様は考えているのだろうか。


 実際に、完成したクエストを発行した5秒後にはクエストが満員になっていた。それだけ需要があるのだ。それに対して、供給を満たせるのはミニャだけなのである。


 そんな心配を抱きながら幼女の太もも布団でぬくぬくするネコ太。良い身分である。


 そして、クエストの開始時間が最も早い13:00になった。

 すると、指定された人形たちが一斉に起き上がり始めた。クエストを受注した賢者たちが正しく召喚されたのだ。


「ふぉおおおお! ネコ太さん、賢者様が来た!」


『ネコ太:うん、ちゃんとできてミニャちゃんは偉い!』


「にゃふぅ!」


 賢者たちはミニャの前で整列した。


「みなさん、お仕事を頑張ってください!」


 ミニャちゃんカンパニーの社長の言葉は短い。

 しかし、その求心力は世の社長の数万倍はあり、ゴーグル型計測器が吹き飛ぶレベルである。それを証拠に、たったこれだけの言葉なのに全ての社員さんがにゃんのポーズで敬礼した。圧倒的忠誠心。これにはミニャもニコパとしながら返礼する。


■所持している人形■

『稼働中』

・花崗岩人形 2体 特別な護衛。

・カカロン人形 5体 土属性賢者5人。

・赤土人形 48体 研修、護衛、見張り、雑用、材料採集班。

・赤土人形(手だけ石製)10体 工作班。

※手だけ石製なのは5本の指を作ったため。他の赤土人形はミトン型。


『ストック&充填中』

・花崗岩人形 3体

・安山岩人形 3体 ※新規作成分2体追加。

・赤土人形 25体

※赤土人形は1時間に30体ほど量産中。

■・■・■




 というわけで任務が始まる。


 土属性班は穴掘りである。

 彼らが表示するウインドウには『図鑑』内にある『ミニャの仮拠点設計図』が表示されていた。ネムネムがパパッと完成図のラフスケッチを描いており、誰にでも大体の完成図がわかるようになっていた。


 ミニャがいる場所には、直径30cmほどの倒木がある。倒れている方向は川に平行な形で、ミニャの胸元くらいの高さでバランスを取って止まっていた。倒れてからおそらく1年は経っているようで、倒木は茂みに飲まれており、倒壊の心配は薄い。さらに、茂みは河原方向からの隠蔽性を高めている。


 この隠蔽性を利用しない手はない。

 サバイバーが指定した場所は倒木の裏側で、賢者たちはそこに魔法で穴を掘り始めた。


 土属性は『穴掘り』という魔法が使える。

 これは一回の魔法行使により最大で約20×20×20cmの穴が掘れるという、単純にして非常に有用な魔法だった。


『チャム蔵:それじゃあここに並んで。俺から使うから、端っこを揃えてどんどん使っていって』


『土属性一同:了解!』


『チャム蔵:じゃあ最初は練習だな。穴掘り!』


 チャム蔵が穴掘りを使うと、足元に20×20×20cmの穴ができた。


『ゼル:おっけーおっけー。穴掘り!』


 その穴を見て、隣の賢者が穴掘りを使う。

 それが5人分。あっという間に幅20cm×100cm、深さ20cmの細長い穴ができた。


『絶狼:こっちの方に茂みの根っこが出てるぞ。どうする?』


『チャム蔵:根っこはそのまま残してくれ。倒木側の壁は最終的に石で補強される』


 次の穴掘りが使用され、幅40cm×100cm、深さ20cmの穴となった。それをひたすら繰り返していく。


 穴掘りの魔法には土を不思議空間に5分間だけストックできる機能があるので、5分の制限が終わるまでに指定の場所へ捨てに行かなければならない。

 しかし、ただやみくもに捨てるのは勿体ないので、ストックした土で倒木が崩れないように補強し、余った土で掘った穴の周辺に土塁を作っていった。


『ネコ太:ミニャちゃん大変! 賢者さんたちが穴から出られないって!』


「にゃんですと! じゃあミニャが出してあげる!」


『ネコ太:ミニャちゃん、今度はあっちの賢者さんが出られないみたい!』


「はー忙しい忙しい! あっ、幼虫さんだ!」


『ネコ太:みみみミニャちゃん! 枝で抓もう!』


 などとミニャを楽しませるイベントも盛り込みつつ、作業は進む。


 魔力の都合で土属性の賢者たちは短時間で交代されたが、その甲斐もあってすぐに縦160cm、横300cm、深さ80cmの穴が出来上がった。

 それに伴ってかなりの空腹を味わう10人の賢者たちも出来上がったが、それもまたミニャのオモチャ箱最古参の勲章であろう。




 彼らの成果に、スレッドも盛り上がる。

 ここは覇王鈴木が最初に作った雑談スレ。名無しが許される空気の緩いスレッドだ。


【435、名無し:マジで土属性にしておけば良かったわー。なぜ俺は雷属性にしたのか】


【436、名無し:俺もまさかお前らが雷属性を選ぶとは思わなかったわ。俺だけの選ばれた力だったはずなのに。クソが】


【437、名無し:雷を操る勇者(量産)】


【438、名無し:俺も闇属性にしちゃった( ;∀;)】


【439、名無し:闇属性とか虫殺す係じゃん。鑑定魔法も見つかってないし】


【440、名無し:闇属性は魔物鑑定を持っているって信じてる】


【441、名無し:火と雷と闇はマジで地雷だった。そして俺は森の中で活動するとは知らずに火属性を選んだ】


【442、名無し:いや、火属性はどこで活動しても火事の心配をする属性だろ。火事の心配をしなくていい場所ってあんまりねえぞ】


【443、名無し:ちくしょちくしょう。俺だって本当に異世界に行くとわかっていれば現実的な属性にしたのに!】


【444、名無し:ほんそれ】


【445、名無し:土属性がマジで優遇されすぎだろ。アイツら『石材変形』も使えるんだぜ?】


【446、名無し:というか、生産属性が全ての属性が持つ生産系の魔法を使える感じだな。攻撃系の魔法は一切使えないみたいだけど】


【447、名無し:どっちでも同じだわ。これから土と木と生産属性はどんどん活躍するに違いない】


【448、名無し:ナーフされねえかな】


【449、名無し:いや、ナーフは不味いだろ。ミニャちゃんの命がかかってるわけだし】


【450、名無し:たしかにソシャゲじゃねえしなぁ】


【451、名無し:ちなみに447は何属性?】


【452、名無し:闇属性(/ω\)】


【453、名無し:雷と闇多すぎ問題】


【454、名無し:全部日本のサブカルチャーが悪い。なんで勇者は雷なんだよ。なんで闇属性はカッコイイんだよ。ここじゃいい笑い者だよ!】


【455、名無し:笑い者は言いすぎじゃね?】


【456、名無し:いやー、魔力をたくさん使った後の空腹は辛いね! でも、ミニャちゃん陛下の役に立ったあとの空腹は格別だわ! ラーメンが美味い!】


【457、名無し:は? 殺すぞ】


【458、名無し:お前、最後に派遣された土属性の5人の誰かだろ。名前覚えたからな】


【459、名無し:闇属性に呪殺とかねえかな】


 土属性の大活躍ぶりを見て、嫉妬属性を持つ暗黒の雷火がバチバチしている様子。


 しかし、まだミニャのオモチャ箱と出会って数時間しか経っていないのだ。

 それぞれの属性が活躍できる魔法はきっとあるはずだと、不遇賢者たちは挫けない。せっかくの奇跡体験なのだから、意地でもしがみついてやる。そんなふうに思うのだった。


 ちなみに、少なくとも魔法の実験台になりがちな虫さんには呪殺は発動したことがない。きっとそんな魔法はないのだろう。



読んでくださりありがとうございます。


ブクマ、評価、感想、大変励みになっております。

誤字報告も助かっています、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
雷は電気漁として活用予定だし、攻撃・牽制としてとても優秀なはず。生産に活かすなら…、ちと難しいが。虫・魔物除け用の電気網バリアとか…? 闇は、気配を消して隠密とか。あるいは精神魔法系統を含むなら、そ…
[一言] まぁゴブリンを殲滅する必要が出てきたら闇も火も雷も居るだけ居たら役に立つし大丈夫でしょう
[良い点] この属性ならあんな使い方ができるはず、と色々想像してみるのが楽しいです。
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