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父は元召喚者



ーー私はいわゆる召喚者であった。




 数ある物語の召喚者は、


類い稀なる才能の持ち主であることが多い。




 例えば、


頑丈な者、知識を有する者、強い精神力を持った者、


みんなから愛されるような人格者、などである。




 これらは、天性の才能と考えて良いだろう。




 そして、才能あふれる召喚者達は、


勇者や救世主の役割を与えられるにあたって、


それら才能のカサ増し、


又は、新たなる才能を授かることが多い。




 そして、それは私も例外でなかったのだ。




 私は、真実を見通す眼


ーー『プロビデンスの眼』を授かった、


いや、授かってしまった…。



 このような言い方になるのには理由がある。


 なぜなら、


この力は眼が良すぎるなどという、


生易しいものではないからだ。




 片目であれば力が弱まる。


 しかし、両眼となると、力が共鳴し合うのか、


とてつもない力が発揮されるのだ。




 誰かと会話をしている時、


一瞬でも両眼を合わせたなら、


相手の言葉の虚偽や本音が丸わかり。



 また、何秒も見つめ続けようものなら、


相手の過去や未来までも見えてしまう。





 召喚した国の関係者や、言い寄ってくる女性達。


 皆、表面ではニコニコとお世辞なんかを並べている。



 しかし、この両方の眼で見つめてしまえば、


腹の中の黒いドロドロとした欲望が丸裸というわけだ。





 初めは、気にしないようにと思っていても、


少しずつ心はダメージを蓄積させていき…


私は、人を信じるのが難しくなってしまった。





 ゆえに私は、


この世界での役割を終えてからは、


常に片方の眼は眼帯で隠し、


両眼が使われることのないよう、注意を払ってきた。




 …そんな人間不信に陥っていた私だが、


ある素晴らしい女性と出会い、


人を信じる心を少し、取り戻したのである。




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