逃避旅行
私には好きなことがある
小説だ。
お話を考えて
登場人物たちに素敵な名前をつけるのが大好き。
けれど
才能がない。
天才なんて言葉に永遠に届かない。
私は小説家になりたい。
本当は。
でも
生活が心配。
これからそれ1つで生きていける自信が無い。
才能がないから。
これは天職じゃないから。
分かってる。
分かってる。
だから大学だってろくに調べず何となく流れに乗ったし
真剣に先生に相談したことも無い
なのに
将来が心配だからなりたいものになりたくない
なんて
そんなこと言っちゃダメなことなんて分かってる。
だけど
逃げたい。
逃げたい。
こんな辛くて残酷で本当はお金がなきゃ自由なんかない世界から
飛んでいってしまいたい
でも目的地は?
逃避旅行の間の食料は?
結局
夢に向かうにはどうしたって現実がつきまとう
結局
この世界は矛盾に溢れている
そんな世界で今日も私は
逃飛旅行のための物語を
逃飛旅行をする人達を
書く
書いていく
そんなわかで
矛盾とわがまましか持たない作者は
今日も生きる