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エッセイ  作者: 野原いっぱい
10/11

コロナ・戦争(後編)

挿絵(By みてみん)



では、社会を混乱させる疫病、ウィルスに関していくつかの疑問が湧き上がります。

それぞれが生まれた原因と理由です。

取り上げた例だけでも、コロナに限らず発端は不明瞭です。

長期にわたって他の動物、生物の体内に潜んでいて、あるきっかけで人間に乗り移り悪影響を及ぼしたのかもしれません。

また、まったくの突然変異で現われたのかもしれませんが、あらゆる生き物と同様に起源は不明で進化したとしてもその理由は定かではありません。


人間だけに限ってみれば、それらが人体を攻撃すれば、体調を悪化させ、強力な細菌の場合は死に至らしめることが出来る。

もちろん人体組織も攻撃を受けるだけでなく抵抗する力を持つようになる。

近年では人間自ら薬やワクチンを開発して対抗している。

もし、細菌の力が強大で人間が対抗する術をもたなかったら、はたして絶滅してしまうのか。答えは可です。


この地球は過去に何度も絶滅を経験しています。寒冷、高温、大気中の酸素濃度、隕石の衝突等が原因でしたが、それは、生物全般だけでなく、人類についても当てはまります。

現在の我々ホモ・サピエンス以外にも人間と言える種族があったのですが、有名なネアンデルタール人をはじめ、数々の種族が滅んでいったのです。

我々現人類が様々な災厄にも係わらず生き残っているのは、知性という能力を持っているからです。

では、この先も現人類は生き延びるのかというと、不確かとしか言いようがありません。

疫病、気候変動、隕石、天災以外にも近年は戦争という人為的な要因も加わっており、滅亡のシナリオは幾通りも考えられるのです。


さらには、全世界をとってみれば、人口は増える一方です。

過去の歴史を遡ると、既に記したようにウィルス要因だけでも、自然発生的に人口増を抑制しているように見えます。

もし神の意思が働いているなら、いずれ調整局面がやって来るかもしれません。

ここでは、戦争という要因だけを抽出してみると、疫病と同様に過去の人口淘汰に深く係わってきたことが分かります。


戦争の犠牲者(死者数)

・時期 1618~1648年 ヨーロッパ 400万人 死亡 30年戦争

・時期 1792~1815年 ヨーロッパ・ロシア 4899万人 死亡 フランス革命・ナポレオン戦争

・時期 1914~1918年 2600万人 第一次世界大戦

・時期 1939~1945年 5350万人 死亡 第二次世界大戦

・時期 1950~1953年 朝鮮 300万人 死亡 朝鮮動乱 米国・中国介入

・時期 1960~1975年 ベトナム 235万人 死亡 ベトナム戦争 米国介入


以上は過去の戦争で数多くの人々が犠牲になったものを取り上げましたが、人類が今までに戦ってお互いに傷つけあった争いは大小数え上げればきりがありません。


ただ、現在行われている戦争の過去との違いを比べてみると、死者数の多いナポレオン戦争は現在の欧州、ロシアにまたがる悲惨な権力争いだったのですが、まだ写真すらもない時代で歴史書すなわち記録に残る文献によってのみ知ることが出来ます。

しかしながら、その後に起こる第一次、第二次大戦は写真、映像もみることが出来、さらに朝鮮戦争やベトナム戦争のように時代が進むにつれ、メディアが発達したことによって、より戦況を詳しく知ることが可能となったのです。


もう一つの大きな特徴は兵器が多様化し、広範囲に破壊するミサイル、爆弾が使用されるようになって、従来よりも確実にターゲットを消滅することが出来る時代になっており、今や、大量破壊兵器である核の使用を実行しないことを願わざるを得ない状況です。


一方で現在進行中のウクライナ紛争やイスラエルのガザ地区侵攻については、非人道的な攻撃を目の当たりにしています。

本来なら聖域であるべき学校や病院までも標的になっており、女子子供をはじめとする民間人の犠牲も増える一方で、短期間で決着がつかない戦争に苛立ち、あの手この手で、相手に精神的な苦痛を与えようと、エスカレートさせているようにも見えます。

また双方で使用されている無人機攻撃は標的が誰で、どういう建物、施設であろうとお構いなしに着弾します。

一応軍事目標を正確に狙って飛ばしているとコメントがあっても、信用できるものではありません。


ここでは、これらの戦争が始まる前に、将来の戦闘を推測した短文を紹介したいと思います。


黒鳥


陸地を目指す一群が

整然とした飛翔模様を描いている

「見えた、見えた!」

先頭の一羽が後方の集団に合図した

「そうか、よかった、よかったな!」

どうやら目的地に近づいたようで安堵の声が上がる

渡りが初めての者はもちろん、経験者も活気づく

ところが中団の一羽が何かに気づいたようだ

「あれ、あれはなんだろ?」

雲の切れ間から突然現れ飛ぶ姿が目に入った

色は黒っぽく、距離を置いて同じ方向に向かっているようだ

見た目には危険はなさそうだ

「仲間からはぐれたのかな?」

一羽だけで他にいる様子はない

「心細いだろう。誘ってやったらどうだ」

リーダーが声を掛けた。安心感が親切心を招く

「わかった。行ってみるよ」

そう言って一羽が黒鳥に近づいていく

けれども間近まで来てびっくり

全身は自分たちより数倍大きく異様な形状をしている

羽根はあるようだがほとんど振っていないようだ

見たことのない種族だがとにかく話しかけてみた

「君、君も陸地に向かっているのかい?」

相手はびっくりしたようだが返事はあった

『そうだよ。でもあまり気が進まないんだ』

憂鬱そうな声であった

「どうしてだい?」

『僕が行くと多くの者に迷惑がかかるんだ。僕は〇〇〇〇なんだ。だから行かないほうがいいんだ』

風の音で聞き取りにくいこともあってよくわからなかった。

「じゃあ、行かなければいいんじゃない?」

『だめなんだ。僕は操られているから進路を変えることが出来ないんだよ』

悲しげな様子を見て励ましの言葉を掛けた

「なにか君の力になれることはないかい?」

『ありがとう。でも自分の意思では何も出来ないんだ』

「僕たち大勢いるよ。皆の力を合わせれば出来るかもしれないじゃあないか」

黒鳥は少し考えた後、口を開いた

『もしかしたら可能かもしれないな。でもお願いしていいのかい?』

「遠慮することないよ。僕たち困っている者がいればお互い助け合っているから。ちょっと待ってて、すぐに戻って来るから」

一羽は黒鳥から離れ仲間のもとに戻っていく

その間も徐々に陸地に近づいている

程なくして渡りの一群が近寄ってきた

数百羽の集団が黒鳥の横を飛ぶ

「また来たよ。それでどうすればいいんだい?」

『ありがとう。助かるよ。僕の周りを取り囲んで飛んでほしいんだ。そして出来る限り羽ばたいてくれる。そうすれば僕を操っている信号を遮ることが出来るかもしれないから』

「わかった。お安い御用さ。で、自由になったらどこに行くの?」

『うん、元の場所に戻っても意味がないから、そうだな、海の中に潜ろうと思う。皆が安全だから』

「え!海の中でも泳げるのかい。凄いなあ」

『ま、まあ、そういうことかもしれないな』

「よし、じゃあやるよ。うまくいくといいな」

そして、一羽が合図を送ると、渡りの集団は一斉に黒鳥の周囲に群がり羽根を思い切り上下しだした。

外から見ると密集した渡りの姿しか見えない

そのままの状態で進んでいく

しばらくしてその集団は徐々に下降しだした

『どうやらうまくいったよ。ありがとう』

そして一体だけ抜け出して海に向かって離れていく

『ありがとう助かったよ、感謝するよ、ありがとう』

と何度も声を発しながら真っすぐに落下する

さらに、黒鳥は海面に突っ込む寸前に

『これで思い残すことはないよ』

と言ったが、渡りたちには届くことはなかった

その間、一群は一部始終を見守っていた

「これで良かったのかな?」 

「良かったのさ。喜んでいたんじゃないか」

「彼はなんだったんだい?」

「確か、自分のことを、ムジンバクゲキキ、と言ってたけどよくわからなかったな」

「これからは海の中で自由に泳ぐんだろうな」

「元気でいるといいな」

「よし、それじゃあ我々も急ぎ陸に向かおう!」

そして、渡りたちは再度編隊を組み陸地を目指し飛び始めた

その直後に、黒鳥が飛び込んだあたりの海面で水柱が立ったけれども、それに気がつく者はいなかった



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