ベンチでごはん。
おもむろに開く 蝶々結びの布切れ
誰かが そばにいても構わなかったけど
たった一人の 昼食
カバッと開けた 弁当箱の
そこにあった 苦労の末
八の字を描く ご丁寧な
鮮やかな手腕 タコさんウインナー
想像でしかないけれど まな板の上で四苦八苦しながら
色鮮やかにしようとする 愛情ーー 頑張ってねって
たった わずかな
手のひらに収まるサイズの その中身
しゃきしゃきとした感触 ほうれん草の煮浸し
かつては賑わう 公園の片隅で
ふと止めたお箸は 世知辛い