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英雄は愛しい女神に跪く  作者: 奈口 結
ルマニアン王国編
3/23

始まりの深緑




目覚めるとそこは、深い森のなかだった。


深い森にはたくさんの生き物の反応があった。樹木が高くてあまり日が入ってこないせいで、薄暗く不気味な雰囲気を漂わせる森だった。


「優理?」


「ん…十夜?」


しっかりと手を繋ぎ、隣には優理がいた。


「よかった…夢じゃなくて。また十夜と一緒だね」


「あぁ、俺はお前の側にいるよ。ずっとな」


出会った時からずっと一緒に生きてきた。最初は、同じ悩みと同じ傷を持つ者同士の傷の舐めあいだったのかもしれない。でも今は違う。


俺にとって唯一無二の存在だ。


「さっそく確認…の前に、水場に生活拠点を立てよう。」


「どうして?」


「暫くはここに留まって、力の確認だ。後これだな」


「これは?本?」


「俺達の寝てた場所の近くに落ちてた。どうやらご親切にエレルが周辺国のことや常識なんかを書いて送ってくれたらしい」


「そうなんだ…エレルちゃんには感謝だね」


「あぁ、これを頭に叩き込んで、力を確認してから街を目指そう」


「うん!」



俺達は歩きだした。


もう一度、自分たちの『平穏』を求めて。











──────────────────



「…995…996…997…998…999…1000!」


「十夜!お疲れ様!」


「あぁ、ありがとう」


筋トレを終えた俺に優理がタオルを渡してくれた。


森での生活は一言で言うと、まさに『平和』だった。この世界にやって来て1ヶ月程だが、順調だと言っていいだろう。


エレルからもらったスキルのお陰で、大抵の魔物はどうにかなった。はじめての戦闘も、それほど恐怖も抱かずクリアできた。


優理の索敵系スキル『完全感知』のおかげで、水場もすぐに見つけられたし、食べられるものや貴重な薬草なども見つけられた。勿論近づいてくる魔物も感知出来るおかげで楽に戦闘が出来る。


俺のスキルも、どれもぶっ飛んだ性能だったが、せっかく神からもらった力だ。有効活用しよう。


森で生活するのは、それほど大変ではなかった。それは俺の創造スキルのおかげだ。


イメージ次第で物質を創造できると説明文にあったので、初めは使ってみようとしたが、発動しなかった。どうや無から有を産み出すものではく、有から造り出すものだった。錬金術を想像すると簡単だ。


おかげで、木や地面から家を作り、鉄や鉱石、魔石から武具を造り、素材から日用品を産み出した。おかげで何の問題もなく森での生活を楽しんでいた。


「そろそろか……」


「十夜?」


「そろそろ街に行くか」


「街かぁ…何処に行く?」



エレルが書いて送ってくれた本には、様々な情報が載っていた。


エレクシアルには人族の国が5つ、獣人の国、エルフの国、ドワーフの国、竜人の国、魔族の国がある。


人族の国は、一つがルマニアン王国。特に人種差別がなく、平和な国らしい。多種多様な種族がすんでいる。奴隷もいるには居るが、きちんと国が制度を整え、俺達が想像しているような劣悪な環境での労働などは法によって取り締まられているらしい。


一方、ルマニアン王国の反対に位置するのはテンブリア帝国。ここはルマニアンとは反対に、他種族差別意識が強い。しかも帝国貴族の一部には、人族至上主義の考え方が広まり、他種族を非合法な奴隷に落とすものまでいるらしい。


それに拍車をかけるのが聖国クレアト。エレルを信仰する宗教国家。しかし、今では私腹を肥やす豚らしい。エレルの説明にもなかなか力が入っていた。余程腹が立っていたのか、他の国より国の裏事情がびっしり書いてあった。


そして中立を謳う魔法国家オルビリア。魔法の栄えている国で、魔法学校や研究所が多くあり、学者の国として有名らしい。



最後は、日の輪国。俺達のいた地球の日本の昔の姿によくにているらしい。しかし、昔から今でも鎖国国家で、来る者拒み、去る者追わずの構えらしい。


他にもこの世界の常識や、スキルのこと、エレルの頼みのダンジョンの島の場所など、色々記されていて、勉強になった。


「まずはこの世界の金だ。倒した魔物を換金してもらおう。そのためにはやはり冒険者になるのが手っ取り早い」


「そうだね」


「いきなり人族の俺達が他種族の国に入ることは出来ないだろう。入るなら人族の国だ。だからここから一番近いルマニアン王国に行こう」


「うん、それでいいよ」


優理はいつも俺についてきてくれる。俺の言葉を信じてくれているから。俺も優理の言葉なら信じられる。


そうやって二人で生きてきたのだから。


「ダンジョンの島はどうしようか?」


「すぐにでも溢れる訳じゃないと書いてあった。ゆっくりこの世界を見て回った後でも問題ないさ」


「うん、そうだね!」


「じゃあ、行くか」


「楽しみだね、どんな国かなぁ?」


「うまいものが食べられるといいな」


「うん!」








現在のステータス



名前:十夜

種族:人族?

HP:1657000/1657000

MP:58200/58200


新しく取得したスキル


アクティブスキル:

身体強化Lv.MAX

念話Lv.7

体術Lv.MAX

見切りLv.MAX

命中Lv.8




名前:優理

種族:人族?

HP:7560/7560

MP:1576000/1576000


新しく取得したスキル


アクティブスキル:

家事Lv.MAX

器用Lv.9

採取Lv.8

体術Lv.4

見切りLv.MAX

身体強化Lv.5

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