9 ちっちゃなぼくの おっきなゆうき
それでもちっちゃな 神様は
わきたつくもの そのさきの
おつきさままで とどきません
おおきなりっぱな 神様に
おねがいするには たりなくて
しんまいさんきゅう 神様は
まだまだ天には のぼれません
あんなにあんなに たかくまで
子りすのからだは とどきません
なんかいはねても とどかずに
なみだがでそうに なりました
よわむしけむし あっちいけ
おそらのうえまで ぼくいくの
おおきなりっぱな 神様に
だいじな“ごえん”を むすびにいくの
うつむくこころを ふりはらい
ちっちゃなおててで ほほたたき
おやまのうえまで のぼります
おやまのうえなら とどくかな?
おつきさままで とどくかな?
ちっちゃなちっちゃな 神様は
こころにとりつく よわきむし
ほどいてかじって ひっぱって
てっぺんめざして はしります
おおきなりっぱな 神様へ
やさしいかおりの 神様へ
“ごえん”よ とどけと がんばりました
とがったこいしや くさのとげ
どろですべって ころがって
がけにてをかけ たきにはうたれ
のぼっておちては またいどみ
ちっちゃなちっちゃな りすの神
ちっちゃなてあしは きずだらけ
いたみになきそに なりながら
やまのてっぺん そのまたさきの
おつきさままで とどくよに
どろにまみれて ちだらけで
いっしょけんめい がんばるけれど
おまえになんか むりだよと
かくれてにげて しまおうと
こんなにいたい おもいして
“ぼく”がやること ないじゃない?
こころにそっと しのびよる
ぼくのふりした にせものの
よわきのむしが からみつく
とえにはたえに からみつき
“ぼくはちっちゃい”
“ぼくなんてだめだ”
“だれかがやるよ“
“もうやすもう”
みみにあたまに はいりこみ
こころがおれそに なるけれど
だいじなだいじな みんなの島を
じいちゃんかえる そのひまで
ぜったいぜったい あきらめない!
うそつきなにせものが
”じぶんのふり”をしてくるの
あたまのなかで いじめてくるの
そんなときには おそらをみよう
だいすきな おうたをうたおう
かがみにむかって わらってみよう
にせもののうそになんて まけないで
きっとげんきがでてくるよ